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ルルーシカ(♀)の恥ずかしい秘密って?

 タクは、美少女と言ってさしつかえないルルーシカと、

 一緒にお風呂に入ったことがあるという記憶がないことに、

 少なからず嘆いていた。

 

 記憶を引き出そうにも、何も出てきやしない。

 幼い頃のルルーシカの寝顔も、幼い頃のルルーシカの下着姿も、

 幼い頃のルルーシカの裸も、

 当然のこと、今よりぺったんこのルルーシカの胸など出てこない。

 淡いピンク色をした、両胸の中心についている突起だって当然出てこなかった。


 ただ、幼いルルーシカは今よりも、薄いピンク色の突起を装備していただろうと想像はできた。

 年を重ねることで、色素は沈着することはあっても薄れることはないのだから。

 

「・・・ほんとに記憶がないの?」ルルーシカは腕を組んでいる。「なら、それが本当か確認するために、質問をするわ。これであんたの言っていることが真実かどうかわかるから」

「あ、ああ・・・」


 ルルーシカは一拍置く。


「タクは、ゴミが大好きなのよ。特に私が捨てた残飯をおいしいおいしいと涎をたらして食べていたの」


 タクはゴクリと唾をのんだ。

 生唾がまずかった。


「でね、タクは従順だから、私が死になさいと言えば喜んで死ぬ覚悟をしていたわ。最近だと、私がヒステリーを起こして、タクの腕を風魔法で切り落としてしまったときも、嬉しさのあまり泣いていたもの」

「う、嘘だよな」


 ルルーシカの衝撃的な言葉に、タクの声は震えていた。

 対して、ルルーシカは冷めた目でさらりと、罪悪感などみじんも抱いていないわよといったふうに、

「ええ、嘘よ」


「・・・・・・」


 絶対に馬鹿にされている。


「ふふふふふ、あはははは、あ~面白い、面白い」ルルーシカはお腹を抱えて笑った。「軽い冗談よ。それに、私は質問をするといったのよ。さっきのは質問ではないわ。独り言よ」


 クソみたいな独り言だ。


「・・・で、質問は何なんだよ」

「そうね・・・、アレにしようかしら」

「アレ?」

「そうよ。アレ」ルルーシカはピンとタクを指さした。「あんたは私の恥ずかしい秘密を知っているの。今なら、ジャイアントイエローゴリラが腹踊りしてしまうくらいに恥ずかしい、私の《あの秘密》を言ってもいいわよ。でないと、グシュグシュの刑よ」

「恥ずかしい秘密を言ってもいいと言われても・・・」


 タクにはそれが何なのか、まったくわからなかった。

 やはり、記憶を探っても、何も出てこない。


「あら、この私が、今なら、私が顔を赤面させて、口を閉じて、モグモグしてしまうくらいに恥ずかしいあのことを言ってもいいって言っているのよ。でないと、グシュグシュの刑よ。タクは泣きわめいていたわよね、グシュグシュされるくらいなら、いっそ殺してくれと……」

「いや、そうは言われても」


 タクは、本当に記憶がなかった。

 が――――、ルルーシカは急かす。


「ほらほら、早く言いなさいよ!!」


 腰に手を置き、下着姿で俺を見下ろすこの女の恥ずかしい秘密とは何だろうか?

 

 タクは考える。

 俺とお風呂に一緒に入ったことがあると言っていた。

 裸だって見られるのも日常的。

 ほぼまっ平らな、気持ちふくらみがある程度の胸を見られても気にせず、

 密林に覆われた女性器をさらしても、ほぼノーダメージ。

 

 そんなゴキブリ並みの強靭なメンタルを持ったこいつにとって、秘密と言うくらいの《恥ずかしい秘密》ってなんだろうか? 

 もしや、成人を経ていない男女には許せない、多くの人間が嫌いと建前では言いながら、実は大大大好きな、親から子へと遺伝子を繋ぐ、行いすぎてしまうと子孫が大繁栄してしまう――――例の行為か?


 いや、けどこれを言って外してしまったら、

 マジで変態だよな。

 ――――と思ったところで、タクの目に、とある神器が飛び込んでくる。


 それは神々しく輝いていた。

 生地が照明の光を浴び、自己主張していた。

 パッと見、ピンク、

 形は三角形、

 しわくちゃだが、内にとんでもない情熱を秘めている。

 それは一度、タクがその右手に装備し、恐ろしすぎる暴力性がために、

 投げ捨ててしまったあの最強武器だった。

 その名も――――ルルーシカの使用済みパンツ。


 インスピレーション飛来!!!!!

 瞬間――――ありえない、ありえないと、タクは思いつつも、

 奴隷にならもしかしてあるかもといった希望と、

 抗いがたい欲求に負け、タクはつい口走ってしまった。

 それでも、タクの表情は清々しさに満ち溢れていた。


 言いたいこと言うのって、最高に気持ちいいいいいいいいいい!!!!!




 





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