手のひらの星
手のひらに掬いあげた
きらきら光る素敵なものを全部
大切に大切に
握りしめていられたのはいつまでだろう
零れて 取り上げられて
打ち捨てて 手放して
色んな理由で失くしたものを
今更搔き集めたいとも思えないけど
いつの間にか切り取られて
貼り付けられた断片のように
必要なだけ切り刻まれていく
時間 感情 言葉
不格好なコラージュのように
誰かに望まれるままの断片になっていく
ぐちゃぐちゃの断片になっていく私を
時折真っ黒に塗りつぶしたくなるけど
何もない空気を手探りする
その感触ばかりに慣れて
爪の先の優しささえ見えなくなる
墨のように真っ黒で
光が何だったのかさえ
時々見失いかけて立ち尽くす
明けない夜に放り出されたように
難解な迷路のように
絡まりあった未来をどう解きほぐせばいい
問い掛けても 問い掛けても
答えの先が見出せない
真っ黒な水に溺れていくように
絶望に呑まれて息ができなくて
救いさえ求められない
それを責める声しか聞こえなくなって
底の見えない崖に墜落していくみたいだ
手のひらをかざしたら
それでも光はあるのか
それは幻じゃないのか
問い掛ける声だけがリアルで
返す言葉を失って落ちる
沈黙の重さに零れた涙を踏み消して
確かに握りしめていたんだ
いつだったのか忘れたけど
眩しくて 儚くて 美しくて
泣きたくなるような光だった
確かにあったけど 確かにあったけど
幻だと笑われても
忘れ得ぬその残光をまだ握りしめている
手のひらの星




