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俺の娘と水着と温泉回

夏なので、温泉とプールです。

「きゃっ、ちょっとイリシア様ったらつめた~い!

ほらほらカノプーもフィンも、早く入りなさいよ。」

「うふふ、えいえい!」

「うわっ、ちょっと。

準備運動位させて下さいよアリーナ様。」

今度はカノープス達にも水を掛けるイリシアとアリーナに、カノープスは水着が直視出来ずに真っ赤になっていて。

「う、うん。今行くよ。」

と、自分の半裸を晒す事への抵抗感に、フィンはぎこちなく反応した。

まぁ、前世女子高生の記憶が強い見たいだから慣れないのだろう。

フィンも又転生者だった。


我が娘がプールで姦しくイリシア嬢と、水のかけっこをしている。

アリーナは、青色のフリルの付いた甘めのワンピースにパレオ巻き。

イリシア嬢は、少し大人っぽい真紅のビキニにフリンジ多目のパレオ巻きしていた。

野郎二人は流石に恥ずかしそうにしている。

それなりに交流のあったこの二人と、アリーナもカノープスも仲良くなったみたいだったので。

折角の夏の長期休暇だし、招待したのだ。


ここは私の別荘の一つで、プールと洞窟温泉と露天風呂があったりする。

無論、魔力で温泉は掘り当て。

財力で温泉とプールは作らせた。

周辺にプール付き温泉街を作らせた。

貴族やめてもやっていけるんじゃね?

って言う位、このリゾート温泉地キリガクレはボロ儲けです。

シャワーの文化はあっても。

王宮以外、設備投資でお金係り過ぎるからか。

あまり湯船に浸かる文化は少ないとかで、かなりセンセーショナルだったみたいだよ。

まぁ、食事はある程度仕方ないとしても。

風呂好きな元日本人には、有り得ないから。

酷いと川とかで、バシャバシャ浴びるか、汲んだ水で身体拭くんだぜ?

冬場とか無理だろう。

一応魔力込めた魔石が、格安で出回っているが、かなり小さいから、一つで風呂桶一杯位のぬるま湯は作れるが。

かなり量は少ない。

だから、貧乏人や魔力無しは余り使えないのだ。

そんなの最悪感染症や皮膚炎になるよ。

多少さっぱりしても、暖まって石鹸的な物で洗って、リンス的な物で、髪の毛ツヤツヤサラサラに出来ないとか辛すぎる。

育てたハーブアロマとか蜂蜜とか卵とか、色々調合してみたり。

せめて自分やアリーナの分は確保したくて、かなり頑張ったんだぜ?

んで、ある日お忍びで来たゼボネアスには、光の早さでバレた。

いや、隠しても居なかったけど。

やはり、風呂上がりの香りや肌艶髪艶が明らかに違えばバレるだろうけどね。

西洋人的な、臭ければ香水ぶん撒くお国柄だし。

仄かなシャンプーと石鹸的香りは違い過ぎるよな。

王様通い詰めさせるのも、可笑しな噂が立ちそうで嫌だから。

お風呂アイテム一式は分けてあげた。

分ける代わりにこのリゾート温泉地と、お風呂アイテムの話を社交界で宣伝させたのだ。

風呂温泉大好き長風呂は万歳系のあいつが断るわけもなく。

物珍しさも有って人気が出たみたいだ。

温泉出そうな場所把握や、掘り当て方が浸透するまでは、しばらく一人勝ちで目立つから、国王と共同運営だったりする。

だから、風変わりな街の名前になってしまった。


楽しそうにはしゃぐ子供達を眺めながら、リクライニングベンチに座ってドリンクを飲む。

現在ゲーム攻略者で俺が直接遭遇していないのは居ない。

だが、まだアリーナが遭遇していない者達がいる。

秋に転入して来る、隣国イスピニアの皇太子タランティーノ・ラフィ・コルベット。

イスピニアはデーヴェとは仲が悪く、我が国とは同盟国。

ようはどっちつかずの我が国を、味方に付けたくてやってきた形の留学だ。

性格は表面上穏やかだが、かなりの策士。

正義感が強く、初めはアリーナに対し嫌悪感バリバリなのに。

デレたら俺が救ってやる!

