第3話
3話目です
「それで一体何の用ですか、気になった事って?」
俺と愛奈の2人一緒で確認したい事なんて正直思い浮かばばないし、内容によっては答えられない。
俺の質問に対し坂下先輩は
「別にそんな難しい話じゃないのよ、今日愛奈とここにいる数人とお昼食べながら話してたんだけどね・・・」
先輩の話を纏めるとこうだ。
話の流れで互いの彼氏の愚痴をこぼしていたのだが、愛奈だけからは愚痴が一切無かったらしい。
別にそれ自体に問題は無いらしく、ちょっと俺を呼んで話を聞いてみようという事で呼ばれたみたいだ。
「事情は分かりましたけど何が聞きたいんです?」
「特に変わった事を聞くつもりは無いんだけど……私の彼氏、一緒に歩いてる時に車道を歩いたり重い荷物を持ってくれたりするんだけど、それがちょっと空回り気味なのよね………」
「えっ、先輩ヒドくない?」
彼氏さん頑張ってるんだから目を瞑ろうよ、そこはさぁ……
俺の引いた表情を見た先輩は気まずそうな顔で
「愛奈にも言われたわ……頑張ってるのはわかっているのよ……」
「彼氏さんにハッキリ言えば良いじゃないですか」
「簡単に言うわね……愛奈に聞いたけどあなた自然に出来てるみたいじゃない、何かコツがあるのかしら」
「コツって……無茶振りじゃないですか」
車道側を歩くのと重い荷物を自然にやる・・・
ぶっちゃけ愛奈相手に意識してやってないんだよなぁ……
「・・・あっ」
「何か思いだしたの?」
「そうですね……ただ俺のヤツ参考になりませんよ?」
「良いわ、教えてちょうだい」
俺の場合は特殊なんだけどまぁ良いや
「ー俺の初恋って愛奈なんですよね」
「えっ、しゅんちゃん?」
「どうしたのよ急に、惚気?」
「まぁ続きあるから聞いてくださいよ」
驚いた愛奈と「コイツ急にどうしたんだ」という顔をした先輩に一言掛けてから
「それで小学校低学年ながらね、格好つけたかったんですよ。愛奈覚えてない?」
「そういえばそうだったね。あの時のしゅんちゃん私より身体小さかったし、力も私の方があったよね」
低学年の頃だから車道側は歩かなかったけど重い荷物は持とうとしてたんだよね。
まぁ力無かったから運んでは休んでの繰り返しだったんだけど、愛奈は取り上げることなく任せてくれたんだよな。
「でも小学校高学年頃から力も付いてきて重い荷物も持てるようになってそこから車道側歩いてたんじゃなかったかな」
「言われてみればそうだったかもしれないね、しゅんちゃん」
俺と愛奈で思い出話に脱線していこうとする中、先輩が
「要するに君の自然さの正体は時間の積み重ねって事で良いわけ?」
と聞いてきた。
「簡単に言うとそうですね」
「それじゃあ参考にならないわ」
だから言ったじゃん、参考にならないって
先輩がそれなりに酷い女性になったw
次は2人が幼馴染になるきっかけの話を予定してます