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秘密の図書室での探し物

 螺旋の門で、レーラが指さしたドアは秘密の図書室に直通していた。

 その理由はわからない。

 けれど、今はそんなことを考えるよりも、

 次元の闇を越える方法を探すことに集中しなければ、とルルーシカは思っていた。


「こんなことなら、タクを連れてこればよかったわ」


 秘密の図書室の中央にあるテーブルに座りながら、ルルーシカは呟く。

 分厚い本を何冊も手にとってはみたものの、読めない個所ばかり。


「いえ、そんな簡単に、あいつを許してはダメ。だってあいつは」


――かなえを疑ったんですもの――

 それはルルーシカにとって、絶対に許せないことだった。


 ふと、あるイメージがちらついた。

 自然とページをめくっていた手が止まる。


 目の前に雨がちらつき、

 図書室が、とある森と重なる。

 薄暗く、

 不気味な森。


 冷たい雨が降りしきり、

 自分の手は血に汚れ、

 タクの苦し気な声と、

 かなえの涙声が聞こえてくる。

 あの時の、自分は、

 無力で、

 何も出来なくて、

 わがままで、あらゆることを省みず、

 禁じられた魔法を手に入れようと、

 無理矢理に、

 無理矢理に、

 タクの静止を振り切って、

 そして、

 ザシュッ――――――!!!


「――――――――くっ」


 ルルーシカは首を振る。


 考えてもしょうがないことだ。

 もう済んでしまったことだ。

 けれど、

 あの時のことを思い出すたびに、

 どうしようもないほどに、

 どうしようもないほどに、


「――――なんて、私ってバカだったんだろう」


 どれくらいの時間、ぼんやりと虚空を見つめていただろうか?

 ふと我に返ると、 

 次元の闇を超える方法に関する手がかりすら、手に入れていないことに、

 ルルーシカは気がつく。

 そして、がむしゃらに、手当たり次第、本をめくる。


「どこにあるのよ!!次元の闇を超える方法は!!」


 秘密の図書室には、何万冊もの本がある。

 その中から、目的の本を探し出すということは、至難の業だとは思う。

 そもそも、次元の闇を超える方法が存在するのかすら定かではない。

 それでも、ルルーシカは手を動かし続ける。


 何十冊、

 何百冊と、

 本に目を通した。

 何時間たったのかもわからない。

 気がつくと、テーブルの上で眠ってしまっていた。


「・・・いっけない、眠ってしまっていたわ。そんな時間はないのに」


 目をこすり、再び本に目を落とす――その時。

 足音が聞こえて来た。

 その足音は、この図書室のドアの向こう側にある階段から聞こえてくる。


 操られた生徒が、何度となくドアの向こう側を通りすぎ、

 足音など聞きなれているはずなのに、その足音は何かが違った。


 目的を持った足音。

 目的の場所に向かって歩いている足音。

 そして、

 自身に満ち溢れた足音。

 ルルーシカはその足音の不気味さに、息を飲んだ。


 足音は次第に大きくなり、

 やがて、止まる。

 秘密の図書室の前で止まった。


 レーラとタクが来たのだ、とはどうしても思えなかった。


 そもそも、足音の主は一人。

 この秘密の図書室の場所を知っているのは、自分以外でタク一人だけのはず。

 もしも、レーラに何かがあったのだとしたら、果たしてタクはレーラを残して、

 一人でこの図書室に来るだろうか?

 それも、落ち着いた足取りで。


 嫌な予感ほどよく当たるというが、

 ルルーシカは、この時ほどその予感が的中すると確信したことはなかった。


 ドアノブが回され、

 ギギギ、とドアが開いてゆく。


 ありえない、と思いつつも、

 不思議とワクワクしている自分もいた。


 ドアが開く。

 その向こう側には、

 大っ嫌いなアイツが。

 大っ嫌いなミアが立っていたのだ。


「こんにちわ。じゃじゃ馬でわがままなお姫様」

「ああ、まだ生きていたのね。ビッチなアバズレ女」

 

 

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