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オレが姫の婿候補!?  作者: 暇な青年
八雲セイクリッド編
37/73

久しぶりだな(中編)

オレたちは順当に勝ち進み、決勝戦まで駒を進めた。


ちなみにオレの戦績は四戦して、二勝二敗。二回戦と三回戦は負けてしまったが、準決勝では何とか勝つことが出来た。


今の時間は決勝相手が決まるまでやることが無い暇な時間であるため、学校別の部屋にいる。


「ライン校とビステ校どっちが上がってくると思う?」


ペットボトルに唇を当てながら決勝戦の予想を聞くと、レグが目を閉じたまま口を開いた。


「100%、ライン・・・・・・・」


「部長も言ってたけどライン校って、そんなに強いのか?」


「ライン校はライバル校なんだよ」


「戻ってきたかカイウス」


部屋の扉を開けとカイウスとウェルが入ってきた。二人は残りの準決勝を見ていたため、部屋にはいなかったのだ。


「ライバル校・・・・・・」


「ウェル、決勝は?」


「予想道理、ライン」


「そうか・・・・・・・」


ジンはゆっくりと目をつぶると眠ったように静かになった。


「で、どーしてライバル校なんだ?」


カイウスの耳元で小さな声で聞いてみる。


「ボクが聞いた事だと、ずっと前からナイトの大会ではボクたちのセイクリッドと向こうのラインが優勝を交互に繰り返してたんだ」


「交互にって・・・・・・・」


他の学校は一回も優勝した事無いのかよ・・・・・・


「そして、今回の大会で優勝した方が50勝目だ」


「まじでか?」


レグの細い視線がオレに刺さる。


『これより、決勝戦を始めます。セイクリッド学園とライン校はホールにきてください』


「いくぞ・・・・・・・」


ジンの手が扉をあける。


「おう」


その後ろにウェルが続いていく。


「決勝か・・・・・」


「「いくよ(ぞ)」」


二人の掌がバシッと背中に当たる。


「おう!」




「くっ・・・・・!」


試合が始まり一番手はカイウス。だが・・・・・・


「これで・・・・・!?」


「遅いわ」


カイウスの攻撃を避けるとがら空きの背中に一閃。


「そこまで。勝者、ライン校、シーフォ」


「すみません・・・・・・」


顔を下に向け誤るカイウスにジンとウェルは手を当てる。


「まだ、負けてねぇよカイウス」


「そうだぜ」


オレとレグもカイウスに手をあて慰める。かすかにだがカイウスの体は震えていた。


カイウス、この大会で初の負けか・・・・・・


観客席からは「良くやったー」や「自信を持て!!」などの言葉が降ってくる。


二番手はウェルなのだが、さすが副部長といったところだ。相手に攻めさせる前に倒してしまった。


三番手はレグ。


「おらっ!」


今までの試合と比べてレグの動きは格段によくなってる。多分、カイウスのことを思ったからだろう。レグもこの大会、まだ一回も負けていないので負けた時の悔しさが分かるのだろう。


「終わりだぁ!!」


おもいっきり上から木刀を振り下ろし、相手の木刀を叩き落とした。


「勝者、セイクリッド、レグ」


「しゃーーっ!!」


片腕を掲げて叫ぶレグの姿にカイウスもやっと顔を上げ一言。


「さすがだね」


「おうっ!!」


戻ってきたレグにカイウスは手を向け、その手にハイタッチした。


「これで二勝一敗か・・・・・・ヤクモ勝てるよな?」


「さぁね。向こうも負けられないだろうから」


意外と落ち着いてる自分に驚きつつも、カイウスとレグに笑ってみせる。


「ヤクモ、負けても良いからな」


「・・・・・・・部長。それを今言いますか」


苦笑するしかない言葉がジンから飛んで来た。


「まぁ確かに負けてもウチの大黒柱が後ろにいるからオレも安心っすよ。それじゃ、いってきまーす」


勝つ気満々で競技場フィールドに入っていく。


後ろではジンがカイウスに何か聞いていた。


「カイウス、ヤクモが言ったダイコクバシラとは何だ?」


「えーっと、チームの中心人物と言う意味です」


日本語の勉強中でした。なんて事話している間に試合は始まっていた。


「貴様を倒してウチのエースに番をまわしてみせる!」


「あいにくだが、そう簡単に負けねぇよ!」


木刀を交え、互いの顔があとちょっとで当たるって所まで顔を近づける。


「いけー」「ヤクモーー」と、応援の声が耳に入ってくる。後ろのメンバーの声も。


弾き、弾かれの応酬である。どちらも引かない。引けない意地がある。


勝ってエースに回すと言う相手の意地と、勝って優勝をしたいと言う、俺の意地。


「し・・・・まった・・・・・・・・!」


一瞬の油断。相手に背後を捕られた。


「落ちろーーーーーっ!!」


「────っ!!」


こんなとこで・・・・・・こんな奴に・・・・・・・オレはーーーーーッ!!


