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憧れの伯爵様は無自覚タラシな件①

アレクは悪役令嬢を攻略した!

⑩ポイントのダメージ

王様は愉悦した

「大丈夫ですか?…良かった、可憐なお嬢さんのドレスが汚れたり怪我が無くて。」

低く通る優しげな声が、耳元に落ちてくる。

「ふぁ?!」

ゾクッとした。

何だこの腰に来る声は。

ドリンクを緊張し過ぎてスカートを踏んでこぼし、避けようとさらに転んだ私の足の力が抜けた。

どうやら声だけで腰が抜けてしまったのだと気付いたのは、ふわりと身体が横抱きにお姫様だっこされた後だった。

「驚いてしまったようだ。

失礼、そこの君、医務室にこの方を連れて行ってくれないか?」

近くにいたこの晩餐会のメイドや執事達が、慌てて担架で少女を運んで行った。

少しして主賓の男が、助けた男の側に耳打ちする。

「アレク…お前フェロモン抑えろよ、さっきの娘絶対お前の声で腰砕け状態だぞ。」

呆れた顔で苦笑している。

「まさか!俺の娘より年下っぽい子供だ、ただ慣れない場に飲まれたんだろ。」

アレクはガチにキョトンとして笑っている。

又犠牲者か…と男、ゼボネアス国王はやれやれと溜め息をついた。

学院時代の同期で親友のアレクは、優しいフェミニスト風の対応が上手く。

貴族にしては身分関係なく、面倒見も気に入ればかなり良く。

駄目な事はきちんと説明して、相手のために怒ってくれる。

故に良く勘違いされ惚れられる。

再婚する気が無い癖に、罪な男である。

しかし、ゼボネアスは知っている。

前世の悪友時代からアレクが変わらないことを。

がっつりと、ヒロインのゲーム初期設定を変えてしまった辺りで、自分と同じ転生者なのは察していたが。

時々貴族会議以外で遣り取りしていた時に、ちょっとした仕草や言動で気付いた。

同性になってしまった事が残念だが、まあ些細な事だ。

あの時、アレクの前世の鈍感娘っぶりは、からかえばからかうほど凄く楽しかった。

恋愛として自覚させるのに苦労して結婚した。

今世でまで苦労して、こいつとそう言う関係になるのは同性だしそんな趣味無いから面倒だ。

むしろ今後こいつに本気になる奴をニヤニヤ眺めようと思う。

手助け?するかよ、つまんねえだろ。

自分の正体についてバレるまでは保留だ。

勿論バレた時のリアクショク待ちである。

人生色々波瀾万丈に楽しい方が良いだろ?


さて、それより乙女ゲームだが。

そろそろシスティア王立学院の有るシスティア王国王都にアリーナが入学するために、アレクもアリーナもやって来る。

本来なら、アリーナだけが寮入りするのだが。

あまりの親ばかと、ファザコンの親子タッグは隙はない。

王都に別荘を買い、そこから通学する事となった。

今回の晩餐会はそのお披露目も兼ねている。

先程の腰砕けた愛らしいイリシヤ侯爵令嬢は、ライバル悪役令嬢として、我が息子、第一王子アルドノアスに今日出会う。

憧れ恋い焦がれて行くバズだった。

踏み抜いたねフラグ、流石だよ!

ちなみにゲーム通りなら、夜の街出会い見初められ弄ばれたアリーナを、嫉妬にかられて追い詰めて苛めたおす典型的悪役令嬢だったはず、なのだが。

うん、ありゃ息子スルーだよな。

ゲーム別物に塗り替えられてるのが、又面白いな。

アレクは前世も今世も善良だけど、びっくり箱みたいな所は変わらないな。

「なぁ、さっきのイリシヤ・ラ・カエンフィン侯爵令嬢は、確かアリーナちゃんと同級生になるんじゃないかな?」

軽く意地悪を思いつく。

案の定みるみる蒼白になっていく。

嫌々やっていた割に、どうやら名前は覚えていたらしい。

文句言いながら、全部クリアフルスチル制覇するマニアだしな。

本当に嫌なら一度クリアしてお茶を濁す者だが。

なんだかんだとやりこむのだ。

戦略シュミレーションや育成や調合要素が大好物だからはまり込むと自分の世界に入ってしまう。

かまって欲しくて、反応が返ってくる苦手要素を入れたプレゼントをあげていた。

俺健気だったなぁ。

などと自画自賛しているうちに、アレクはアリーナの待つ貴賓席へと戻っていった。


一方、イリシヤ侯爵令嬢は、貴賓室でのぼせた頭のまま、夢見心地出先ほどの光景を脳内シュミレートしている。

「フフッ、ウフフ。」

時々思い出し笑いしてたりするから、ちょっと側付きメイドどん引きの巻。

アリーナちゃんは12才になったので、乙女ゲームの本編に入りました。

パパは相変わらずのフラグ踏み抜きっぷりです。

あー、シリアスは今後も無い、お父さんシリーズです。

前世の悪友で旦那さんだった王様出してみた。

どSです。

今世攻略されなくて良かったね、パパ!


時々他のキャラの再度ストーリが入れてあるのは、元々バラけてつくった短編なので。

ちょっと読みづらいかもしれませんが、ご容赦を。

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