脱ぎましょう。着替えましょう。メイクアップ!
「ここって?」
そこは6畳ほどの部屋だった。
柵がないだけで、収監部屋のような無機質ささえ感じる。
「なによ、もちろんあんたの部屋よ。あ~やばいわよ、ほら早くしなさいよ。あっ、もう!!」
ルルーシカはそう叫びながら宙に指を走らせた。
ルルーシカが指を走らした場所に、
服を象形化したかのような紋様が浮かびあがった。
色は黄色、中心から外側に向かって輝きが零れていた。
ルルーシカがステッキを振るかのように腕を振る。
すると、紋様は平たく伸び、ルルーシカの体をぐるりと囲み、包んだ。
淡い黄色い光に包まれたルルーシカのパジャマのボタンが、音を立て外れる。
見えない誰かが、脱がしてくれたかのように、パジャマの上衣がルルーシカの肩から落ち、
ズボンが、両足の先から床に落ちた。
ルルーシカは、恥じらいなく下着姿になっていた。下着は昨日と変わらず色違い。
唐突に、光が飛散し、床に散らばるゴミの中に入っていった。
数瞬後、飛び出してきたのは、セーラー服とスカート、紺の靴下といった制服セットだった。
制服とルルーシカが重なる。
黄色い光が、パッと瞬き、目を開くと、
制服姿になったルルーシカが立っていた。
「あ、あ、あ、あ、あ、」
タクはあいた口が閉じなかった。
「喉をつぶしたカネガエルみたいに、なんでうなっているのよ。さあ、さっさとあんたも着替えるの!!」
ルルーシカは先ほど描いたのと同じ服の紋様を宙に描き、
それをタクに向かって押し出した。
「おいおい、ちょっと、ちょっと待てよ」
タクは接近する紋様を避けることができず、飲み込まれた。
黄色い光が視界を覆い。思いのほか暖かかった。
脇をコチョコチョとくすぐられて、ケケケと笑ってしまった。
光が消えると、タクは学生服姿になっていた。
着けていたTシャツとジーンズは床に落ちており、
ついでに、かわいらしいハートマークが描かれたトランクスも落ちていた。
「お、お、お、お・・・な、なんじゃこりゃあ!!」
「なんじゃこりゃもないでしょ。着せ替え魔法よ」
ルルーシカは赤色のリボンで髪を束ねていた。
「着せ替え魔法?」
「もう、やばいんだから、説明不要!! 早く行くわよ。そこの机にあるスクールバックを、ちゃんと持ってきなさいよ」
ルルーシカは机の上に置いてあるスクールバックを指さした。
着せ替え魔法とか、なんだかな~。というより、俺ちゃんと下着はいているよな。
タクは怖くて確かめることはできなかった。
ただ、モノは先ほどよりも自由になっていた。




