第1話
初の連載物です。
よろしくお願いします。
私立高校1年の教室で
「今日も愛妻弁当、見せ付けるねぇ」
とクラスメイトの髙橋と教室で昼飯を食べていると髙橋は人の弁当を見てしみじみと呟いた。
「んだよ、やんねぇぞ?」
「誰も取らないし、お前それ殆ど無いじゃん。弁当開いてから今まで無言で食べてたし」
「美味いんだから無言になるのはしょうがない」
こいつは何を言っているんだ?心の中でそう思っていると購買でかったパンを口に押し込んだ髙橋は
「幼馴染で恋人、だっけ?2年の御倉先輩とお前」
「彼女が4歳、俺が3歳の頃から一緒だな」
彼女、御倉愛奈と俺、佐野駿吾は俺が3歳の時に今の家に引っ越して隣同士の関係になった事から始まった。
愛奈、俺そしてもう1人の三人は小さい頃からから一緒に遊んで互いの家にお泊まりをする位に仲が良かった。
俺にとって愛奈が初恋の相手で小学校低学年の頃から想い続け、中学1年の頃に告白をしてOKを貰うことが出来た。
正直言って愛奈にとって俺は弟の様にしか見てないと不安に思っていたが彼女も同じように姉の様にしか見られてないと思っていたようで、俺の告白を聞いた後に涙を流して
『不束者ですが、よろしくお願いいたします』
とプロポーズの返事みたいな言葉を頂き、恋人の関係になった。
互いの両親にも一緒に報告し子ども達同様仲の良かった親達は自分の事の様に喜んでくれた。
簡単に馴れ初めを思い出していると
「お前と先輩って昼一緒に食べたり食べてなかったりするけどどういうしてなん?」
“恋人=必ず一緒に昼食を食べるもの”と思っているのか髙橋は聞いてきた。
「彼女には彼女で友達付き合いがあるんだしそっちも大事にしないと、一応俺もね。それにあっち総合家庭科だし」
「一応って………まぁ総合家庭科は1学年に1クラスだからな」
「そうそう」
それから髙橋と駄弁っていると教室の扉が開き
「1年の佐野君いるー?」
と良く通る聞き慣れた上級生の声が聞こえた。
俺はクラスメイトの視線をいくつか受けながら声の主の元に向かい声を掛ける
「坂下先輩、何すか?」
「やっほー佐野君、ちょっとうちらの教室来てくれる?愛奈も待ってるし」
「今日は別々に食べる日だし愛奈もわかってますよ?」
「それは愛奈から聞いてるから大丈夫。そうじゃなくて愛奈と話してて気になる事あったから確認しようと思って」
「だったらここで聞きますよ?」
わざわざ教室行かなくてもここで話せば良いと思ったのだが、わかってないと言わんばかりのリアクションをして
「わかってないなー、1人ずつ聞くんじゃなくて“2 人”に聞くことに意味があるんだよ。愛奈に会いたいんじゃないの?」
ニヤニヤとこっちを見る先輩に若干イラつきながらも、少し考える。別に今会わなくても放課後から夜まで一緒にいられるのだが、ここで「別に」なんて言って愛奈に有ること無いこと吹き込まれるのも面倒なので
「分かりました。付いていきますよ」
両手を挙げて降参のポーズを取ると
「素直な後輩は可愛いねぇ」
と言って歩き出して、はいはい、と心の中で呟きながら自分の教室を離れ彼女の待つ教室へ向かった
最後まで読んで頂きありがとうございました。
幼馴染は次出てきます
話としては10話いくかいかないか位の短いものになると思います