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空の街 ~未知なる世界へ~  作者: れもんじゅーす
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空の街

いやー2000文字程度書きました。

書くのってこんなに大変なんですね。

改めて感じました。

読んでくださり有難うございます。

  2025年。5月24日。その日はいつも通り朝起きると朝の日課であるジョギングをしに妹の伶奈と一緒に外にでていった。いつものコースである近所の公園走っていた。緑道はいつ走っても涼しい。

 もうすぐ梅雨入りしそうな季節だ。

 しかしその日は、いつもより少し肌寒かった。肌に鳥肌が立つ。

 もう5月だというのに朝はまだ寒い。今日は風が冷たくふいている。


「今日はいつもと何かが違うな」


 と呟いた。伶奈も違和感を感じたのか


「うん、何かが違う気もするけど……」


 と首を傾げた。



 すると、だんだん雲行きが怪しくなってきた。雲が集まって行き早朝なのにも関わらず太陽が隠れていった。

 墨のように重い空を見上げると空一面に広がる曇天の一部だけが他のところよりさらに雲の色が濃く、黒に近いような灰色をしていた。

 何かの影だろうか、そう思って立ち止まって考えた。

 しかし、ことは突然に起こる。

 何の前振りもなく…


  その時、空から何かが現れた。


「きゃー。なにあれー。UFO?でもそれだとデカすぎる。えーなにあれ!」


 と慌てている伶奈をよそに悠太は、全く動じていない。


「いやあれUFOじゃねえだろ。あんなでっけえものがあったら街ぐらいじゃね」


 もしやあの予感はあたっているのかもしれない。

 すこし焦っていたがそのことは表には出さず落ち着きを払った。伶奈は悠太とは対照的に全面に不安を出している。


「ええ、何でそんなに冷静でいられるのよ、目の前にでっかい何かがあるっていうのに!」


 伶奈はそう言っているが内心すごく焦っている。どうしようか考えを巡らせている。しかしいい考えが思いつかない。

 あの事件をまだひきづっているのだ。

 お母さんが亡くなった、あの事件のせいで…

 











  ~1年前~

  あの時悠太と伶奈は、学校にいた。その学校は割と新しくできた高校で設備も充実していた。そのとき、悠太と伶奈は授業を受けていた。別々のクラスだが昼休みなどは一緒に過ごすこともしばしば…

 その日もいつもと変わらない様子だった。窓から見える海の景色は太陽から差し込む陽で美しく煌めいていた。


 悠太達が通っている高校は緑が多いことで有名だ。だから緑高校なんて名前がつくのだろうか?



「えーこれは¥&@&¥@&&@¥&&@¥で@¥&&@¥&&@@¥&@¥ですねー」


 今は、古典の授業で神乃先生、通称じぃ先生が意味のわからない言葉をいっていた。古典は悠太の大の苦手科目だ。興味はあるのだが理解ができない。

 はぁ、はやくかえりてー。授業のチャイムがいつなるかと心待ちにしていた。

 国語は苦手でいつもテストでは七割手前だ。




  その頃母は、スーパーの特売で買ったジャガイモをバックから落として追いかけていた。目はジャガイモにしか向けられていなかった。


 じゃがいもが道路で止まったので拾おうとしたときに横からきていたトラックにはねられた。

 すぐさま学校に連絡が入った。

すぐに準備をし手ぶらで車に乗り2人は病院に向かった。


ICUに入っていくのが見えたが緑のシートで覆われていて姿は見えなかった。

悠太たちは廊下にあった待合椅子に腰かけた。

 長く持たないとわかっていても必死にお母さん、お母さんと繰り返していた。


 診てもらった結果頭部がひどく損傷して即死だったという。




 この瞬間「死」というものを身近に感じた。今まで親戚の葬式に呼ばれたことがあったが全くといっていいほど悲しくならなかった。あの暗い雰囲気の中で自分だけが孤立しているようだった。


 しかし今回は違う。実の母親が死んだのだ。そんな経験したことがない。

 現実とは思えない光景が目の前で広がっていた。

 今回は突然のことで……

 親戚の人が父になにか話しかけている。

 泣いている人もいた。

 父と並び焼香の立礼をした。

 一言一言参列に来た方たちが言葉を言うが何も頭に入ってこない。


 ただ悠太だけは、ただ1人泣かず、気持ちを押し殺した。こんなにあっけなく人の命は散ってしまうのか。あまりにも理不尽な世界だ。


  家に帰っても伶奈は自分の部屋でずっと泣いていた。すすり泣く声が静まった部屋に響く。


 お母さんとは世間一般のほうからすると仲がいいと思う。休日の日には出かけたりもした。服選びに付き合ってもらったりもした。それなのに……


 悠太は、自分の部屋にこもってずっと考えていた。悠太は、母が亡くなる前日、母と大喧嘩をした。些細なことで起こったことなのに。いつもなら明日になれば仲直りできたのに。すぐ謝って仲直りできたのに。


  でも、もうその明日は来ない。もう過去には戻れないのだ。そしてその日から悠太は、人が変わったように泣かずにいた。

  どんな恐怖があってもその日以来泣くことはなかった。その母が亡くなった時に泣いてもう泣くことはなかった。

 その日を境に感情を表さなくなった。いや、出せなくなってしまった。

 本当は誰よりも繊細で些細なことで傷ついてしまうのに…

 



「お兄ちゃん、おにーちゃん。聞こえてる?」


 伶奈が顔を覗き込むようにみている。


「ごめん。ちょっと思い出してて。それよりも早く家に帰ろう」



 家に帰ってみるとテレビではもうニュースになっていた。


「速報です。今現在、山形県 村上市で謎の浮遊物体。通称UFOがいる模様です。いまからそちらにいる相模さんに聞いてみたいと思います。相模さん。そちらの状況はどうなっていますか?」


「はい。こちら村上市の状況を説明いたします。今村上市上空から映し出されいる映像は信じられない光景です。現在の状況を説明いたします。ーー」


 とテレビでも大々的にやっていた。

 父が


「これ観たか。この付近にいるそうだ。早く逃げるぞ!」


相当焦っているのか声が荒々しく取り乱している。


「早く逃げないと死ぬぞ!」


 完全にパニック状態だった。こういうときこそ父が中心になり落ち着かせるのに全く頼りない父だ。一家の大黒柱としてどうなんだ。こんな慌てている父を見たのは久しぶりだった。


「大丈夫だから。まだここに落ちるってまだ決まってないから。でも準備くらいはしといた方がいいと思うよ、落ちるって時に」


 自分でもこの状況でこんなに冷静でいられるとは、思いもしなかった。3人は、逃げる準備を始めた。数日分の水、食料などを背負った。いざというときに常備しといて良かった。

 ニュースではこの地域全体に避難命令がだされていたがもうテレビがついていなかったので三人は、それに気づかなかった。


誤字脱字などがありましたら指摘していただけるとうれしいです。

読んでくださり有難うございます。

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