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オレが姫の婿候補!?  作者: 暇な青年
候補者出揃う編
52/73

レーベル率いる、ブレイブ大学ナイト部、来る!

クリスマスパーティーの話しを聞いてから一週間。今日は、隣国のブレイブ大学との練習試合と合って、屋内広場にはいつものメンツ以外の人が10人ちょっといる。


「は~、大学生だけあってガタイが良いな」


ストレッチをしながらブレイブ大学の選手を見ている。


あの金髪ツンツンヘアーなんかゴッツイわ


初めて見た選手に対してこの感想。あかんな~


「それはそうと、ヤクモは彼が気になるんじゃないの?」


「彼?」


後ろで同じようにストレッチしているカイウスに振り向く。カイウスはオレを見て“あっ、違った”と呟き、言い直す。


「彼“ら”だったね」


「彼・・・ら?」


「レーベルとサバナ先輩の事だよ!」


依然として分からないオレに痺れを切らしたのかレグが口調を荒げて言う。言われて広場の隅で話し合っているサバナとレーベルに視線を向ける。


「あぁ!てーか、何でそんな機嫌悪いんだ?」


今の口調でも分かるが、レグの顔には“不機嫌です”と大きく書かれているようだ。


「たりめーだ!!レーベルの野郎を今日こそぶっ飛ばす!!」


バシッと手に拳をぶつけるレグに言葉が無い。


「説明になってねーし」


「さっき、廊下ですれ違った時・・・・・・」


カイウスがそっと近づき小声で教えてくれる。


「レーベル先輩がね、本人にはその気が無かったんだろうけど、言い方が気に障ったらしいよ」


「言い方って・・・何言われたん?」


『今日も頑張ってくれよ』


「あーーーーー」


簡単に想像ができるな。レーベルは人を馬鹿にしすぎるからな


またも、レーベルとサバナに視線を向けると今度は向こうもこちらに気が付いたらしい。サバナが手を振っている。簡単に言えば“こっちに来い”だろうな。


言っておくがサバナは見学できただけだ。ナイト部では無いぞ。

つーか、レーベルがメチャクチャ嫌な顔してるよ。ハハハ・・・・・・


「久しぶりだな、八雲」


「どーもッス。今日はオレたちの相手もしてくれるんですか?」


「時間が合ったらな」


皮肉も少し入れた言葉をレーベルは簡単に受け流す。


「そーいや、二人は知り合いだったんだ」


さっきのを見ているとレーベルとサバナは仲がよさそうに見えた。が、レーベルの表情は何ともいえない顔だ。


「う~ん、仲は良いが・・・・・・」


「いいが・・・なに?」


言いにくそうにサバナは頬を掻いた。


「レーベル王子は負けず嫌いだからな、この前のことを根に持っているんだ」


「この前のこと?」


ますます分からない


「貴様はいらん事を口にするな」


「はいはい」


面白そうに口を緩ませて話を終わらせるサバナ。だが、レーベルの話は終わらなかった。


「君にも借りがあるからね。今日はその借りを返させてもらうさ」


「望むところです」


お互い相手の目を見て言い切る。その姿を横からサバナが面白そうに見ている。


「レーベル、試合をやるぞ」


「あぁ」


チームメイトに呼ばれ、レーベルはサバナには挨拶をして行ってしまった。残ったオレたちは少し話をして練習に戻った。


練習試合は主に大学部の先輩だけである。特例として高等部のジン先輩とウェル先輩が試合をしている。


「見ものだな」


「そうだね」


レグとカイウスが見ている試合はルージ先輩とレーベルの試合だった。


一見、ルージ先輩が攻めているように見える展開だが明らかにレーベルは狙っている。攻撃が止む一瞬を。




「かー、相変わらず堅いな」


「貴様もなかなかの太刀筋だが・・・・・甘いな」


ルージの太刀筋を呼んだレーベルは避けると同時にルージの真横を取り、手首に木刀を振り下ろした。


「そこまで!!」


審判が声を上げた。今のでルージが木刀を落してしまったからだ。


「さすがは世界最強と言われるだけのことはあるな」


「褒め言葉として受け取っておこう」


「俺は皮肉は言わないよ」


結果を見るとレーベルの圧勝だった。




「無駄が無い動き・・・・・お前、良くアレから一本取れたな」


「うっ」


確かに。あの時は『五月雨』が合ったから良いが、今回はバレてるし・・・・・勝てないかもな


考えているといつの間にか俯いて落ち込んでいた。そしたらいつの間にか周りがざわついている事に気がついた。


ん? どーした?


そう思って顔を上げるとレーベルの木刀の先が自分に向けられている事に気付いた。つまりこれは・・・・・


「もしかしなくても・・・・・・勝負しろってことか!?」


どーりで周りがざわつくわけだ。レーベル王子に逆指名されるんだからな


どーしようか悩んでいると頭の天辺から痛みが落ちてきた。


「痛っった!何だよっ!?」


振り向くとレグが木刀で脳天を叩いていたのであった。叩いた本人は依然として機嫌が悪いのかと思ったが、意外とそうでもなかった。逆に楽しそうに見える。


「もう一度勝ってこいよ」


「は?」


「だーかーら、今度は観客がいる中でアイツに勝って来いって言ってるの」


脳天を叩いた木刀の刃先を握って、柄の部分をオレに向ける。それを口を開けて受け取る。


「おう!ちょっくら勝って来るわ」


その言葉にまたも周りがざわつく。当たり前だ。世界最強と言われる相手に『勝って来る』と言い放つのだから。


周りを気にせずオレはレーベルの前まで進み、足を止めた。


「勝っちゃってもいーっすよね?レーベル先輩」


「できるものならな」


そしてオレは──────構えた。


今回の反省

八雲「変なところで切るな~」

暇ねん「だよね~」

八雲「しかも何この負けフラグ。フラグ立ちすぎだろ!」

暇ねん「なぜ負けると?」

八雲「『勝っちゃってもいーっすよね』って、おもくそ負けキャラの台詞だし」

暇ねん「そーだったらどんまい」

八雲「マジかよ・・・・・・」


次回『だから話がややこしくなるって!』です。

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