縦に落ちてくる木刀に対して、オレは体を縦に動かし紙一重で避ける。


避けたときにチラッと見えた相手の表情は、驚いている様子だった。実際オレは驚いてる。


だがまだオレの不利である。避けた動作で相手は左斜め後ろ。相手の視界にオレはいる。


「まだだーーー!!」


降り終えた閃を切り上げるように木刀がオレを襲う。


「負けられねぇんだ・・・・・・・」


小声で呟きながらオレは多少無茶しながら体を180度回転させる。


「ぐっ!!」


迫ってくる木刀を受け止める。力では敵わないため少し後ろに後退してしまったが受け止めた。踏みとどまった。


「─────っ!?」


体を少しかがめて右手で木刀を振るう。


「まだ・・・・・!」


向かってくる木刀を弾こうと身構える相手。


大丈夫。しっかり見えてる。あの時も出来たんだ・・・・・・・いけっ!


右腕を振りぬいた。


何も握っていない右腕を振りぬいた。


相手は何が起こった?といわんばかりの表情。


後ろでオレを応援しているカイウスたちも目を離せないでいる。特にジンとウェルは唖然としている。


木刀は・・・・・空中を制止している。


「五月雨」


左手で制止している木刀を掴み、振り抜く。力の限り────振りぬいた。


左手は利き腕ではないため、力を入れないと威力が出ない。


「が・・・・・はっ!!」


振りぬき終えると、相手は前にゆっくりと崩れ落ちる。


「しょ、勝者、セイクリッド、ヤクモ!・・・・・・これにより3対1でセイクリッド学園の勝利です!!」


審判の声がホールに響き渡る。


数秒後には段々と声が聞こえてくる。それはヤクモに。それはセイクリッド学園に対しての声である。


「かった・・・・・・マジで?ははっ・・・・・・・」


「「この・・・・・」」


後ろから誰かが駆け寄ってくる。足音からして二人分。すぐに分かった。


「やりやがったな!!」


「やったね!!」


背中に突っ込んでくる二人。カイウスとレグ。


「お前ら・・・・ぶはっ」


二人に笑いかけていると頭に押さえつけられるように髪をくしゃくしゃにするウェル。


「よくやったなヤクモ!さいこーだぜ!!」


「あぁ。最後の剣術はあの時のだな」


「はいっ!!」


あの時とは、レグとの試合のときに出した剣術である。


「まさか、アレを本番でやるとはな」


「オレも無意識・・・・じゃないけど良くできたと思った」


オレの言葉にカイウスたちは一瞬間があったが口元を緩めて笑みを浮かべた。




「帰る準備を早くしろ!」


「「「はい!」」」


表彰式も終わり、学校別の部屋で帰る準備をしている中、ジンは早くするように促す。


準備が終わり、市民体育館の前の広場で解散した為、カイウス・レグと一緒にこの後のことを話し合っているとテンポの良い足音が聞こえてきた。


今回の反省

暇ねん「───の前に誤っておくことが」

八雲「どうした?」

暇ねん「第35話のレグとの試合の時、『ジン』と書いたつもりが『サジ』となっていた」

八雲「サジって誰だよ!」

暇ねん「俺が書いてるブリーチの敵キャラ。間違ってやってしまった!!」

八雲「バカヤローーー!!」

暇ねん「もう直しました。今後は無いようにします!!」


暇ねん「気を取り直して、反省」

八雲「顧問の先生出てこなかったな」

暇ねん「忘れてた」

八雲「忘れるなよ。それに最後の足音誰だよ?」

暇ねん「あいつだ。あ・い・つ・」

八雲「あいつ?」

暇ねん「ふふっ」

八雲「ふふっ、じゃ、ねぇよ!!」

暇ねん「良いじゃん。今回はかっこよく勝ったんだから」

八雲「あぁ、オレの必殺・五月雨だな」

暇ねん「正確に言うとリボ●ンの山●だけどな。『完全無欠 最強無敵』のな」


次回『久しぶりだな(後編)』

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