はっ?ちょっと?母さん?
親父からの電話があってから二日が経った日の朝。オレはいつもどおり音を立てずに下に行くと、いつもはいない母さんがそこにはいた。
「ん?母さん?」
「あら、八雲。どうしたの?」
「どうしたのって、朝飯作りに来たんだよ。母さんは?」
「あれ?言ってなかったっけ?私、今日からちょっと旅行に行ってくるわ」
「はぁ!?」
母さんの言葉にオレは耳を疑った。よく見ると母さんの後ろには少し大きいスーツケースがあった。
「ちょっ、旅行ってどこに?いつまで?」
「いっぺんに聞かないの!ちょっと、修二さんのいるセイクリッドに行ってくるわ。ホラ」
そう言って母さんは両端を持ったチケットをオレに見せ付ける。
「いつ予約したの!」
「この前、修二さんから電話が来た時、頼んでおいたの」
あー、セレナから電話を変わったときか。
「そーいうわけだから、ちょっと行ってくるわ」
スーツケースを押しながら母さんは玄関に向かう。
「だから!行くのは良いけどいつまで?」
オレも母さんの後についていき玄関に足を向けた。
「八月二十一日の午後に帰ってくる予定」
「夏休みも終わりに向かってんジャン!」
「細かい事気にしない!男の子でしょ?」
「はいはい。んじゃ、事故んないように気をつけて」
「ありがと。八雲もがんばってね!」
「ん?頑張るって何を?」
「セレナちゃんと二人っきりなんだから、男見せなさいよ!それじゃ、いってきまーす」
手をヒラヒラさせながら母さんはこれから起こるオレの生活を言って、玄関を出て行った。
オレは人がいなくなった玄関を見ながら、頭ん中であることが起きていた。
「あーっと・・・・・・・なに?セレナと・・・・・・」
二人っきり!?
「そうだよな、いつもは母さんがいたけど・・・・・・」
いいのか?高坂 冴子!!
「だって・・・えーーーーー!!」
落ち着けオレ、落ち着け高坂 八雲。こー言うときは・・・・・・ヤツを見ろ!球を見ろ!!
「じゃ・・・なーーいっ!!テニ●リはいい!現実逃避してる場合じゃねぇ!!」
オレは心の声と交互に喋っていた。
「どうかしたの八雲?」
「へぇあ!?」
「へぇあ?」
いきなり声を掛けられたためオレは実に間抜けな声を出してしまった。
ほら、セレナが笑ってるよ。
「えっ?あーっと実は・・・・・・」
「あっ、もう冴子さん行っちゃったの?」
オレがついさっきまで起きてた出来事を話すとセレナは驚くどころか旅行の事を知っていた。
「あれ?もしかしてセレナ知ってた?」
「冴子さんが昨日言ってたわよ」
「あ、そうなんだ~・・・・・・」
なぜ、オレには言わなかった母さん!!
「少しの間だけど、これからは二人っきりだね!」
「えっ!?今なんとおっしゃいました?」
「ふふ。ほら八雲、朝ごはん作りましょ」
「セ、セレナさん!?」
セレナの言葉にオレ、めっちゃドキッとしたわ。う~ん、オレ、これから大丈夫かな?
こうして、オレの短くて長い生活が始まった。
今回の反省
八雲「無責任でしょ!」
暇ねん「なにが?」
八雲「母さんだよ!何が『言ってなかったっけ』だよ!」
暇ねん「いいじゃん、セレナと二人っきりなんだから」
八雲「だからだよ!つーか、ファンタをストローで飲むな」
暇ねん「いや、マッ●で買ったんだからしょうがないじゃん」
八雲「オレこれからどーしよ」
暇ねん「安心しろ。オレが余りドキッとする事はさせねぇよ」
八雲「マジでか?」
暇ねん「マジだ!」
八雲「お~さすが作者」
暇ねん「オレの『ドキッ』は驚かされての意味だ。セレナには、ドキッとはするぞ!バリバリにな」
八雲「えっ!?」
次回『二人っきりだと緊張してしまう』です。