文化祭まであと一週間です
夏の暑さも少しずつ消えてきた、とゆうか無いに等しい11月。そんなすごしやすい月にオレは何をしているかというと・・・・・・
「ヤクモーーーー(くーーーん)!!」
「またかよっ!!」
数十人の生徒に追いかけられて学園内を爆走中。
なぜかと言うと、あの大会の後、一ヶ月前に始めた初心者が優勝を決めたということで学校内ではちょっとした有名人となってしまい、挙句の果てにはファンクラブなど・・・・・・
「でも、何か大変なことを忘れているような気がするんだよな・・・・・・」
物陰に隠れて息を整えているなか、ふと、思った。
「大変だね」
オレが隠れた物陰には先客がいた。
「本当だよ。カイウスは大丈夫なのか?」
「僕も大変だよ」
オレと同様に、大会の時に見せたあの涙に心を奪われた女性がファンクラブをつくり、拡大しているらしい。(本人談)
「で、どうする?早くいかねぇと委員長の頭に角が出るぞ」
「そーだね」
「「いたぞ(よ)!!」」
「「!!」」
右からカイウスのファンクラブ。左からはオレのファンクラブ・・・・・・自分で言うのは恥ずかしいわ!!ともかく、バレた。
「カイウス君・・・・・・」
「ヤクモ君・・・・・・」
「「教室で!!」」
お互いの健闘を祈るとカイウスは左の団体に。オレは右の団体に紛れ込んで教室に向かった。
「ちょっ!どけっ」
「そっちがどきなさいよ!!カイウス様~まってーー!」
二つの団体がぶつかり合い押し競饅頭状態。その中を掻い潜りながらオレは抜け出し、教室への道を走っていると・・・・・・
「キャッ!」
「うわっ!!」
廊下を曲ろうとした時に進行方向から来た女性にぶつかり、互いに尻餅をついてしまった。
「いたた・・・・・って、大丈夫ですか!?」
痛みから目を開けると、同じように尻餅をついている女性に慌てて声を掛ける。
やべーー!!やべーってコレ!
内心焦りながらも顔には出さないようにして、女性の返事を待っていると・・・・・・
「「「ヤクモーー!」」」
「うわっ!きた!!」
来た道から声が聞こえてきた。オレにとっては焦りをいっそうを速める。
「あーーー・・・・・・ごめんなさい。何かあったら、高等部1年B組来て下さい。あっ、名前はヤクモ=コウサカです。すいません!!」
最終的に取った行動がコレだ。
名前とクラスを言っとけば何かあったとき来てくれるだろう
再び教室への道を走り始める。
「これは・・・・・・彼の?」
ぶつかった女性はすぐ横に落ちてる携帯を拾い、オレが走り去った廊下を見た。
「遅れましたーーーーー!!!」
「遅いわボケナス!!」
「痛い!」
勢いよく教室のドアを開けると委員長の怒号と共にチョークがおデコにヒット!!
周りの連中は笑っているが、結構痛いんだぞ!コレ!!
「おそかったね」
「カイウス。そっちはあの後すぐに戻ってきたのか?」
「うん。3分ぐらいに前戻ってきたよ。途中で文化祭の買出しに行こうとしてたレグに助けてもらってね」
「ずりーな」
教室では一週間後のセイクリッド祭に向けて準備中である。この学園ではセイクリッド祭の一週間前から授業をやらずに準備期間となる。
チョークの当たった部分を摩りながら散らばってるイスを手に取り背もたれを前に座る。
「ほら、そこのサボり。あなたも手伝いなさい」
「オレだけ!?」
「カイウスはすでに仕事をやってくれたわ」
「お前、少し前に戻ってきたんだよな?」
「うん」
その笑顔がなんかうそ臭いなー
「ヤクモ、友達を疑わない」
「悪かったよ。ただ、お前も心読むのはやめい!」
「ごめん、ごめん。つい癖で」
癖で、じゃねぇーよ!そんな癖あってたまるか!
「んで?何をすればいいんだ」
教室の中心で的確に指示している委員長に聞いてみた。
ちなみに、委員長はこの前、『文化祭の説明?』で進行役をしてたあの人だぞ。
委員長もとい本名、ミレイ=ミール。オレから見れば暴力女・・・・・っと、鬼のような目がこちらに
「なんかとても失礼なことを考えてなかった?」
「いや全然」
「・・・・・・まぁいいわ。あなたはカイウスと一緒に生徒会室にコレを取りに行ってきて」
はい、とスカートのポケットからメモ帳の1ページを渡してきた。
「なになに。えー、ガムテープ・マジック・文化祭資料(去年の喫茶店資料)・執事・メイド服」
カイウスがオレが持つメモを丁寧に一つ一つ読み上げていく。
「おい、委員長。一つ聞きたいが・・・・・・」
「なによ?」
「メモの最後に書いてあるものはふざけて書いたのか?」
瞼をパチパチしながら確認のため委員長に聞いてみた。
「ふざけて無いわよ!ちゃんと用意されてるはずだから持ってきて」
「・・・・・・」
どこの学校に執事・メイド服を文化祭で使う学校があるよ!?普通に制服かクラスTシャツだろ!!
「それが、現実との差だよヤクモ」
「何からツッコむべきなのか・・・・・」
現実との差にか?それともオレの心を読んだことにか?
「どちらにもツッコまない。はい、いくよ」
「ちょっ!」
オレの手からメモを取ると教室から頭だけ出し、左右を見る。
「何してんだ?」
「あの人たちがいないかの確認」
「なるほど」
左右を見て、大丈夫だと確認すると教室から出て、四階にある生徒会室へと向かい始めた。
今回の反省
暇ねん「八雲にもファンクラブか~」
八雲「なんで?部長や副部長。それにレグもいるのに!!」
暇ねん「ん?あの三人はすでにファンクラブできてるさ」
八雲「へ?」
暇ねん「だ・か・ら・すでに存在してるの」
八雲「なんとーーーー!!」
暇ねん「それよりアンタ、大変な事忘れてるよね」
八雲「そう!そうなんだが・・・・・思いだせん。教えて」
暇ねん「やだよ。けど、マジで思い出さないと色々とやばいからな」
八雲「なにその脅迫みたいな言葉!」
暇ねん「秘密だ」
八雲「マジで教えて!!」
次回『生徒会長ってどんな人?』です。