二人っきりだと緊張してしまう
母さんを見送ってからオレは朝ごはんを作り始めたのだが・・・・・・
「・・・・・・・」
隣では鼻歌交じりでセレナがオレの手伝いをしてくれている。
「・・・・・・・」
う~、どうしてもさっきの言葉を考えてしまう!
『少しの間だけど、これからは二人っきりだね!』
そう言われて何も感じないヤローどもがこの世にいるか!?いないね!ぜったい!!
「・・・・・・いっ!」
考えていると、いきなり左手の人差し指から痛みを感じた。
「どうしたの?あっ、血が出てるじゃない!」
セレナはオレの声を聞いて視線を向けてきた。
オレの人差し指はパックリ切れていた。多分、考え事をしながら包丁を使ってたから指を切ったんだろ。
「ちょっと包丁でやっちまった・・・・・・って、何やってんの!?」
オレが手を血を洗い流そうとしたが、それよりも速くセレナがオレの手を取り口にくわえた。
温かいぬくもりが指に絡みつく。
「ふぁにっふぇ、きすをなふぇへるの!」
「いや、何言ってるかわかんないし!それより手、手!!」
「ふぁ、はい。傷口を舐めると良いって言うでしょ?」
「いや、その・・・・・・」
ちょっと、これ何?どうすればいいの?何かのフラグですか?
頭の中でパニックを起こしているオレを置いといてセレナはキッチンから出て行った。
「あわわわわ、オレどうすればいいの?」
「八雲」
「はい?」
呼ばれたのでセレナに振り向くと、手には救急箱があった。
「傷口を舐めただけじゃアレだから、絆創膏よ。指出して!」
「あ、うん」
素直に指を出すとセレナは傷口に絆創膏を綺麗に張った。
「これでよし!」
「う・・・ん・・・・・・ありがと」
恥ずかしくてセレナの顔を見れずに言うオレ。
思い出してしまう・・・・・・・セレナの口ん中気持ちよか・・・・・・・って、うぉい!何考えてんだオレ!!
バカな考えをしてしまったオレを気にせず、セレナは出来上がっている料理をテーブルに運んでいく。
「っと、オレも終わらせないと」
オレは切りかけのフルーツを切ると、冷蔵庫からヨーグルトを取り出し、二皿にフルーツとヨーグルトを盛り付けた。
「「いただきまーす」」
出来上がった料理を食べながら、オレたちはこの後のことを話し合った。
今回の反省
八雲「いきなり、コレか?いいのかオイ!」
暇ねん「ん?なにが?」
八雲「アレだ・・・その・・・・・・セレナが・・・・で・・・ってことだよ!!」
暇ねん「聞こえんわ、ボケ!」
八雲「と、とにかく、何だよこの展開?急すぎだろ!」
暇ねん「オレも思ってたんだけど・・・・・・結果オーライってことで」
八雲「こ、この・・・・・バカヤロー!」
次回『アレが見たい』です。