とか言ってイスピニアに連れて行く強引系。

きちんとやりとりすれば。

協力してくれる可能性はある。


もう一人は、一学年上の豪商の息子クリフトファー・ローディー。

彼は特待生で成績優秀。

貴族を嫌悪していてかなり冷淡な眼鏡君。

成績で彼に勝たないと出て来ない特殊ルートタイプ。

実は、アリーナが襲われた現場に父親が連れてきていて。

生真面目な彼が、初めて父親の黒い仕事を見せられ。

跡を継ぐ事に苦悩し始めるきっかけになった原因だったり。

彼に関しては、親の方を潰す方向性で動いている。

しくじると当然恨まれるので。

時間をかけて商売規模を潰している。

だが、裏の顔が何処まで広いのかにもよるので、慎重に動いていた。


あと、デーヴェの若き軍師シャアルクス・ロー・ダレク。

肝心な所で詰めが甘いのと、自意識過剰なナルシスト。

彼とのEDは、アリーナを男相手に傀儡のような使い方になり。

あまりアルドノアスと結末変わらない酷い奴じゃん。

俺的に胸くそ悪くなるから、こいつは徹底的に潰す方向性だ。

あとは俺と国王も隠しキャラなんだが。

俺もあいつもそんな気は無いので、ここは全力スルーの構えだが。

全年齢版で削られたのも分かるよ。

近親相姦とか、年の差略奪婚とかアンモラルで絶対不幸だろこれ。

溜め息をついて、空を見上げた。

焼け付くような日射しも、山間のこのリゾート地では程よい心地だ。

「アレク殿、隣良いですか?」

少しうとうとし始めたタイミングで、そっとフィンが声をかけてくる。

隣のベンチに座ると、じっとこちらを眺めた後、同じ様に空を見上げた。

「クリフトファーの奴が、親から独立して事業を起こすか。

このまま家の家業継ぐか、かなり迷っているようです。

まあ、あいつ長男じゃ無いから。

事業斡旋も手じゃないですか?」

「なんだ、お見通しか?

…なんてな、時期的に分かるよな。

ははっ、すまないな、心配かけて。」

少し照れたようにフィンは首を振り。

俺は困った変な顔を見せていることだろう。

フィンも又転生者だった。

これで三人目。

敵にこちらの手の内が透けて見える転生者が居ないことを願うしかない。

幾ら俺達が初期設定や環境を、アリーナ達の為にいじり倒して変えたとしても。

相手の正義が、こちらのそれとイコールになる訳がない。

対人の対国が関わる以上、これは転生者で有る無しに関わらない事でもあるから。

不測の事態は警戒し、備えなくてはならない事は山積み。

「アレク殿、私は若輩者故まだ頼りにならないとは思いますが。

あまり一人で根を詰めたりして、御無理なさらないで下さい。」

真っ直ぐな瞳は、不安そうに揺れている。

彼にとっても、切実な事ではあるが。

不安にさせてしまうのはお互い良くないな。

「…ありがとう。」

はにかむように囁くと、又顔を赤らめていた。

フィン殿は、相変わらずの恥ずかしがり屋だなあ。

「学院内の事は俺には把握しきれない。

だから、そっちは無理せずに頼んだよ。」

そう言って、俺は意識を手放した。

だから、フィンが小声で、

「気弱モードのアレク殿萌ヤバス。

てかお礼言われちゃったよ、うはぁ。」

と、腐的な発言していたとかは気付かなかった。


夜になって、温泉に入った。

室内は男女別で、裸で入るのだが。

外の露天風呂は他の人が良る場合水着着用にした。

まぁ、衝立があるから。

外からは見えないのだけれど。

お風呂文化が根付いて無い世界で、外で裸は難易度高そうな気がしての処置だ。

開放的な気分で、今度は真夜中。

子供らが寝静まった頃、一人裸で露天風呂に入って居た。

満月ち近い双子月が、寄り添うように夜空を彩る。

前世とは明らかに趣きの違う現世での月見酒を一人嗜む。

こう言う時、どうしても前世を思い出してしまう。

死んだのは確かだが、どんな死に方か、はっきりとは思い出せない。

普段飄々とした旦那が、むせ返る血と瓦礫の中で。

狂ったように泣いて縋っていたのは、多分私と私の子供だ。

途切れ途切れにだが、何か事故か災害でも起こったのかもしれない。

苦しさも痛みも、その感覚が消えるのはあっという間だった。

だから、気付いたらこの世界に居たんだよ。

苦しまずに死んだのだろう。

だが、逆に置いていかれたあいつは、俺達を追いかけたのかもしれない。

そう言う危うさが有る男だった。

誰よりもドSの癖に、家族や血縁者に裏切られ続け。

結婚した俺や子供以外信じない、深い人間不信の寂しがりや。

残念ながら現世は同性になっちまったが。

奴がその辺り何処まで思い出しているかは分からないけど。

あいつは出来れば過去のシコリめいた不幸事なんて忘れた方がいい。

昔に引き摺られ、今を幸せに生きる努力を手放すほうが愚かしい。

そんなもので腹は膨れないし、心は満たされないのだから。

そう思って聞かないで置いた。

あの時も、空に大きな満月が煌めいていた。


クイッ、と小さなコップでトレイに乗せた果樹酒を呑む。

俺の領地の特産で、マンゴーに似た味と香りの果樹を、造った蒸留酒に漬けた酒だ。

他にもリンゴや苺や葡萄や檸檬に似たフルーツも漬けているが、どれも成功して。

季節毎に違うフルーツ酒として売り出し始めた。

月見で一杯って何だっけ?

