雨
タクとルル―シカは登校準備をし、
外に出ると、今にも雨が降り出しそうな天気だった。
「なんか、今にも雨が降り出しそうな不気味な天気だな」
「そうね。雨が降るとめんどくさいから、ささっと行きましょ」
タクとルル―シカは早歩きで学校に向かった。
学校に向かう途中、誰とも会わなかった。
「変ね~今日は誰とも会わないじゃない。まあ、そういった日もあるか」
教室に着くと、クラスメートは皆、椅子に座っていた。
まるで石にでもなったかのようにじっとしている。
朝特有のクラスのざわつきはない。
何かを待っているかのように皆、静かに椅子に座っていた。
タクは自分の席につくと、まだレーラが来ていなかった。
レーラ以外に、ミアとかなえも来ていない。
時計の時刻は八時半を指していた。
カーン、カーン、カーンという鐘の音が響く。
雨がポツリポツリと降り出した。
次第に雨あしが強くなり、窓を激しくたたく。
時刻はすでに九時を過ぎていた。
お色気、体調でも崩したのかな。
クラスメートたちは皆、微動だにすることなく黒板を見つめていた。
ルル―シカだけが、この不思議な状況にそわそわしているようだった。
時刻が九時半を過ぎたころ、ルル―シカが立ち上がる。
「ちょっと、誰か、お色気を呼んできなさいよ」
ルル―シカの言葉に誰も微動だにしない。
「ちょっと、あんたたち、無視してんじゃないわよ」
ルルーシカはある女子生徒のところに歩いて行った。
眼鏡をかけたセミロングの女子生徒だった。
「ねえ、ミッシェル、あんた、委員長なんだから、お色気を呼びにいきなさいよ」
ミッシェルはルルーシカの声に気がつき、振り向く。
目を大きく見開き、口元を引き伸ばし、
「うふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」
ミッシェルの、甲高い笑い声が教室に響く。
「な、何よ、き、気持ち悪い」
ルル―シカはミッシェルの笑いに動揺するも、
次はいかにも勤勉そうな男子生徒に話しかけた。
「ねえ、領。ミッシェルはヤバイ薬でも飲んで、頭がおかしくなっているぽいから、代わりに、あんたがお色気を呼びに行きなさいよ。一応、副委員長なんだし・・・」
領はルルーシカの言葉に反応しない。
机の上に何か面白いものがあるようにじっと見つめている
バーン!!
ルルーシカが机を叩いた音が教室に木霊した。
それでも、領は反応しない。
無反応。
無関心。
「何よ。何よ。何よ。あんたも私をバカにして!!それに、どうしちゃったのよ。みんな!!」
ルルーシカの叫び声が、雨音にかき消される。
「わかったわよ。私が行けばいいんでしょ。あんたたち、グルになって私をバカにして!!後で覚えていなさいよ」
ルル―シカはドアを力強く閉め、教室から出ていった。




