あっ、おかえり~
八月二十一日の夜。
ご飯の準備をセレナと一緒にしていると玄関の方から開く音が聞こえてきた。
「ん?だれだ?」
オレは警戒心を出しつつも玄関に向かうとそこには久しぶりに見た顔があった。
「ただいま~八雲!」
「かあさん!!」
そう、母さんがスーツケースを横に玄関に立っていた。
「そっか、今日、二十一日か。忘れてた」
「あら、それほどまでにセレナちゃんとストロベリってたの?」
「ちがうし!てか、何だよその言い方」
「どうかしたの?・・・・・・冴子さん!おかえりなさい!!」
玄関から戻ってこないオレを不思議に思いセレナが玄関に来た。
「ただいまセレナちゃん」
「まー、聞きたい話しもあるし中に入りなよ。荷物はオレが運ぶから」
「ありがと」
母さんはスーツケースをオレに渡し、セレナとリビングに向かった。
「これ、セレナちゃんが作ったの?おいしいわ」
「ありがとうございます」
久しぶりに三人で晩御飯を食べることができ、母さんはセレナの作った料理を食べて褒めている。
「んで、向こうで何してきたの?」
「うん、楽しかったわ!」
「いや、もっと具体的に話してよ・・・・・・」
オレの質問に一言で返す母さん。
「ん~っと、ほとんどは修二さんに甘えていたからね~」
「はいはい、仲のよろしい事で」
母さんと親父は昔から仲がよく、オレがいるのもお構いなくにイチャついているので、オレはもう、なれてしまっている。
「冴子さんと修二さんは仲が良いのね」
「あぁ、もうベッタリとね」
肉じゃがのジャガイモを箸でつまみ口に運びながらオレは答える。
「羨ましいな」
「傍から見れば良いかも知んないけど身内としては自重して欲しいわ」
「そうそう、セレナちゃんのお父さんとお母さん・・・国王様と王妃様と話してきたわよ」
「ぶっ・・・・・・・・ぶね」
危うく口に入れたジャガイモを吐き出してしまうとこだった。
「あんたは何してんだほんとに!」
「いやね、修二さんに甘えていたら国王様と王妃様が来てね。それで、セレナちゃんの事や八雲の事を話してきたわよ」
「お父様とお母様は何と?」
セレナは食べる事も忘れ話しに夢中になっている。
「別になんとも言ってないわ。『決めるのはセレナだから』って」
「そうですか」
「そうそう、セレナちゃん。『学校が始まるからそろそろ国に帰って来い』って国王様からの伝言よ」
「そうですか・・・・・・」
セレナの表情が暗くなったように見えたが、セレナは表情を明るくしてご飯を食べ始めた。
「セレナ、学校行ってるんだ」
セレナは学校に行ってないと思っていたので驚いた。
「あたりまえでしょ。八雲も行ってるじゃない」
「いや、姫様は自宅学習みたいに教えてもらう人が家にいるのかと・・・・・・」
「そんなこと無いわよ。今年で卒業よ」
「へー、高校三年ってところか」
「ええ」
そんなこんなでご飯を食べ終わるとセレナと一緒に皿洗いをしていると母さんが呼んでくる。
「なに?」
「明日、お祭りがあるから二人で行ってきなさい」
「祭りか・・・・・・そうだな」
「セレナちゃんはもう少しで帰っちゃうんだからしっかりね」
「あはは」
皿洗いを終えるとオレは祭りのことをセレナに言った。
「───ってことなんだけど」
「もちろん行くわよ」
「りょーかい」
こうしてオレはセレナを祭りに誘う事が出来た。
今回の反省
暇ねん「すいませんでした」
八雲「またか。今度は何をした?」
暇ねん「いや、何となく読者に謝ってみた」
八雲「おい!」
暇ねん「だって、内容が無いんだもん!」
八雲「ネタ切れってやつか」
暇ねん「イエス!!」
八雲「はぁー」
暇ねん「あっ、でも夏休み後の話しは出来てるぞ」
八雲「夏休み後?なにそれ?」
暇ねん「ふふふふ」
八雲「おい、言え!」
暇ねん「内緒」
八雲「オイーッ!!」
次回『最後なのでしっかり楽しみましょう』です