あぁ花札か。


チャプン!

露天風呂に水音が静かに響く。

子供の誰かが入ったのだろうか?

いや、気配も殺気も無いから。

多分配下の誰かだろう。

音の方を振り向かずに空を見上げ、岩に寄りかかる。

「お背中流しますよ、主殿。」

シノビの楓が入って来たようだ。

「大胆だね。」

笑ってからかうと、困った様子で黙り込まれた。

「冗談だ、そのままで良いから報告をしなさい。」

振り向かずにいても分かる。

彼女は武器を持っていない証の様に、裸で露天風呂に入っている。

多分報告ついでに、上の誰かに夜伽でも命じられたのかもしれない。

年頃の乙女の柔肌を晒すのは、任務とは言え酷な事をさせる。

俺は女日照りだから、欲求不満とでも勘違いされたのだろう。

余計なお世話だ!

「も、申し訳ありません。」

不興を買ったと思ったのか、楓の声が少し震えていた。

振り向いて慰めるとフラグが立つので、そのままトンチンカンに受け答える。

「震えているのかい?

少し夜風がひえたのかな?

ゆっくり湯船で温まって。

落ち着いて報告しなさい。」

「は、はい。」

やっと落ち着いたのか、報告をし始める。

第一王子派の削り取り作業。

デーヴェ国の動向。

他領の動き。

商人の動向。

領地内での情報。

領地育成の進展具合。

アリーナ達の守護と、学院内の動向。

彼等に隠密行動で頼んでいる事柄は多い。

最近は、フィンの配下と連携をとって多少楽にはなったが。

彼等の負担は少なくは無い。

聞かされた内容は、今朝方フィンからもたらされたものと大差は無い。

追加として、デーヴェの軍師が動いて国境付近で、不穏な一揆もどきがあった程度だ。

残念ながら、わが国はゲームの時より弱体化しておらず。

速やかに沈静化出来た。

一揆もどきを起こした連中は、デーヴェや王妃の配下が多く捕縛され。

デーヴェには揺さぶりを、王妃と第一王子派には勢力縮小を図る事になった。

国境付近はバルバロイ領地の一部なので、国境警備を年々強化しており、直接的な戦争も仕掛けずらくしてある。

内部弱体化するなら、根回しは確かに必要だろう。

だが、世の中貴族至上主義の者ばかりでは無いのだ。

前世のように皆平等とか、確かに理想だが。

そんな甘っちょろい事は言わないし、実現し貴族社会が崩壊するその後を面倒見れないなら言ってはならない。

世界はそれだけ理不尽に出来ていると思う。

だが、明らかに貴族より多い庶民を味方につける柔軟な頭が無い連中は、目に見える煌びやかなものしか見えないのだろうか?

二つの事を考えながら、楓を下がらせた。

「楓のような若い魅力的な娘さんは、俺より若い男が似合う。」

ついたての方に声をかけると、年配の男の声がした。

「差し出がましい事を致しました、申し訳ありません。」

「いや、あんなに若いと、何だか娘を相手にしている気になるし。

今は女日照りでは無く避けて居るからね。

充てがわれても困るんだよ。」

男は言葉を暫し失った後にがくりと肩を落とした。

彼はシノビ衆のまとめ役で、このキリガクレの表向きの里長をさせて居る半蔵と言う。

彼も又アレクを心酔し、時々暴走するのだ。

まさに熱い、暑苦しい男。

大きな親切大きなお世話的暴走である。

悪意は無いから無下にも出来ない。

だが、思い通りになるつもりも無いので、こうやって時折釘を指す。

そして、彼も下がらせる。

やれやれ、これから少しの間、楓と顔を合わせ辛くなるなぁ。

全くあっちもこっちも面倒だな、本当に。

溜息をついて、再び月夜を見上げた。

月夜がとても明るくて、今夜は小さな星が見え辛い。

これからの運命がくるくると波間の木の葉のように、先が見えない。

その不安を飲み込むように、俺は酒を飲み干した。



夏だプールだ温泉だ!

弱点は、パパのヒロインは亡くなった妻だけな件。

ですかね。

今回別荘地からのお話。

ちょっとアンニュイ気味アレクです。

おかしい、ギャグ満載にするつもりが、今回微シリアスです。

気が向いたら又書きますね。

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