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オレが姫の婿候補!?  作者: 暇な青年
セレナ姫奪還編
66/73

第四部 最終章 動き出す計画

セレナ「最初は別視点です」

暇ねん「さぁ、最終章の始まりだ」

普通の部屋にしては豪華と思える一室で二つの人影が、ろうそくの火によって揺らめいている。


「では・・・・・・始めるとしようか」


「はい・・・・・・」


最初の声は中年男性の声。それに返事をしたのが若い女性のものである。

中年男性が手を二度叩くとバンッと音を立てて扉から数人のサングラスを掛けた男性が入ってき、女性を取り囲むように立つ。


「連れて行け。ただし、失礼の無いようにな」


サングラスを掛けている男性達のリーダと思われる男が指示を出し、女性は部屋から連れて行かれた。


「さて、カレは動いてくれますかな?」


「必ず動きますよ。必ずね」


リーダーの言葉に中年男性は嬉しそうに微笑んだ。




修学旅行が無事終わり、あっという間に三月となった。

この学園では一番大事な月、いや、どこの学校でも大事な月であろう。

なぜなら、今月の十五日にセレナたち三年生は卒業するのである。

そーゆうわけで学校内ではモチベーションが日に日に増していく。


「しっかし、今になって思うがお前がセレナ先輩の婿候補とは信じられねぇぜ」


いつも通りの教室。いつも通りのメンツ。


「それに加えてカイウスまで候補の一人だったらしいし」


「それはオレもビックリしたぜ。修学旅行を満喫している時にサラッと言われたもんだしな」


「仕方ないよ、僕も父さんに秘密にするよう言われてたからね。それに、僕にはあの人がいるから」


「「リア充発言やめぇ!!」」


さすがにオレとレグは軽く口を尖らせて言う。

言われた本人は笑って受け流す。

その態度がカチンときたのかレグはカイウスの首に腕を回してヘッドロックをかけている。もちろん遊びなため、見た目ほど威力も無い。

そんな楽しい生活をふとありがたく思うオレがここにいた。


「・・・・・・・」


「おい、どうしたよ?」


「ヤクモ?」


「あっ、いや、一年が早く感じるなぁと思って、な」


さっきまでのリア充発言と打って変わって、しんみりとした発言に二人は大丈夫か?と心配そうにオレを眺める。


「いきなりどうしたよ」


「ん?いや、もうすぐでオレたちは二年生になるだろ?ついこの前までは一年だっていうのに・・・・・・」


「今もだけどね」


「まぁね、最初の頃なんてレグに木刀投げられたし」


余り思い出したいと思う記憶ではないが、思い出しながらレグをじーっとみる。

レグのほうは別段気にする事ではないのか笑ってそんなこともあったなぁ、なんて他人事のように楽しむ。


「ヤクモ、ほんとにそれだけかな?」


「どーゆう意味だよ、カイウス」


「確かに僕たちとの思い出も多いけど・・・・・・今の会話にセレナ先輩に対しての思いが入ってないよ」


ニコッと、さも当然のように言い切るカイウス君。


おまえってやつは・・・・・・・


「は~・・・・まっ、確かにセレナの後を追って来たようなものだけどね」


「う~ん・・・・・理由を聞いてないで今のところだけを聞くとお前、ストーカーだな」


「うぐっ!」


今まで思わないようにしてきた事をサラッとしかもレグに言われたよ。

どーしてこう、オレの周りの奴はオレを傷つけるような事をサラッと言うかな。

数秒、自分の境遇を呪った瞬間だった。


「まぁまぁ、ストーカーは冗談でも、その本人が卒業するのは淋しいよね、ヤクモ」


「そうだな・・・・・・・って、オレだけじゃないだろ!?」


「確かに学園全体では淋しくなるだろうけど先輩の・・・・・先輩達の門出を祝いたい気持ちの方が大きいから淋しいとは思はないんじゃないかな」


「だろうな。じゃなかったら、こんなにモチベーション上がらないだろ」


「確かに」


二人は楽しそうにオレに向かって言ってくる。


何だかんだ言ってもこいつらも楽しみなんだな。


軽く笑みを浮かべ、教室の窓の向こうに視線を向ける。

外では三年生たちが写真を取り合っていたり、先生にばれないようにこっそりサイン色紙に一言を書いたりしている。


「あっ、三年生って今、思い出作りをしてるんだ」


カイウスはオレの視線を追って外に目を向ける。


「思い出作りって・・・・・・何だ?」


「簡単に言えばアルバムに載せる写真を撮ったり、お世話になった先生たちにプレゼントを作ったり・・・・まぁ、なんでもありだよ。三年生の授業終了してるからな」


背伸びをしながらレグが口を挟む。

写真といっても今から撮って間に合うのか?と疑問の目を向けると次はカイウスが口を開けた。


「間に合うよ。詳しい事は分からないけど写真さえあれば一日で乗せる事ができるらしいからね」


「へー便利な事で・・・・・・・・・およっ」


「どうかしたん?」


外で一緒に写真をとっている先輩を見て声を出してしまい、二人が反応する。

オレが見つけたのは写真を撮り終えたユウナである。


「ユウナ先輩!!」


窓から体を乗り出して声を掛けたのはレグだった。

声に気付いたユウナは体を向けて手を振ってくる。


「あぁ!レグ、それにヤクモとカイウス。元気ぃ?」


「元気っすよ!」


二人は修学旅行で仲良くなった為、カイウスやレグとも気軽に話しをしている。


「ユウナー次の写真撮るよー」


「今いくー!それじゃ、またね三人とも」


クラスの女子に呼ばれたユウナは手を振って走っていった。

その姿をレグはずーっと眺めているのだが・・・・・・


「ははっ」


オレの予想なんだが、レグはユウナ先輩の事・・・・・・


「まさかな」


思いはしたが口には出さないで他の三年生を眺める。

そこでオレは気付いた。あの人がいないことに。他のクラスもいるのに彼女だけが見当たらない。


「気が付いた」


「まぁ」


カイウスがさっきから黙っていたのは、ユウナが一人だった事に気付きカイウスはそれに気付いたらしい。

セレナがいないのだ。三年の中心となる人物がどこにも見当たらないのである。

だがいないことがありえない、と言うわけではない。熱をだした、風邪を引いた、などで休んでいるだけかもしれない。

そう思い、オレはカイウスの目を見た。



しかし、オレの予想は大きくハズレており、正解を知るのは数時間後の放課後であった。

今回の反省

暇ねん「さーて本日二回目の反省ですが・・・・ひとりです。今回は八雲はいません。

    なぜかって?それはもちろん、大変な時ですからね。次は出てきますよ。

    さーて、今回はマジな次回予告、いきます!」



           「どーゆうことだよ、親父!?」

                 八雲の叫び

          「いいか、これから話す事は極秘事項だ」

          修二は小さく、しかしはっきりと聞き取れる声だった

          「安心しろ八雲、オレが手を貸してやる」

            その言葉をあんたから聞けるとはね

       八雲は仲間達と今、この瞬間、何が起きているかを知る事になる


            次回『これは─────現実だ』です

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