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トカゲと散歩、お仕事しましょ  作者: *ファタル*
お休みの日ーその2
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「じゃあ、お砂糖が焦げやすいこともご存知ない方が多そうですね。」



「ええ。それどころか、加熱調理に使用可能だと知らないかもしれませんわねえ。」



 ウジャータさんのため息のような返事に驚きで声も出ない。

 いやいや。料理にお砂糖って基本でしょうに。



 って、そっか。ここでは甘辛ソースに使う甘味も、エルフの開発した『ミリン』なんだっけ。

 う~ん。じゃあ、本当に基本の基本からお話した方がいいんだろうなあ。



「なら、お砂糖を使ったソースを作って、実際にどう溶けるか見てもらいましょうか?少し苦味のあるソースなんですが、プリンとも合いますし。あ、プリンは…。」



『深緑の森の一族のスイーツですが知ってますか?』と続けようとした私の言葉に、ウジャータさんがかぶせてくる。

 どうやら知ってたようだ。さすがウジャータさん。



「あらあら、まあまあ。プリンに合うソースですの?それは存じませんでしたわ。」



 でも、カラメルソースは知らないんだなあ。

 まあ、あれはお砂糖が無いと出来ないし、そんなことしなくても多種多様な蜜があるもんねえ。



「ええ。ほんの少しだけ焦がして、甘過ぎない味に抑えるんです。」



「まあ。では、もしよろしければ、作って見せていただけないかしら?お話だけでは何ともお返事が出来ませんわ。」



「そうですね。私も久しぶりなので。作ってみたいです。」



 あれって、ちょっと焦がし過ぎるだけで苦い汁になるもんねえ。

 本当に人前でやるとなったらもっと練習が必要だなあ。



 ウジャータさんにお願いして、フライパンにお水と一番精製したお砂糖を1:2で入れ、かきまぜずにじっと我慢。とにかく我慢。

 火は強くてもいいけど、色がついたらあっという間に焦げ付くから、久々の今回は中火でチャレンジ。



 沸騰してきて、端から色がついて来たら勝負開始。

 フライパンを回して全体を混ぜていく。



 こなったらすごい速さで色が着くので、好みの色になるちょっと手前だと思ったくらいが、私の火の降ろすタイミングだ。

 降ろしたフライパンに、最初に入れたのと同じくらいのお水をそおっと注いで、ゆっくりとフライパンを回して馴染ませれば完成だ。この時、ソースがかなりはねるので注意。



 いろいろな作り方があると思うけど、我が家はこのレシピ。

 最後に水を注ぐのが決め手です。お湯を使う人もいるみたいだけど、うちでは水。



 お母さんは『沸かすのが面倒』って言ってたけど、効果はそんなに変わらないと思う。

 こうすると固まりにくくなるんだよね。



 あー兄ちゃんは風味づけにお酒を混ぜたお水を使うのを好んでたけど、あれは好みがわかれるからなあ。

 お砂糖とお水の割合はひとによると思うけど、うちは甘すぎない味が好まれるので、お砂糖は少な目だ。



 さて、出来た。

 以外と身体が覚えてるものなんだなあ。



「まああ。香ばしい甘い香りが立ち込めてますわあ。」



「甘すぎる…。」



 あらら。クルビスさんにはキツかったみたい。

 反対に、ウジャータさんは目をキラキラさせている。



「もう少し冷めたら味見しましょうか。甘いけど苦いですよ?」



 保険で先に言っておく。

 初めての味だろうし、何より単体で味わうものじゃないから、苦味に驚くだろう。

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