発狂しちゃいそう
「あんな気持ち悪い男のことなんて、どうでもいいとして、あんた、いつの間に勉強したのよ」
あん?勉強?
なにを言っているんだ?
こいつと言い、ピエロと言い。
「勉強なんてしてないけど、というか、何を言っているんだよ」
「あぁ~あんたは昔からそういうところがあったもんね。影で努力するとかね。うっとおしいことこの上ないわ」
ルルーシカは机をポンポンと苛立たしげに指先で叩く。
口元を結び、本当に悔しそうだ。
「古代魔法言語は苦手だったはずだけど、ゼノギア語をあんなに流ちょうに話していて、少し悔しかったわ」
「俺、そんなに流暢に話していたのか?」
「ええ、何を言っているかはわからなかったけど、ネロ先生がうんうんと頷きながら、タクの音読を真剣に耳をかたむけていらっしゃるのを見たら、それこそクソ~と思うのは当然よ」
いやいや、クソみたいな内容だったし。
不倫話だぞ。マジって言っているのかよ、こいつ。
「あ~、なんかすごく悔しい」
「いや、別に悔しがることじゃないって・・・」
というか、こいつもピエロも何なんだよ。
俺が、違った言語を話していたって。
二人とも、耳がおかしくなったんじゃないのか。
「あ~もう。今回は負けを認めるわ。でもね、覚えていらっしゃい。絶対に見返してやるんだから」
「お、おう。頑張れよ」
なんだかな~。
何もしていないのに、負けを認められても。
俺をはめようとしているのか?
俺をいい気分にさして、あとで、大きく落とす。
こいつなら、やりかねん。
「あぁ~なんだかわからないけど、すごくむしゃくしゃするわ、発狂しちゃいそう」
おいおいおい。
その時、声が聞こえて来た。
それも、ルルーシカが嫌っているあの女子生徒の声が、
苛立ちつのり、今にも爆発しそうなルルーシカに向かって、
投げかけられたのだ。




