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オレが姫の婿候補!?  作者: 暇な青年
候補者出揃う編
62/73

修学旅行ってフリーダムだな

一日飛ばして修学旅行三日目。

ちなみに二日目は一日目同様に海でのんびりバカンスを満喫していたぜ。


そんなわけで今は三日目。

場所はホテルの自室。想像できているとは思うがルームメイトは、レグとカイウスである。

今更ながらホテルの部屋は広く、ベランダ・キッチン・ユニットバス・ソファなどがあり(当然だな)なかなかゴージャスな部屋である。


「で、三日目はどうするよ?三日連続で海で日焼けですか?」


「いや、それはもういいわ。それより今日からは島を観光していこうぜ」


ソファに座って、冷たいアイスコーヒーをストローでちびちび飲みながらオレたちは今日の予定を話し合っている。

そんな中、部屋のドアをノックしてくる者がいた。


「ん、誰か呼んだのか?」


「いいや」


「誰も呼んでないけど・・・・・ヤクモが呼んだんじゃないの?」


「いやいや、オレが誰を呼ぶんだよ」


ないないと、顔の前で手を横に振って見せてから立ち上がりドア歩み寄る。

その間、カイウスとレグは話を戻して予定を話し合っている。


あいつら、オレを無視して話を進めてるな・・・・・


「まっ、いいけどな」


ドアを開ける前に二人のことを気にしていると、またもドアをノックする音が聞こえ慌ててドアを開ける。


「はいはい・・・・・・はっ!?」


「んん?」


「どうしたよヤクモ?」


驚いたような声が聞こえたのか二人はその場から顔を覗かせてドアを見ると、二人も同じ反応を見せる。


「やっほーヤクモ!遊びに来たよ~」


「おはよう、八雲」


私服姿のセレナとユウナが遊びに来たのだ。

当然のことながらセレナが後輩と仲良くしている遊んでいる姿は見たことが無い。

その為か、レグはなんでぇ!?とオレに今にも突っかかってきそうな勢いでオレの背中をじーっと見てくる。


一応、文化祭やクリスマスパーティーでの出来事を理由に仲良くなった、と言う事になっている。


「遊びに来たって・・・・・・なんで?」


「お前は・・・・バカか!」


鈍い音がオレの後頭部から音を上げる。


「レグ、てめぇ・・・・・何しやがる!」


「罰当たりな事言ってるからだボケ!」


「あんだとっ」


「まぁまぁ」


間に入ってカイウスがオレたちを止める。

後頭部に当たったのはオレの携帯であると知ったのは出かける瞬間である。



結果、オレたち三人はセレナ・ユウナと一緒に観光する事となった。


「まずは・・・・・ぶらっと歩いていこうぜ」


レグの意見に賛成してあちこちを歩いて周り、その度に少し食べ歩きなんかを少し。




「しかし、フリーダムだよな。修学旅行って、もう少し規則があるだろ」


三時を過ぎ、歩きつかれたオレたちは海が見えるベンチに座り休憩をしている。目の前は砂浜と海だけである。

オレの横に座ってるのはカイウスで、残りの連中は砂浜に行き、素足になり足を水に入れて遊んでいる。


「こんなもんだよ。それに、これの方が楽しいでしょ」


「確かにな。そー言えば、カイウスってセレナ先輩と知り合いだったのか?」


「あれ?そんな風に見える?隠してたんだけど」


驚いた様にオレの顔を見てくる。

そして次の表情は嬉しそうに笑みを浮かべて海で遊んでるセレナを見つめる。


「僕はね・・・・・・ヤクモと同じセレナ先輩の婿候補の一人だったんだよ」


「・・・・・・・・・・は?」


えーっと、なに?カイウスが候補の一人?


「はは、ヤクモがそんなに驚いてるの始めてみるよ」


「いやいや、笑い事じゃねーよ!なに?マジで!?」


ベンチから立ち上がり座ってオレを見上げるカイウスを見て唖然となる。

そんなカイウスは未だ微笑みながら腕を掴みオレをベンチに無理やり座らせる。


「人の話しをちゃんと聞いていた?だった、過去形だよ」


「えぇ!? そっちの方がビックリですわ」


「だから僕はヤクモに聞いたんだよ、覚えてる?」


「覚えてる・・・・・・・って、ずっと前のアレか?」



『どうしてヤクモはセイクリッドここに来たの?』



それはセイクリッド祭が前日に廊下でカイウスが聞いてきたことだ。

その時は答えられず、答えを先延ばしにした。


「そう、その答えを今、教えてくれるかな? 今なら聞けると思うから」


「・・・・・・・・」


確かにあの時はセレナのことも言えなかったし、第一、セレナとの約束を守るために来たのに会わなかったなんて、今思えば意味わかんねぇよな。約束だったとはいえ・・・・・いや、違うな。オレは・・・・・・


