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B-BOY秘密列車  作者: 東雲 ヘルス
七夕物語
3/6

セカンドインパクト

イチは真美と別れた後、「RBN」の事務所に戻った。

地下鉄に乗っている最中にイチの携帯が短い音を発した。

「フォン」

メールが来たのかと思い、携帯を見ると、最近入れたばかりの[LINE]の文字のところに①という表示がある。


イチは皆の勧めでようやくiphoneに携帯を替え、ナチが「便利なように」と勝手に[LINE]のアプリをインストールしたのだ。

イチも、しぶしぶであったが「最近の若い女の子と連絡を取るなら、今はLINEだ」というシンゴの言葉にイヤラシイ背中を押され言うがままに携帯を差し出したのだ。


その[LINE]を慣れない指先でタップして開いてみると、真美から

「今日はありがとう!宜しくお願いしますね。」

というメッセージとカップルの移っている写真が添付されていた。

男のほうは、短髪の色黒で今風の男の子といった感じで背も彼女より15㎝は高い

女のほうは、ショートヘアーの丸顔で背は低め。ただ、胸が大きい。とても、イチのタイプだと思った。

一通り写真をみて保存すると、真美に返信した。

「了解」

というメッセージに適当なスタンプを返した。すると、すぐに「既読」という文字が付いた。

イチは「これか」と思った。LINEの特徴については以前ナチから教えてもらっていたので、理解していたが、改めてやってみるとちょっとした優越感があった。


事務所に着くと、シンゴもナチも暇そうにソファーに座ってコーヒーを啜っていた。

イチも自分のコーヒーを淹れソファーに座った。

シンゴが言った。

「いいことあったでしょ?」


「なにが」


「解ってるって」


イチはにやけてしまった。

ナチが言った。


「いーなー」


シンゴが言った

「今度合コンね。たのんだよ。」


3人で頷いた。


「じゃあ本題行こうか。何か依頼があったんだろイチ」


「さすが、社長だね。」


3人でテーブルについた。

ナチがこだわりのハーブティーを淹れるのが合図で、皆着席した。これが3人の最近の会議のスタイルだ。

イチは、先ほど真美と話した内容をそのまま話した。前回の事件の功績とも言うべきか、伝達能力が完璧になっていた。


「また、タヌキの仕事か」

シンゴが漏らした。


タヌキとは、オーナー。つまり、関東菊川会総裁「墨東」親分のことだ。

イチの大親分である。

が、以前にこの親分には散々掌で踊らされている。しかし、そのおかげで今があるのも十分承知だ。

だから、憎しみと愛情半分で「タヌキ」と陰では呼ぶようになった。

その「タヌキの仕事」とは、RBNに通常流れてくるリサイクル業務でもなく、また、裏の稼業「スハダクラブ」の仕事でもない、もっともプライベートな仕事なのだ。

このように、シンゴたちは「RBN」を設立してから、主に3種類の仕事をしている。

①リサイクルショップ

②人のリサイクル

③タヌキの仕事(人助け)

①から③に向かうに連れ、収入が大きくなる。


「よし。じゃあ担当はいつも通りで」


シンゴが言った。


シンゴとイチが主に聞き込みをする。

聞き込みと言っても、刑事ドラマに出てくるようなものじゃなく、活動時間は夜だ。

美容院近辺の駅に溜まっている小僧どもをターゲットとして、色々と聞き込む。

中には、こちら側が暴行を受けることもあるので二人かかりで行うこととした。

勿論、暴行を受けたら10倍返しだ。その際、かなりきつめに「脅し」を入れておくので、後々「手下」となっている場合が多いので、最近の葛西近辺の聞き込みは楽になった。


ナチは、いつものように事務作業。

RBNの通常業務もこなしながら、合間にパソコンで情報を拾う。

最近では町の情報もある程度はネットで拾える時代になった。


着手してから、3日目。

大体の情報が集まった。

どうやら、最近の葛西近辺では「カップル狩り」が流行らしい。

シンゴ達の時代にも勿論そういう事件は沢山あったが、情報によるとある一団は結構、というかかなり派手に活動していることが解った。

男4人+女2人の6人の仲間で、葛西、西葛西、船堀を拠点に活動していて、暴走族「誇舞羅コブラ」の一員と名乗っている。

ただ、この6人は何時も一緒に行動していて、ランドクルーザーとハマーを乗り回している。

どう考えてもおかしい。暴走族が単車じゃなくて大型の高級車?女連れで?

シンゴ達は偽物だと睨んだ。ただ、うかつな行動はとれないので裏を取るしかない。

今では、簡単にできる。「知り合い」だから。


この「カップル狩り」達が真美のいう美容師2人と接触している現場を船堀駅近くのロータリーで見かけたという情報が入っていた。

話によれば、2台の車に挟まれた車の運転手が、男女のグループに詰め寄られていた。

これを、近くの少年たちが見ていた。初めは少年たちも見ているだけだったが、一人に対して大勢で殴る蹴るの暴行が始まったので怖くなって隠れて見ていたという。

一通り暴行が終わると、2台の車と被害にあっていた1台の車はその場を去ったという。


シンゴ達はなにかきな臭い匂いを肌で感じた。

初めは


暴力、暴行は何時も町の中で起きてる日常

猛毒、横行でも、誰も助けてくれない非常な世界

みんな見て見ぬふり、5本指の隙間から覗く異常事態

この街にいるのはそんなチンケな覗き見野郎ばっか






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