おパンツフォーエバー
タクは、右手を握り絞める。
先ほどベッドに投げ捨てた使用済みパンツの温もりは――――その暴力的なまでの情熱はタクの手に残り火のような熱をまだ残していた。
「パ、パンツを・・・」
タクの声は、興奮から震えていた。
「はあ? パンツ?」
ルルーシカは眉を寄せる。
ゴクリ、と部屋に響くほど、唾を飲み込む音は、
大きな音をたてたように、タクには感じられた。
「そう・・・パンツを・・・」ままよ、とタクは願う。「俺に履かせてもらう趣味がある!!!」
言い切った。
気持ち上では
歓声注ぐ中、天高くに腕を伸ばし、勝利のポーズをタクは決めていた。
もちろん、空へと伸ばした手には、パンツは握られている。
そう、あの神器――――ルルーシカの使用済みパンツが。
ゴツン!!
拳が容赦なく振り下ろされた。
「いって~な」
頭が、ジンジンと痛んだ。
「何を言ってんのよ。ボケ、ハゲ、からっぽナスビ。何であたしが、そんなアホらしいことをさせないといけないのよ」
「な、何だよ。チート奴隷ならアリだろ。ご主人様に奉仕するくらいなんだから・・・」
「あるわけないじゃないの。どんな奴隷よ。そんなことSランク、いえSSSランク執事でもありえないわ。いくら、私が寛容かつ大らかな心を持っているにしても、下着を男の人に履かせてもらうなんて下品なことはしません」
裸を見せるのは普通。
下着をはかせられるのは異常。
タクは、ルルーシカの感性の尺度がいかれている、と思った。
「あ~あ、残念ね、タク。外れてしまったから、あんたの大っ嫌いなあのお仕置きをあたしはしないといけないわ」
残念そうにというよりも、
むしろ嬉しそうにルルーシカは言う。
嗜虐的な笑みすらこぼしている。
な、何だよ。お仕置きって。
やっぱり、鞭とかか?
いや、まさか、皮剥ぎとかないよな。
皮膚をナイフをそがれている場面を想像しただけで、
タクは叫びたいくらい、肌がピリピリと痛んだ。
「さあ、さあ、さあ」
ルルーシカがタクにグイッと近づいて来た。
タクの目と鼻の先に、ルルーシカのブラジャーに包まれた胸がある。
そんなことよりも、
タクは、タクは、あまりの恐怖に叫びたい気分だった。
で、で、で、できれば、男にとって敏感な部分を『シュート!!!』なんて叫んで、
蹴りあげることはやめてくれよな。
あまりの痛さに、叫ぶどころか、悶絶して、気を失ってしまう。
運が悪いと、死んでしまうなんてことも。
突然、ルルーシカの両手が、タクのシャツの裾をつかむ。
刹那、なすすべもなく、タクはシャツをまくり上げられた。
上半身が裸になる。
あまりの唐突な状況にタクは声を失った。
上半身を隠す暇すらなかった。
そして、
ルルーシカは、例のグシュグシュしだしたのだった。