「オレはな、セレナに会いたかった。カイウスが候補の一人だったなら知ってるだろ、オレがレーベルに負けたこと」


「うん」


短く答えた。

それだけで十分だ。オレは話を再び再開する。


「ぶっちゃけ、カイウスに聞かれたときは本当に理由なんて無かった、無かったはずだった。 でも違った。 負けたオレを泣きそうな顔で心配するセレナを見て思ったんだ。あぁ、カッコわりぃって」


無意識のうちにオレの視線はセレナに向いている。カイウスも視線を追って向けるが多分、カイウスが見ている場所はセレナではなく海であると思えた。


「考えても見ろよ、好きな人の前で無様に負けるなんて笑えねぇよな」


「確かにね」


苦笑混じれの笑い声が小さく聞こえる。


「そこで思ったんだ、惨めなオレはレーベルあいつの言うとおりセレナには釣り合わないって・・・・・・でもな、手紙があったんだよ。セレナからの・・・そこにはなんて書いてあったと思う?」


顔を傾けカイウスに問う。


「負けたヤクモなんて嫌いよって書いてあった?」


「そんな風に書いてあればオレはここにいないし、諦めも付いた。

でも違った。ただ、オレが約束を守ってくれるって書いてあったんだよ。 だからオレはどんなに惨めに負けたってセレナとの約束のために前に進む」


「──────だからオレは・・・・・セイクリッドここにいる」


「それが・・・・セイクリッドここに来た理由なんだね」


「あぁ。でもまぁ、それに気付いたのはつい最近なんだがな」


「それって、クリスマスパーティーのとき?」


「あぁ」


「そっか・・・・うん、十分だよ。ヤクモの意思はしっかりと聞いた。それじゃ、次は僕の話しだ」


あっ、オレの話をしていた所為で本来の話から逸れちまったな


「そうだぜ、なんで候補者が過去形なんだ?」


「あれ?そっちなの?僕が候補者になった理由とかは・・・・・」


「どうせ、シュドさんが推薦したんだろ?オレの親父もそうだったからな」


「おっしゃる通りで。 それじゃ、なぜ過去形になったか、だね。う~ん、どれを言えばいいのやら」


本気で考え込むカイウスを見て、そんなに理由があるのか、と心の中で苦笑いをした。


「そうだね、強いて言えば僕には心に決めた人がいるから、かな」


「・・・・・・・」


あんだけ悩んだ末に出した答えがそれか!?しかもさらっと恥ずかしい事を


「言っておくけど、さっきのヤクモよりはマシだと思うよ」


「うっ!」


確かにオレのさっきの意思は言葉にすると恥ずかしいなんてもんじゃないな。うん


「深くは言えないけどコレが理由だね」


「そっか、まぁしょうがないな。ちなみにその心に決めた人とは?」


「ひ・み・つ」


いたずらっ子みたいな顔で言ってくるカイウスから聞くのは無理だと分かったオレはため息を吐いてから立ち上がりカイウスに手を差し伸べた。


「そろそろセレナのとこに行こうぜ」


「セレナ先輩のとこにね」


「そうでした」


オレたちがホテルに戻る間に日は沈み、無数の星が見える程よい暗さへと変わって行った。

だが、その時のオレはカイウスによって太陽のように真っ赤に燃えていた。

その為、まともにセレナと会話ができなかったとさ。


なぜ?


「初めてセレナ先輩のことを好きって言ったね」


帰り道、カイウスがオレにニッコリ笑いながら言った言葉である。


今回の反省

暇ねん「よーし!カイウスの秘密終了」

八雲「以外だったわ、カイウスが候補とか」

暇ねん「いや~実は最初っから予定していた事なんだが、出すタイミングがなかったんよ」

カイウス「そうだったんですか?」

暇ねん&八雲「「カイウス!?」」

カイウス「おひさしぶりです」

暇ねん「よう!」

八雲「どーしたよ?」

カイウス「小説が終わって帰ろうとしたら『こちらです』って矢印に書いてあって」

暇ねん&八雲(こちらですってなんですか!?)

カイウス「驚いたのはこっちですよ!いきなり候補だなんて」

八雲「だよな!いきなりだもんな」

カイウス「今回驚くのはヤクモの恥ずかしい告白だけにしてください!」

八雲「うおぉい!?」

暇ねん「そうだな。八雲にはもっと頑張ってもらわないと」

八雲「マジでか?」

暇ねん&カイウス「マジだ(です)」


次回『最終日!?早くね?(前編)』です。

暇ねん&八雲&カイウス「感想&評価おねがいしまーす」

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