表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/133

ロケットスタート、顔面強打、そして、

 ドッスーーーーン!


 青年は、華麗にロケットスタートを決めるも、

 床に盛大に顔面をぶつけてしまった。


「くっそ~、痛て~な・・・」青年はロケットスタートを阻んだ憎き敵を見る。「・・・・・・、な、な、なんじゃこりゃ~!!」


 青年は驚愕のあまり叫んでしまうも、

 すぐさま両手で口を押えた。

 それは、鼻から流れ出る血をどうにかするよりも、

 今は重要なことだった。


 耳をすますと、

 まだ、へたな鼻歌とシャワー音は続いていた。


(よ、よかった・・・、でも、どうして鎖なんかが足に絡まっているんだよ。うぎぎぎぎ・・・い、痛い。は、外れない)


 青年は鎖をはずそうと何度も試みるも、

 足首にぴったりと絡まっているようで、

 抜こうにも抜くことができない。


(くそ~無理じゃね~かよ。くそ!! くそ!! くそ!!)


 シャワー音と女の鼻歌が聞こえなくなった。

 ガチャリ、と浴室のドアの開く音が聞こえてきた。


(くそ~出たのかよ・・・ぐぎぎぎぎぎ、鎖がはずれねぇ。あぁ~あ、俺の人生、短かったな。というか、いつ始まったのかもわかんね~し)


 青年はあきらめに似た気持ちを抱くと同時に、

 本当に、俺は何者なんだ?と思った。


 この部屋に入るドアの向こう側で、女は冷蔵庫から何かを出していた。

 すりガラスからわかる女の情報は、

 灰色の髪、小ぶりな胸、曲線美豊かなお尻のライン、

 極限まで脂肪をそぎ落とした腕と足くらいなものだった。


 顔はまだ確認してはいないが、スタイルはかなりいいらしい。

 ただ、小さな胸は残念だよなと思いながら、青年はクククと笑った。

 かなりヤバイ状況なのに、冷静に女を分析している、自分がおかしかったのだ。


 女は、落ち着いた手つきでドアを開け、

 青年がいる部屋に入ってきた。


 青年はすでに、この危機的状況に対する決意を決めていた。


 人は追い詰められれば、何でもできる!!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