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ルルーシカの罵り

「で、ミア以外には犯人の可能性はないのかよ」

「怪しい奴ならいっぱいいるわよ。レルミンとか、領とか、ミッシェルとかね、あと一応、お色気も入れとこっかな」

「根拠はあるんだよな、怪しいと思う根拠は」

「根拠?ああ、私が怪しんでいる理由を説明して欲しいのね。しょうがないわね。

 レルミンはね、ブラスカって街を支配している貴族の娘なの。

 おしとやかで品がよさそうに振る舞っているけど、なんか裏がありそうなのよね。

 だってね、この前なんか、少し暑かっただけで貧血を起こしちゃったのよ。で、それから魔法体育の授業ではいつも見学をしているの。

 それってすごく怪しいでしょ。

 ああいった、ひ弱そうで品が良さそうな奴には必ず裏があるわ。私は誤魔化されないわよ」


 品の良さをこいつに少しは分けてくれ。


「次は領ね。領はね、頭でっかちなのよ。

 ひょろひょろのもやしのくせして、ペーパーテストだけできれば、将来安定していると信じきっている残念な奴なの。実技はてんで駄目なのによ。

 先月だったけ、実技で簡単な魔法を宝石に宿す授業があったの。そしたらあいつうまく魔法をかけらなくて、間違って自分自身にかけていたのよ。それがてんで的外れな魔法で、『俺様はすごいんだぞぉ!!」と叫び続けていたわ。

 ほんと、残念すぎて笑っちゃたわ」


 おいおい、話がズレてきたぞ。


「その次はミッシェルね。ミッシェルはね委員長をしているのよ。

 平民出の癖して、生意気に委員長なんてして。何でも率先してクラスのために行動しているぞって感じが気に入らないのよね。

 人が嫌がること――例えば、ゴミ拾いだか、黒板消しだとか、失恋相談だとか、そう言ったちっぽけなことをして、クラスメイトに気に入られようとしている行動なんて、見え見えですごく気に入らないわ。

 委員長を選ぶ時だってね、誰も立候補しないから、仕方なく手を上げて、立候補なんかしちゃって。

 そんな献身的である自分に酔っているのよ。身分の違いってやつを、しっかりとわかってほしいわよ」

「へえ~」

 

 タクはテーブルに肘をつきながら、うんざりしながら言う。


「何よ、真剣に話しているんだから、ちゃんと聞きなさいよ!!」


 レーラは、どこから持ってきたのかわからないが、

 グロテスクな形をしたフルーツを食べていた。

 そのフルーツは、どこかドラゴンフルーツに似ていた。


「最後にお色気ね。あいつのことは話すまでもないくらいね。でも、話しておいた方がいいわね。ルル様の観察眼が素晴らしいことを、あんたに教え込む必要があるものね。

 あいつはいつもいつも男の話ばっかりしているのよ。男、男、男。それも、ほとんどがエッチな話ばかりで。教師として失格よ」


 お色気の話には、タクも同意だった。


「お色気はいったい、何を考えているのかしら。

 実体験を交えた性教育の話ばかりして、いったい何を学べっていうのかしら。

 たまに、違う話をしたかと思うと、あいつの悩み事ばかりでしょ。

 悩み事多き熟女。

 もしかしたら、精神的にまいってしまって、暴走したのかもしれないわね。そういえば、この前、合コンで悲惨な目にあったとか言っていたし。とうとう、吹っ切れて、ぶっ飛んで、やらかしてしまったとか。

 他校で、教師が生徒を惨殺した話とか聞いた事があるから、十分にあり得るわね」


 ルル―シカの話はさらに続いた。

 気分が良くなったのか、最初に名前を出さなかった生徒や教師まで、

 最終的には罵りだした。


 おいおい、お前の話を聞いていると、全員が怪しく感じるぞ。


「ふう、よくよく考えてみると、なんだか、全員が怪しく感じるわね」

「お、おう。お、お疲れ」

「どうだった?かなり役に立ったでしょ」

「あ、ああ」


 ほぼ、全員について罵っていたがな。

 ・・・あれ?

 そう言えば、ルルの奴、誰かのことだけは罵っていないような・・・。

 ああ、かなえさんのことか。

 彼女についても一応、訊いておくかな。



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