決めた。オレ行くわ
「ここは・・・・・・」
起き上がるとオレはベッドで寝ていた。
あれ?オレいつのに寝たんだっけ?・・・・・・思いだせん。
「入るわよ」
声がしてからドアをノックするなって。
「あら、起きてたの」
「ん、ああ。ってか、オレいつの間に寝たんだっけ?セレナは?」
「あんた忘れたの?セレナちゃんは帰ったんだよ」
かえった?・・・・・・あれ?たしかオレ。
「今日!ってか今、何時?」
「8月31日のお昼過ぎよ」
「31ってセレナは?」
「帰ったわよ。空港までは私が送ったわ。セレナちゃんはアンタが起きるまで傍にいるって言ってたけど学校があるから帰したわ。」
「あーーーー思い出したわ。オレ、負けて気ぃ失ったんだ。ハハ」
顔に手をあて視界を遮る。
「・・・・・・お腹がすいたら下に来なさい」
「・・・・・・」
返事を聞かないで母さんは部屋から出て行った。
ダセェ・・・・・・・アレだけ粋がって結果、あのざまかよ。笑えるわ・・・・・・
「ハハ・・・・・・」
そーいや、気を失う前にチラッと見えたんだよな。セレナの表情が。
「泣きそうな顔だったというか心配そうな顔だった・・・・・かな?」
どっちにしろオレは・・・・・・負けた。そのうえ、セレナを心配にさせた。
「オレは・・・・・・・なにやってんだろうな」
顔から手を話し、視界に光を入れた。
外の景色をボーっと眺めるだけ。
いったいどれくらいの時間こうしていたのだろうか。気付けば外はおろか部屋の中も薄暗くなっている。
7時か。
「腹減ったな」
本能のままにオレは下に向かい晩御飯を食べ始めた。
「さすが母さん。オレが下りて来るときに丁度ご飯を作るなんて」
そーいや、久しぶりに母さんのメシ食べるな。前まではオレとセレナが作ってたからな。
「いつまで、そんな顔してるのよ?」
「へ?」
ご飯を食べている箸が空中で止まった。
「情け無い面してるわよ」
「マジで?ハハ」
「笑えてないよ」
「うっ」
無理に笑ってみたが逆効果だった。
「そうそう。セレナちゃんが家を出る前に手紙をアンタの部屋に置いていたよ」
「え?」
「後でも良いから見ておき────」
良い終える前にオレは残っていたご飯を一気に平らげ、自分の部屋へと向かった。
「あった!」
部屋の電気を点け、部屋を見渡すとテーブルの上に綺麗に二つに折られている紙が置いてあった。
八雲へ
あなたが、これを読んでいるときには時には私は、セイクリッドにいるでしょう。
・・・・・・ごめんなさい。こーゆう時の手紙の書き方ってどうするのか分からないの。
だから・・・・・・だから、私の気持ちをここに書きます。
信じているわ、八雲。あなたが─────
「あなたが約束を守ってくれるって・・・・・・・セレナ」
手紙を読み終えると折り目に合わせて綺麗に折りたたみ、オレは下に向かった。
「母さん!!」
「なにかしら?」
「オレっ─────」
「待ちなさい。その言葉は修二さんに言いなさい」
「親父に?」
「ええ。これ、電話番号よ」
渡された紙には携帯番号が書かれていた。
はー、母さんにはお見通しか。
母さんはオレの背中を見て笑っている。
「・・・・・・」
番号を入れ、相手が出るのを待つ。
「もしもし?」
「親父か?」
「俺以外誰が電話に出るんだ?」
「だよな」
「で、なんだ?悪いが姫さんの事は何もいえないぞ。婿候補のことがあるからな」
「そーか。まぁ、それは聞けたら良いなって思ってただけだ。実は親父に頼みがある」
「おー、なんだ?」
「オレをそっちに行かせてくれ」
「・・・・・・」
親父が黙った。さっきまで軽い口調だったのが静かになった。
「それは、どう言う意味だい八雲?」
「いや、詳しくは言え無いんだけどオレをそっちの・・・セレナが通っている学校へ転校させてくれ!」
「それは簡単にできる事では無いぞ」
「だから、親父に頼むんだろ」
「・・・・・・ちょっと待っててくれ」
そう言って親父の声が聞こえなくなった。通信状態のままどこかへ向かっていることが受話器を通しても分かった。
足音響いてるなー。
カツカツカツとテンポの良い足音が聞こえる。
「とまった」
足音が止まってから少しして親父の声が戻ってきた。
「姫さんの学校に通っても良い」
最初の言葉がそれだったけどオレは素直に喜べなかった。
「条件は?」
「おっ、鋭いな」
「さっき簡単に出来ないって言ってすぐにOK貰ったって事は国王らへんに頼んだんだろ?」
「さすが我が息子だな。条件ってのは────────」
「・・・・・分かった。こっちの学校はどうすればいい?」
「それは、冴子に頼んでおけ」
「わかった。ありがと、父さん」
「・・・・・・キモイ」
「なっ!」
感謝の気持ちを告げた息子にキモイって何だよ!
「いつもみたいに親父と呼べ!」
「あ?あぁ、そっちの事か。ありがとな、親父」
「おお。冴子に代わってくれるか?」
「ちょっと待ってくれ」
受話器を話し母さんを呼ぶ。
「なに?修二さん」
「迷惑かけるな」
「いいのよ。それにあなたの妻ですからコレくらい何とも無いですよ」
「ははっ、ありがとうな・・・・・・愛してるよ冴子」
「私もよ。修二さん」
電話なのだがオレの瞳には二人が寄り添っているように見える。
「母さん、わがままな事を言ってごめん」
「何よ、いきなり?」
ビックリしている母さん。オレってそんなに普段感謝して無いと思われている?
「まぁいいわ。ただし八雲、自分のやることには責任を持つのよ」
「あぁ」
「明日の午後の飛行機でいきなさい」
「いや、早くない?チケットは?」
「大丈夫よ。全て修二さんがやっているもの」
「わかった。今から準備してくる」
オレがいなくなると母さんは冷蔵庫から缶ビールを取り出した。
「子供が親の所から出て行くのも早いわね。がんばりなさい。我が息子」
今回の反省
八雲「ふっかーつ」
暇ねん「おお、もどったか主人公」
八雲「おうよ」
暇ねん「アレだけ瞬殺でやられて・・・あわれだな」
八雲「ちょっとまて、結局書いたのお前だろ!」
暇ねん「うん。ほかの作品だとシリアスって書いたこと無かったからさ」
八雲「最悪だ」
暇ねん「これがシリアスかどうかは分からないけど」
八雲「それよりこれからオレどうするの?それにあの約束」
暇ねん「おーーっと約束の事は言うな。それと、これからお前は『セイクリッド編』に突入だ」
八雲「はぁー?」
次回『来たぜセイクリッド』です。