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憧れのご令嬢は超がつく程ファザコンなんだが②

シノビとアサシンの違いがわからない、カノープスです。

カノープスはちょっと考え始める。

何でカノブー何だろうかと。

カノープスは、住んでいた頃よりアレク伯爵の手で美しく復興された故郷バリアラに来ていた。

丁度、王都とアレク伯爵治めるバルバロイの城の間に有るこの街は、貧困層や奴隷が多く住む。

以前は暗黒街と揶揄され。

金持ちはお金を絞り盗られ。

女子供は酷い目に遭うから夜歩けない。

そんな場末の地であった。

カノープスは孤児だ。

本当は別の親が居たらしいが、捨てられたり死に別れた。

しかも、居着く場所居着く場所、トラブルや不幸が発生する。

優しい女の人が、泣きながら僕を逃がしてくれたのが一番古い記憶だ。

あれが多分母親だったのかもしれない。

その度に逃がされ、転々としてバリアラにやっと落ち着いたと思った。

場末で貧乏ではあっても、子供には優しい人達に助けて貰い。

運良く盗みや人殺しをしなくても生活していけた。

しかし、狙い澄ましたように、僕の住んでいた地域から放火が発生。

バラック小屋は業火に耐えられず、あっという間に周辺を焼き尽くす。

あの火はただの火ではなく、魔法で操られた火だった。

だから、ただの水では消すことは出来ない。

それに気づいた大人達は、慌てて僕を逃がした。

「生きて下さい。

どんな事をしてでも生き残って下さい。」

「俺たちを想うなら、逃げるんだ!カノープス!」

どういう訳か、僕を逃がす大人達は。

幸せそうに僕の頭を撫でて、同じ事を言って逃がしてくれた。

度重なるトラブルが、僕の命や僕の信頼する者達を狙ったと知るのはもっと大人になってからだった。


キラキラした水しぶきを上げ、噴水が巻き上がる。

夜になると、魔石のカラフルな灯りがついて。

ここはさらに幻想的に美しくなる。

この街は変わった。

住宅が建てられ、道は整備され。

街並みの色合いや建物は統一された。

アレク伯爵の方針で、彼の治める街は戦いに行く兵隊以外に、街の治安維持をする警備兵。

火災や災害対策部隊や治療院など、王都より安全な地域として強化している。

それだけではない。

貧困層や孤児や解放奴隷の住む地域だが。

このバリアラを作り替えるために、住宅を整備し衣食住を最低限提供し。

仕事と教育を彼らに無償提供した。

それにより治安は向上した。

初めは貴族嫌いや庶民嫌いが騒いだり反発したが、アレクの方針が利益を出し。

旨味を選んだのかアレク伯爵を信頼したのかは分からないが、いつの間にか静かになった。

そうすると、あからさまにヤバい商売人や、奴隷商や犯罪者などはバルバロイ領地から逃げ出し。

他地域よりは差別意識が低く。

住むには安全で穏やかな環境となり。

移住希望者が増えた。

伯爵は、他の貴族と揉めない様、緩やかな受け入れ方針にした。

何故か人類選民意識すらも薄いのか、珍しいエルフやドワーフや獣人も受け入れた。

「うはぁ、ケモミミにエルフにドワーフとかマジファンタジー!テラモエ。」

と、変な事言ってた。

アレク伯爵はたまに変な言葉になる。

何て意味だろう?

