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オレが姫の婿候補!?  作者: 暇な青年
セレナ姫ホームステイ編
19/73

最後なのでしっかり楽しみましょう

次の日の夕方、オレは自分の部屋で祭りに行く準備をしていた。


「そっか、夏休みが終われば学校も始まる。セレナも帰っちまうのか・・・・・・」


しんみりとしているとドアをノックする音が聞こえた。


「入って良いぞ」


「どう?八雲」


ドアを開け中に入ってきたのはセレナだった。それはオレも予想していた。だが・・・・・・


「どうした!その浴衣?」


セレナは黒の浴衣を身に纏っていた。浴衣には花火の絵が入っている。


「冴子さんが昔着ていたのを貸してくれたの。それよりどう?」


「どうって・・・・・・その・・・・・・綺麗です」


顔が真っ赤になるのが自分で分かるほどにオレはセレナの浴衣姿に見入ってしまった。


「ふふっ、ありがと。八雲は準備できた?」


「もうちょっと待って」


「わかったわ。下で待っているから」


セレナはそう言って部屋から出て行った。


「あれは反則だろ」


セレナがいなくなってからオレは自分の顔に手を当てた。


「お待たせ」


「準備できたの?」


「おう。んじゃ行きますか!」


「ええ」


母さんに一言ってからオレたちは家を出た。


言っておくがオレは浴衣なんか着てねぇぞ!


オレたちが向かっている祭りは、オレが小学生だった時に通っていた学校でやっている。


まぁ、家から十分ってところだ。それにしても・・・・・・


「人が凄いな」


「ほんとうね」


小学校が近くなっていくにつれて人が多く行きかう。


小学校に入ると中は凄い盛り上がりようだった。


「セレナは祭りって初めて?」


「こんな感じではないけどセイクリッドのお祭りには行った事があるわ」


「ふーん。何かしたいものある?」


「そう言われても何があるか分からないから見て回りましょ」


「それもそうだな」


オレたちは人ごみの中を進んでいくと、しだいにセレナが離れてしまいそうになる。


「おっと!」


オレはとっさにセレナの手を握り、引き寄せた。その時、力が強すぎたのか勢い余ってセレナはオレに抱きつく形になってしまった。


「あぁ!わりぃ」


「何謝ってるのよ」


「いや、何となく・・・・・」


セレナはオレの胸でクスクスと笑い、離れた。


「ん」


なんか残念だったような良かったような・・・・・・


「八雲!」


「なに?」


考えているとセレナがオレに手を差し出してきた。


「はぐれない様に手、つなぎましょ」


「そうだな」


差し出された手を握り、オレたちは再び周り始めた。 


「八雲、アレは何?」


「ん?」


セレナが指差しながら聞いてくるものは、綿飴だった。


「あぁ。あれは綿飴といって砂糖を割り箸に巻きつけるんだ。食べてみるか?」


「いいの?」


「当たり前だろ。おじさん、綿飴一つちょうだい」


「はいよ。って、兄ちゃん!そこの女性はセレナ姫では?」


綿飴をオレに渡す時にセレナに気付いたみたいだ。


「ええ、まぁ」


セレナはオレの後ろで会釈をしている。


「ほーほー。セレナ姫が日本にいるとは聞いておったが、まさか会えるとは・・・・・・兄ちゃん!これはわしの奢りだ」


「いやいや、それは悪いですよ!」


「こりゃ、こういう時はありがたく受け取っておくものじゃぞ」


「・・・・・・では、お言葉に甘えて頂きます」


「姫様によろしくの~」


「ほい」


「ありがと」


オレたちは人ごみを抜け、体育館前にあるベンチに腰掛けた。


「おいしい!すぐに無くなってしまいそう」


「はは、そりゃ良かった。んっ?」


「どうかしたの?」


「たこ焼きがあるらしいから、ちょっと買ってくるわ。セレナはここにい・・・・・・やっぱ一緒に来て」


「良いけど、どうかしたの?」


オレが言いかけて、言い直したのでセレナは顔を覗き込んでくる。


「いや、なんでもないよ。いこ」


そりゃぁ、言えるわけ無いでしょ。ナンパされたら困るから。なんて。


このあとオレたちは、たこ焼きを食べ、射的や投げ輪などを楽しんだ。


「たのしかった~。八雲、ありがとうね!」


「どういたしまして」


帰り道、オレたちは家へと向かって足を進めていた。


「なーセレナ」


「なぁに?」


「いつ帰るんだ?」


オレは幸せなこの時に聞くべきじゃないと思ったが、つい口が言ってしまった。


セレナもピクッと肩が動いたような気がした。


「うん。三十日に帰るわ」


いつもどおりの声音で答えるセレナ。


「よかった。んじゃ、間に合うな」


「なにが?」


「花火大会。二十九日にあるんだよ。ちょっと遠いけど・・・・・・どうする?」


「もちろん行くわよ!」


「んじゃ、約束な」


「えぇ。約束よ」


こうして今日の祭りは終わった。


今回の反省

暇ねん「サブタイなんですが『最後』じゃなかったですね~」

八雲「でしたね~」

暇ねん「だがダイジョーブ博士」

八雲「なにそれ!?」

暇ねん「えっ?知らないの?パワ●ロのダイジョーブ博士」

八雲「ああ、いるねぇそんなの」

暇ねん「だろ?」

八雲「で」

暇ねん「で?」

八雲「で?じゃねぇよ。なにがだいじょーぶなんだよ?」

暇ねん「あぁ。あと二回で夏休み終わるから『最後』の連発してもダイジョーブってこと」

八雲「ダメだよ!!」


次回『花火は人に向けないように』です。

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