黒カビチーズ奴隷
「あなたが行こうとしている、秘密の図書室への近道はあそこよ」
レーラは螺旋階段の中程にあるにある木のドアを指さす。
タクはその古びた木のドアに見覚えがあるような気がした。
あれはたしか秘密の図書室のドアと同じドアなんじゃあ。
間違いない、あのドアに描かれた子供の落書きみたいな鳥の絵は、
確かにあのドアに描かれていた。
「なんで、あんたが秘密の図書室への近道を知っているのよ」
「・・・・・・」
「・・・、それも言いたくないってわけね。いいわよ。でもね、あんたが何を隠していようがこのルル様が必ず明らかにしてやるんだからね!!」
ルル―シカは、タクとレーラから離れながら叫ぶ。
「おい、待てよ、ルル」
「ついてくんな!!この黒カビチーズ奴隷が!!」
と叫ぶと同時、ルルーシカは指を宙を走らせた。
二本の斜めの線が描かれた紋様が現れる。
それはまるで、風を表現しているかのようだった。
「ついてくるなって言ってるでしょがあ!!」
ルルーシカは水をすくうが如く、手のひらで紋様をすくい上げる。
と、刹那、
前方から襲い掛かったとてつもない風圧に、
タクはなすすべなく吹き飛ばされた。
「ガハッ――――ー!!」
タクは背中を強打した。
「言うことを聞かないからこうなるのよ」
ルルーシカは螺旋階段を上ってゆく。
「いてててて・・・、おい、ルル、ま、待ってくれよ・・・」
というタクの呟きむなしく、
ルルーシカはレーラが指さしたドアの向こう側に消えて行った。
ルル、なんでお前はそんなに怒ってるんだよ。
おかしすぎるだろ。




