うわ、もしかしてオレ浮いてる?
注意点
・今回から『』が出てきますが、これは英語で八雲には分かりません。
・『』で日本語が書かれているのはカイウスが訳しています。
今日から通う学校の前に着くとオレは足を止めた。
「どうかした?」
「ん?いや・・・・・・今日からここに通うのかって考えてた」
と、言ってはみたものの実はそれだけではなかった。
学校ってこんなに大きかったっけ?
心の中では顔が引きつっている。なぜならオレの前にある学校は普通の学校三個分のでかさがある。
「そうだよ、セイクリッド学園っていうんだ。読める?」
「なんとか・・・・・・」
校門に学校名が飾られているが読めそうで読めない。だが、見栄を張ってみた。
「無理しなくて良いよヤクモ」
「うっ、バレた!」
あっさりとバレた!
『・・・・・・』
『・・・・・・』
「ん?」
内心傷ついているとカイウスが英語で周りと挨拶していた。
オレには何言ってるか分からんが、挨拶してるって事は分かる。
「じゃ、いこ」
「あぁ・・・・・・今気付いたんだが、生徒の数多くない?」
「あぁ、ここら辺ではこの学園しか学校が無いんだ。車で五時間ぐらいした所に行くと他の学校があるけど・・・・・・」
「へーって事はあの小学生もこの学校?」
隣を楽しそうに走っている小学生を指差す。
「うん、小・中・高。それと大学、専門学校見たいのも入ってるよ」
「マジでか!?」
「マジで『・・・・・・・』」
昇降口に向かっているとカイウスはよく喋りかけられる。
「カイウスって人気者?」
たしかにコレだけ美形なら女性はほおっておかないだろうな。
「ん?そんなこと無いと思うよ。それに今日はヤクモの所為でもあるよ」
「オレ?」
そーいや、カイウスに挨拶した人たちは、最後にオレを見てたな。
「そうだよ。だって、日本人がこの学園に来たの始めてだもん」
「へー・・・・・・ええっ!!」
危うくスルーするとこだった。
スルーをするー・・・・・・ごめんなさい。
「ヤクモ、今のはつまんないよ」
「うっさい!ってか、心読むな!プライバシーの侵害だぞ!!」
校舎に入るとカイウスに連れられて職員室に向かった。
廊下を進むたびにカイウスは挨拶され、その後オレを見る。何だこの状況!?
「学校の案内は後でするね・・・・・・失礼します」
高校一年の職員室に入ると一人の先生が近づいてきた。
「君が、ヤクモ君だね?」
「はい」
おぉ、日本語だ!
「私はブラウンだ、よろしく。この学園で唯一日本語を喋れる」
金髪で短髪の若い先生。
「よろしくお願いします。ブラウン先生」
「君は、私のクラス・・・・・・と言いたいとこだが残念だが違うクラスだ。『シール先生!』」
クルッと体を後ろに向け他の人の名前を呼んだ。と思う。
『はい。あら、この子が日本からの?』
『えぇ。ヤクモ=コウサカです』
「って、言ってる」
カイウスに通訳してもらい状況を理解する。
赤髪でポニーテール。またも若い先生。
『シールよ、よろしく』
「よろしくおねがいします」
差し出された手を握る。これもカイウスが通訳。
『付いて来て、クラスに案内するわ』
「はい」
うわー緊張してきた。
「安心して。僕がちゃんと通訳するから」
「頼みます」
タメに頭を下げるオレ。
『はいはーい。座りなさい』
シール先生が教室に入るとタイミングよくHRのベルが鳴った。
オレとカイウスは廊下で待機。
『先生。日本人が来たって本当ですか!?』
『本当よ。それもうちのクラスよ』
『マジかよ!』
『どんな奴だろ』
などと、皆言いたい放題口走っている。
『それじゃ、今呼ぶわね』
『カイウスがいないですけど』
『彼は日本語喋れるから通訳のために一緒にいるわ。ヤクモ、入ってきて』
『おはよう、みんな』
『おーっす』
カイウスの挨拶に教室にいる生徒が反応した。
全員反応って・・・・・・
緊張しながらもオレは教室に入った。チラッと見てみると反応はバラバラだが皆こっちを見ている。
はぁー・・・・・・
「カイウス、頼むよ?」
「まかせて」
『えー、日本から来た高坂 八雲です。これからよろしくお願いします』
『・・・・・・』
あれ?反応が無い・・・・・・いきなりすべった!?ん?
『・・・・・・・』
前の席の男子がカイウスに何か言ってる。
「えーっとね、あっ、ちょっと待って『・・・・・・・』」
何か言おうとしてやめたカイウスは、クラスに何か聞いていた。
『・・・・・・・』
カイウスの言葉にクラスが笑顔になった。
「なんだって?」
「同じクラスになったんだから。そんな縮こまるなって」
「はぁ・・・・・・」
「ヤクモ、避けるか受け止めた方が良いよ」
苦笑いをしてカイウスは言ってきた。
「は?なにが────っと!」
一番後ろの席からオレ目掛けて何かが飛んで来た。とっさに出した手でそれを受け取る。
『俺たちからの転校祝いだ』
カイウスが訳した言葉を聞いてから受け止めた物を見る。
木で出来た、細長い棒のような物だった。コレを見たときのオレの顔はどんな顔だったか・・・・・・
「木刀・・・・・・だよな?」
『おぉーーーーー』
木刀を認識するとクラス中が盛り上がった。コレばっかりはすぐに理解した。
『おい、今の見たか?』
『みたみた』
『アレを避けるじゃなくて受け止めた』
何言ってるかわから無いオレに。戸惑っていると生徒達が椅子から立ち上がり駆け寄ってきた。
『・・・・・・・』
『・・・・・・・』
「いや、何言ってるかわかんねぇし!カイウス!」
「んー訳すのが多いんでまとめると、凄いねって」
「凄い?なにが!」
『ヤクモ!』
「あん?」
自分の名前ぐらいは分かる。呼ばれたほうを向くと楽しそうに笑っている男子。いま、木刀を投げてきた奴だ。
『お前、オレたちの部活に入れ!』
「はぁ!?」
カイウスを通じて聞いた言葉にオレは驚いた。と、思う。
今回の反省
八雲「なぁー」
暇ねん「なんねん?」
八雲「なにコレ?」
暇ねん「これから人気が落ちる物語」
八雲「テイルズかよ!」
暇ねん「いやー、他国の学校とか良く知らないから勢いで書いてしまった」
八雲「それは・・・・・・人気の落ちる物語だな」
暇ねん「だろ?それに主人公英語分かってないし」
八雲「カ、カイウスがいるだろ」
暇ねん「どんだけ他人任せだよ」
次回『部活ですか』です。