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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ナース

作者: 初夏の草木

これは子供を産んで、産後の体力回復の為に入院していた時の話である。


私は、子供を産んだ後、ヘロヘロの状態で病室へと案内されたのだが、何故かその病室にはベッドが壁際にポツンと一つあるだけだった。


不思議に思ったが、疲れていたのもあり看護師さんの言われるがままベッドへと潜り込んだ。


しばらくすると、眠気が襲ってきて私は眠りについた。



ガチャっとドアの開く音で、意識が半分覚醒する。


(看護師さんが見回りにでもきたのだろう)


そう思い、あまり気にせずそのまま眠りにつこうとした。


カツカツカツカツ。


だが、靴音が気になって薄っすらと目を開ける。


寝ている状態なので、腰から下しか見えないが、スカートを履いている。

よく見ると、ナース服だ。


(なんだ。やっぱり看護師さんか)


そう思って眠りに就こうとすると、突然呼吸が出来なくなった。


何かを顔に押し付けられている。


感触からして枕だろうか。



苦しい。息が出来ない。


そのまま意識が遠のこうとする。


その時、小さい声でブツブツと呟き声が聞こえた。


「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね―――」


私は恐怖で暴れるが、物凄い力でそれを押さえつけられ、呼吸の限界がきて意識を手放した。


-----


カツカツカツカツ。


靴音で目が覚める。


反射的にベッドから飛び起き靴音の主を見る。


すると、看護師さんが驚いた様子で「どうしました?」と尋ねた。


私は「い、いえ……」と答えた後に、この病室に他の看護師さんが来なかったか聞いた。


看護師さんは不思議そうに「私が初めての見回りですよ」と答えた。



なら、先ほどの出来事は夢か、それとも看護師さんの殺人未遂だったのだろうか。


現実的に考えれば、その二つのどちらかだ。


しかし、手首には押さえつけられた時に出来た手形。


そして、看護師さんの服はズボンタイプ(・・・・・・)のナース服だった。



その後、看護師さんに聞くと、戦後間もない頃はこの病院でのナース服はスカートタイプだったらしい。


あれは、その当時の看護師さんの亡霊だったのだろうか。


私は、怖くなり事のあらましを説明し病室を変えてもらった。



その後、あの病室がどうなったのか分からない。


しかし、入院する際は気をつけた方がいい。


これは、本当にあった話ですから。









私は、男です。

実話というのは本当で、これは母親が体験した話です。

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