第7話
放課後です
「もー、しゅんちゃんっ!!」
放課後になり愛奈を迎えに2年の総合家庭科の教室に着き、先輩達に声を掛けられつつ待つと、顔を合わせた途端愛奈に軽く怒られた。
「愛奈、どうしたの?」
「お昼休み!急にあんな事言ってーっ!」
「あんな事ってどんな事?」
「お弁当のお礼、みんなのいる前で言う必要あるかな!?」
「いつも言ってるじゃん、ほら最初に言って無かったから」
「確かにそうだけどっ!大変だったんだよ!?みんな冷やかしてくるしさぁ……」
「ゴメンゴメン、一緒に帰ろ?」
うぅ、と小さく唸ってから、愛奈は俺の後を着いてきた。
そして学年別に分けられている下駄箱で一端別れている時に姉からメールがきた。
≪愛奈のご飯食べたいから晩御飯に連れてきて≫
≪ちなみに父さんと母さんの帰り遅いから≫
自分で作る選択肢は……無いな、あの姉は。
俺も姉も料理が苦手なので自分で作るということはあまり無い。あったとしても自分だけが食べる位で人に振る舞うことは一切無いからだ。
外靴に履き替えて、愛奈と合流すると愛奈から
「しゅんちゃん、コレ」
と姉から愛奈に送ったメールを見せてきた。
≪愛奈~、お金出すからご飯作りに来てー、お願いします!!(。・ω・。)ゞ≫
と俺に送ったメールと意味合いは同じだが表現が全く違うメールが届いていた。もう一件は愛奈のお母さんからのメールで、
≪愛奈へ、ママとパパ、そしてあかねちゃんと駿吾君のご両親の4人で出掛けて来るので、あかねちゃんと駿吾君の3人でご飯食べててね♪≫
と来ていた。
愛奈はこっちを見てきて聞いてきた。
「しゅんちゃん、お家にお邪魔していいかな?」
「全然大丈夫だよ」
「ありがとう、何か食べたいものある?」
「今日のお弁当和風だったから洋風食べたい。ハンバーグとか」
「うん、わかった。ねぇ、しゅんちゃん。材料買うから一緒にお買い物行こ?」
愛奈はそう言って服の袖口をちょんとつまんできた。
「うん、行こ。買い物デートだね。」
そう返してつまんだ手を離して指を絡める所謂、恋人繋ぎをした
「デート……うん、お買い物デートだね……ふふっ!」
『デート』という言葉に反応して幸せそうな顔を見せる愛奈と一緒に家の近くにあるスーパーマーケットで晩御飯の材料を買って俺の家に向かった。
放課後のお買い物デート終了です。
次は家の中です。