俺の可愛い娘の制服は黒セーラー白スカーフじゃ無い、だと?
娘のブレザー制服は可愛い。
でもさ、個人的に黒セーラー服白スカーフがいいんじゃよ。
どっちも似合うけどね。
結論←娘は可愛い。
そんなアレクの親馬鹿話です。
赤を基調としたタータンチェックのラインのは入ったブレザーとベストを白ブラウスの上に羽織り。
コルセットの代わりに組み紐のついたウエストベルトを胸の下から腰まで締めたタータンチェック柄の膝丈プリーツスカート。
襟元に大きなブローチの着けた真っ赤なリボン。
それと、黒ハイニーソの絶対領域。
可憐な娘の姿を、やや複雑な心境で眺めていた。
あぁ、とうとうスタートしてしまう。
ゲームは高等部直前の誕生日から始まるのだ。
やれることはやった。
出来ればこのゲームと似た世界が、アリーナにとって別物で、無事幸せになってくれたらいいのに。
そう足掻いてとうとう始まった。
アリーナの纏う姿は乙女ゲームの舞台、システィア王立学院の中等部制服だ。
アリーナの学年は赤、その上の二年は青、三年は緑と三学年でローテーションだ。
15以上になると成人になり、婚姻して通う事も可能なのが前世と違う所だと思う。
そして、システィア王立高等部となり、リボンの色だけが服と違う黒になる。
18以上は専門的な官僚や技術育成を学ぶ者以外は入学出来ない大学部となる。
俺が生きていた前世と違い、身分や男女差別が酷く。
貴族や金持ち以外、学べる者も基本少ない。
そんな選民思想故に、歪んでしまった者達の物語だった。
あぁ、ブレザーも良いけど、やっぱり黒セーラー服白スカーフだよなぁ。
現実逃避で、娘の黒セーラー服姿を妄想していた。
今度私服のふりしてプレゼントするか。
「パパ、似合う?」
くるんと一回転、スカート軽く摘まんで淑女の礼。
「おう!似合う似合う、アリーナがあんまりにも可愛いらしくてびっくりしちゃったよ。」
「でもね、パパが作ってくれたあいどる服とかごすろり服とかこすぷれ衣装?ていうのよりはスカート長いのね。」
ビクッとアレクは固まった後、スーッと目を逸らす。
「あ、うん。
あれは、ラフな部屋着だから。
外で着たらいけないよ?」
「ん?…うん?
良く分からないけれど。
わかりましたの。」
不思議そうにしているアリーナの、無垢な視線が心に痛い。
あんまりにもアリーナが可愛くて似合うものだから我を忘れたと言うか。
時代をスルーした。
館内での専用私服や部屋着として、ドレス以外に着せ替え人形にしていた。
前世のアニメとか漫画とかゲームの
服はミニスカが多いんだよ。
今世の女性はミニスカなんか着ない。
いずれ変な服だとバレるだろうが、淑女としては破廉恥だと言われるかもしれないから外では着せていない。
だって前世の俺は、男装専門コスプレしかしたことないから。
可愛い衣装作りに、なんかみなぎっちゃったんだよレイヤーの血が。
ちなみに全部俺の手作りです。
マントと刀はロマンだよな。
一度だけ、お忍びで訪れた国王が、コスプレしたまだ幼いアリーナを見て。
何も言わず、ただ声を殺して爆笑していた。
きっと変な趣味だと思われたな。
けれど実際は
「くっくっくっ馬鹿だなぁ、今世でエロリコンって思われたちまうぜ。
ミニスカじゃないコスプレ作ってやればいいのに。
まぁ、似合うから分かるけどさぁ。」
とゼボネアス国王は心の中で呟いていた。
勿論現世の女性の素肌を晒さない服装を、アレクが知っていても、コスプレ衣装をつい作ってしまう業の深さに爆笑しているだけだ。
だが、流石に王族に笑われたら、あれは外ではヤバい反応を受けるとやっと我に返ったのだから皮肉な物だ。
しかし、皮肉なもので。
アレクの作り出す、(コスプレでは無い)アリーナの着る現世風のドレスは、後々社交界で人気の流行デザインになるのだから分からないものだった。
この乙女ゲームの元設定書くと、掻い摘まんだだけでシリアスになる不思議。
空気変わりすぎるからね。
イリシヤちゃんなんて、あんなアホの娘ではなく。
かなりキツメの手段選ばず娘でした。
基本は世間知らずなので、心病む要素が無ければイリシヤちゃんは一途なだけの不器用な娘だったり。
それより 憧れの伯爵 も 俺の娘 も肝心のアリーナちゃんの出番があまりないですね。
そのうちアリーナちゃんの会心の一撃を…あれ?
今回もお父さんは自重せず。
娘にコスプレ始めました。




