いや、オレ、こんなカッコいい友達持ったの初めてだわ
「よし、では聞きたいことはあるか?」
夜、家に戻ってきた親父がソファに座って聞いてきた。
「最初に思ったんだけど」
「なんだ?」
「親父がここに住んでいたのは前だろ?なのになんでこんなに綺麗なんだ?」
綺麗とは、家に入った時にすぐ気付いた。ホコリも無くきちんと整備されているキッチン。なにより不思議なのが家には3つ部屋があってどれも整理整頓されている。
「あぁ。それは────」
「私たちデース!」
「っ!?」
親父とは別の声が後ろから聞こえ、慌てて振り返るとそこには一人の男性と二人の女性がいた。
「へー、この子がシュウジの息子か」
「かわいー」
「ちょっ!」
どう見たって成人を過ぎている女性がオレに抱きついてくる。オレの顔が女性の胸にあたる。
「八雲、こいつらは俺の仕事仲間だ。お前がこっち来るって言ったら部屋の掃除を手伝ってくれたんだ」
「そ、そーゆうことね・・・・・って、お姉さん!やめて!」
抱きついている女性はショートで赤毛である。・・・・・・胸もけっこう・・・・・・・
「こら、メイ。ヤクモが嫌がってるわよ」
「だって、思ってた以上にかわいーんだもん。それにおねーさんだって、うれしいな~」
「ちょっと!!」
頭を撫でられながら、誰かに助けを求めるべく手を振っていると・・・・・・
「だいじょーぶか?ヤクモ」
「うわっと、ありがとうございます。えっと・・・・・・」
オレの手を引っ張り無理やりメイから引き離された。
「あぁ、オレはシュドナイ=クロス。シュドって呼んでくれ」
「私はルミナス=アーク。ルミナって呼んで。っでこっちは妹のメイリス=アーク」
「よろしくヤクモー!メイでいいからね」
「よろしくお願いします」
ルミナとメイは姉妹なのか。道理で髪の色や雰囲気が似てる訳だ。
シュドは細い体のわりに腕の筋肉がすごいな。オレを引っ張っただけの事はあるか。
「そうそう。八雲の通う学校にシュドの息子がいるから、仲良くしろよ」
「へー。その人も日本語ペラペラ?」
「カイウスは三年間日本にいたから普通に話せるよ」
「よかった~」
それから、数時間後にはベッドで寝ていた。
親父たちは城に戻った。その時に携帯を渡された。日本にも通じるとかどうとか。
次の日、学校の制服を着て家を出ると、家の前に誰か立っている。
「ヤクモだよね?」
「きみは?・・・・・・あれ?飛行機でオレを見てた・・・・・・」
「カイウス=クロス。よろしくねヤクモ」
「あぁ・・・・・・」
飛行機に乗っている時こっちを見てきた人だった。
シュドの息子・・・だよな。あー・・・・・・・
「どうかした?」
キョトンとした表情でオレを見ている。
「なんでもないよ」
朝日に照らされて光る銀色の髪。その間から見えてくる瞳はサファイアのように輝いている。
親子そろって美形だな。セイクリッドに住む奴は美形しかいないのか!!
なんて事を考えながら学校へ足を進めるオレだった。
今回の反省
暇ねん「セイクリッド編になってキャラが増えました」
八雲「本当だよな。日本ではオレ、友達と会わなかったぜ」
暇ねん「最初は出そうと思ったけど、セイクリッド編に色々出せば良いやと思って」
八雲「たく」
暇ねん「んで、メイの胸はどうだった?」
八雲「いい天気だな~」
暇ねん「おい!」
八雲「うるさいうるさい」
暇ねん「たく」
次回『うわ、もしかしてオレ浮いてる?』です。