そして、他種族交流がさらにこの領地を発展させて行く。

多分この地域は、伯爵身分の領地とは思えない繁栄ぶりだった。

だが緩やかでも、やはりヤバい貴族に目はつけられていた。

時々死客が潜入しようとしたり。

発展する街の諜報活動をして、情報得ようと必死な輩が居るみたいだ。


「カノープス、東地区の結界にねじ込んで来た連中居たから、捕まえておいたよん。」

アサシンのアカネが気配無く僕の後ろに立つ。

孤児で瞬発力や運動能力の優れた者達で編成された隠密潜入活動のアサシン部隊、通称シノビ。

命名は伯爵さまだ。

「クノイチ萌ダヨニンニン。」

何を言っているのか意味が全然分からないが、アサシンと似たような意味らしい。

「又ですか?最近増えましたね。

ご苦労様です。

アレク様にご報告と、彼らの尋問宜しく。」

「了解!カノープスも気を付けてね。

綺麗な顔に傷でも付いたら、姫さん泣いちゃうかもよん?」

「…え?あ!」

ボフンと真っ赤になった後、からかわれたと気づいて反論する間もなくアカネは消えた。

鈴のような笑い声を残して。

アカネは一つ年上で、すぐお姉さんぶりたがり、先程のようにからかってくるのだ。

むぅ、とむくれた後、頭を切り替える。


アレク伯爵様は庶民にお優しい。

だが、貴族故の柵もねじ壊す気はない。

貴族としての立場と、彼の考える理想は乖離して平行線なのだと以前おっしゃっていた。 

まず、王政ありきの世界では叶えられない理想なのだそうた。

その理想を押し進めると、大切な者達との関係も崩れてしまう。

事によったら、沢山の命も失われる。

だから、俺の理想は緩やかに、そして俺の代まででいいんだ。

そんな風に、寂しそうにおっしゃっていた。

残念ながら、僕にはその理想を教えては貰えなかった。

伯爵様の理想は分からないが。

この街の平穏と、アレク伯爵様とアリーナ様が微笑んで居られる手助けはしたい。

考えに耽りながらベンチから立ち上がった。


そんなカノープスを物陰から無表情で眺めている者が、舌打ちした。

彼はアレクに命じられたカノープスの護衛だ。

色々露見し、かなり粛正されはじめたが。

正妃や第一王子派は息が長く粘着的で。

本格的に命を狙われ始めたカノープスに、ソロソロ本当の事を告げた方が良いとアレクに言っているのだが。

アレクは迷っていた。

出来れば一生知らせたくはないのだ。

だが、今日来た連中もカノープス暗殺が狙いのようだった。

頃合だろう。

知らないまま襲われたり殺される方が残酷だ。 

もう一度進言しようと男は思った。

それに、王都に近いバルバロイ領地は、他国と戦時中の守りは今の王都より鉄壁で。

もし、カノープスや他の王族に逃げ込まれたら。

年々堅牢になる城壁に、攻め落とせる自信が無いのだろう。

彼等が焦った行動に段々出始めていると分かるだけに。

慎重になるなら、事前に知らせるべきなのだと男は考えていた。

だが、自分の一存では動けない事にも苦々しく感じている。


「あ、カノブー。お墓参りの挨拶は出来た?」

館の薔薇園の前で、花を摘むアリーナ遭遇した。

「はい、ちゃんとお話してきましたよ。

それよりも、薔薇を直接触れたら棘で手を傷めますよ?」

慌てたように、自身の使っていないハンカチで、少し血の出ているアリーナの手に巻く。

「慣れているから平気よ。

それにね、花も木も野菜も適度に剪定や間伐しないと、日が当たらなくなって萎びてしまうわ。」

「間伐…取り除いた物はどうするのですか?」

「花なら花瓶に移し替えたり、ポブリや香水にしたり。

木なら木材や加工品や木炭にしたり。

野菜は食べられるなら食べて、ダメなら肥料や動物の餌かしら?

どんな物にも使い道はあるし、無駄な物なんて何もないわ。

人もそうでしょ?

要らない人何て一人も居ないのよ、本当はね。

もっとも、要らない人に自分からなってしまうのも、人故…ね。」

時々アリーナ様はアレク様に似たのか、哲学的で難しい事を言い出す。

無邪気なパパ自慢の姿以外は、神秘的で大人っぽい考え方だからか。

時々相手が年下なのを失念しそうになる。

「あ、そうそう。

この薔薇パパのお部屋に持って行くの。

冬からパパがお世話してくれたのよ。

凄く綺麗よね、流石パパよね!」

あ、うん。

前言撤回。

通常運転だ。

「ねぇねぇカノプー?聞いてますの?」

聞いてますよ、カノプー止めてくれないんですよ、何でなんでしょうね?

確定何ですか?その変な愛称。

こっちが聞きたいよコンチクショウ。

今日もアリーナ様は、パパ大好き通常運転絶好調である。

カノープスの話です。

彼から見た故郷やアレク親子は相変わらずのようです。

水面下で、カノープス命狙われてますが。

彼の周りの人達は元々庶民ではなく、国王から秘密裏に派遣されたカノープスの護衛達です。

極秘に守られては居たのですが。

王様が用意した駒は、残念ながらことごとく殲滅されています。

それ故、アレクの用意した守備隊、警備隊、伯爵騎士団、シノビ達はかなり心強いようです。

小さな国家レベルで民まで強く団結しちゃった為。

このバルバロイ領地を襲うのは、戦況の読める人なら避けるのです。

しかし、王妃やその祖国は脳筋が多くて。

王子はエロ以外頭使わないし。

何ちゃて軍師はお察しです。

なので、ゲーム通りのバリアラやバルバロイなら無防備だがら楽勝でしたが。

責めたら逆に喰い尽くされます。

今の現状は無理でしょう。

さて、気が向いたら又書きますね。

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