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螺旋の門

 ルル―シカはタクから顔をそむけ、

 レーラは宙の一点をぼんやりと見つめていた。

 

 パイプオルガンで奏でられた、荘厳なメロディーが響いている。

 とんでもなく重々しい。

 しばらくすると、ゴーン、ゴーン、ゴーンという鐘の音が響いてきた。


「さあ、行きましょ」


 レーラが椅子から立ち上がると、それにつられてルル―シカも立ち上がった。


「行くわよ」


 ルル―シカの声を聞き、タクも立ち上がる。

 声にはどこか棘があった。


 レーラは、大広間の壁を占める本棚のそばへと歩いていった。


 本棚?

 本でも読むつもりか?

 おいおい、なんで、本を整理しているんだよ。


 レーラは並べられた本の位置を、幾つか変える。

 すると――――――、

 ガガガガガと激しい音をたて、本棚は床に吸い込まれていった。

 レーラの目の前に、洞穴が現れた。


 洞穴の先は見えない。

 沈殿した闇がそこにはある。

 その闇は、まるで奈落の底へとつながっているかのようにタクには思えた。


 レーラは指を鳴らし、手の平に炎を灯した。


「ついてきて」


 レーラが洞穴へと入ってゆく。

 続いて、ルルーシカ、

 最後にタクが洞穴へと入って行った。


 穴に入ると、入り口は音を立てることなく閉まった。

 明かりは、レーラが灯した炎のみ。


 空気はひんやりとしており、

 錆びた鉄の匂いがほんのりした。


 タクは、ルルーシカが無言なのが気になった。

 普段、うるさい奴が静かだと、こうも気になるとは。

 

「どうしたんだよ。黙って・・・いつもみたいに何かしゃべってくれよ」

「うるさい!!死ね!!」


 ルルーシカの怒鳴り声が、洞穴の壁に反響する。


 な、何なんだよ、いったい。


 三人は15分ほど歩いた。

 すると、土だった洞穴の側面が煉瓦へと変わり、

 さらにしばらく歩くと、開けた空間に出た。


「ふっ・・・」


 レーラが炎に息を吹きかけると、

 炎は飛散し、開けた空間のそこかしこで、

 ボッ、ボッ、ボッ、と炎が灯り、周囲を照らし出す。


「な、なんだこりゃ~!!」


 タクは、巨大なホールに立っていた。


 ホールの広さは学校のグラウンドほど。

 壁に沿うように、どこまでも上へと昇っている螺旋階段が、タクの目に飛び込んでくる。

 

 特徴的だったのは、螺旋階段沿いには設置されたドアが統一されていないことだった。

 金属製のもの、木造りのもの、ドア自体が存在しないもの、また金庫のようなドアまであった。

 天井は真っ暗で見えない。

 そうとう高いようだ。


 3人はホールの中心へと歩いて行く。

 床には巨大な紋章が描かれていた。

 それは、レーラの家に行く途中に通った巨大な門に描かれていたのと同じ紋章だった。

 2頭のドラゴンが向かい合っている。


「ここは・・・螺旋の門。どうして・・・人形、あんたがこんなところを知っているのよ」

「それは、あんたに言う必要があることなの?」


 二人の間で険悪な空気が流れた。


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