うちの伯爵様がもふもふアイドルを育成したら
アレクが保護した、とある元奴隷娘のケモミミ尻尾モフモフ。
「何だかにゃー?」
「どうかしたガウ?」
「いやぁ、いくらなんでもさぁ、増え過ぎだと思うぴょん。」
「フフ、まぁ増えたとしても私らの仕事は変わらないわよ。
さあさ、くっちゃべってないでステージの時間よ。行きましょう。」
はぁい、と答えて一斉に控え室から移動した。
彼女達は、元奴隷だった。
彼女達を奴隷から解放し、領民として衣食住、一般知識や最低限の勉強や技術の教育まで用意してくれた。
バルバロイ領地のアレク伯爵様には、感謝しても仕切れないご恩が出来た。
ただ、うん。
これは、未だ慣れない。
見目麗しい獣人の衣服が、凄く華やかなアイドルコスプレ衣装なのだ。
スカートの中は鉄壁で暴れても見えない魔法が施されてはいるが、凄く短い。
有り得ないほど超短いのだ。
これを着て、アイドルとして歌劇場で歌う。
初めはアイドルというも物も、良く分からなかったが、風変わりな歌と踊りを覚えさせられた。
確かに格好はちょっと恥ずかしいが、慣れたら動きやすくて軽い。
しかも、娼館のようないかがわしい事はされない。
奴隷女は娼婦より酷い目に会うから、アレク伯爵様のして下さった方針は、気まぐれだとしても有り難かった。
身を立て生きて行く術を与えて下さった恩人だ。
馬鹿な事をしそうな客の前には、屈強な警備隊がガードしている。
かなり過ごしやすいが、最近観客席もライバルのアイドルも増えた。
だが、流石に伯爵様の御許可の無いアイドル歌劇場は、どんなに似せていてもパッとしないからすぐ廃れる。
潰れた歌劇場の持ち主は悪徳商人が多く。
この地から逃亡するか、残っても何かやらかして捕縛された。
だからなのか、潰れた別のアイドル達も伯爵様に保護され。
私達のように大切に教育を施され、ステージに立始めた。
「はふぅ!もふもふ可愛い。
ケモミミ尻尾!やったね!」
たまに来るアレク伯爵様は、何が良く分からないが楽しそうにしている。
時々貴賓室に呼ばれても。
順番に私達をアリーナ様と一緒に、尻尾を優しくブラッシングしてくれるのだ。
アレはやばい、気持ち良くて癖になる。
二人も楽しそうにしてくれるから嬉しい。
獣人はこの国には少なく。
人類絶対的主義者や、他種族排斥論を掲げる者達も少なからず要る。
だから、獣人が貧民街や奴隷に落ちるのは良くある事で、アレク伯爵様の方針は異例過ぎた。
本人は、バリアラ復興の為の悪足掻きだと貴族達に嘯いている。
だが、半数は半信半疑だろう。
それでも構わなかった。
私達はそんなアレク伯爵様に忠誠を誓う。
強制された忠誠心ではない。
本心からの忠誠心だから、彼はその事をしらない。
皆で話し合って決めた。
あの伯爵は、獣人の知る貴族達とは違う。
だから、普通の貴族達のような忠誠心では、彼には伝わらないのだ。
彼はシノビと言うアサシン隠密部隊も作っていた。
彼等と連携の一貫で、ファンとして訪れる貴族や商人達からの日常会話を記録して伝える。
ささやかだが、市政になかなか来られない伯爵様の代わりに、情報掌握や防衛策の手助け位にはなるのだろうか?と言う思い付きから始まった。
バリアラの放火のような災害は、ここ数年あちこちで増えている。
噂の域だが、隣国テーヴェの暗躍の一貫と言う説もある。
あの国は、他国に縁戚を作り。
そこから内部侵略したり、難癖つけて戦争を仕掛けたりするのが常套手段なので、あながち間違っては居ないのだろう。
バリアラの一件や奥方の死から。
アレク伯爵は人が変わったように防衛策をゆっくりと強化している。
何か感じることがあったのかもしれない。
ならば、我らは護られるだけでは駄目だろう。
いざという時、自分の身は自分でしか護れないのだから。
もう奴隷ではない。
そう、可愛がられるだけの愛玩動物に成り下がる訳にはいかないのだ。
内緒で簡単な護身術を習ったり、身体強化を計ったりもした。
なにも知らない伯爵は、元気いっぱいになって良かった!
位にしか思わなかったようだ。
流石は娘様と亡き奥方様以外の事は、超鈍感と言われるだけのことはある。
…言っていてちょっと悲しくなってきた。
さあ、今日もステージ頑張るぞ!おー!
アレクはモフモフに負けました
アリーナやカノープス(彼が来る前には既に居たけどね)と共に尻尾モフモフブラッシングするために保護したようなものですが。
それだけだとペットになってしまうので、人数も多かったし。
見目麗しい人や獣人はアイドルに、身体能力や魔力高い人や獣人はシノビや警備隊や兵士として、育成する事にしました。
前世は動物大好きだったようです。
後にアイドルコスプレ衣装は、活動的な女性達にブレイクしてしまいます。
ただ、絶対領域的なスカート鉄壁魔法ありきなので、流行した長さは膝位。
これでも短いのですが、ロングが普通でしたから仕方ないよね。
まぁ、欧米とかでも、スカートの長さが変わったり、女性がズボンはいた時はかなりのセンセーショナルな事件でしたから。
この世界でも賛否両論かもしれません。
又気が向いたら書きますね。




