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トカゲと散歩、お仕事しましょ  作者: *ファタル*
お休みの日ーその2
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 ウジャータさんの料理教室は中央に抜ける通りに面していて、噴水のある広場にほど近かった。

 2階建ての大きな建物だけど、ウジャータさんの家の方が大きいからか「噴水の近くの少し小さな建物」と聞いていた。



「大きいですね。」



「ああ。希望者が街の外からも増えてな。たしか昨年増築したと思う。」



 十分大きいよね。この辺は北でも中心になる転移局や商店が多いから大きな建物が目立つけど、その中でも大きい方に入ると思う。

 転移局には見つからないように、詰め所の転移陣を使わせてもらったけど、広場の方がちょっとざわついて来てる。



「中に入るか。このままじゃ目立つ。」



 同じく周囲の様子に気づいたクルビスさんの誘導で中に入る。

 入ってすぐにカウンターがあって、そこで自分の受講したい教室の手続きが出来るようだ。



 受付のトカゲの一族のお姉さんに声をかけようとしたら「ようこそお越し下さいました。クルビス様、ハルカ様。」と先に声をかけられてしまった。

 まあ、あれだけ派手な結婚式したら、街中で顔は知られてるよね。



「ご案内いたします。」



 先導してくれるお姉さんの後について行きながら、家の外壁に沿った廊下を歩きだす。

 ここの教室は1階と2階をそれぞれ4分割して使っていて、私が使わせてもらうのは2階の奥の部屋だ。



 1階は初心者用の教室が多いらしく、ひとの出入りが激しいので却下。

 2階は包丁の技術など、少し上級のことを習うらしく、情報が下手に漏れないように出入り口には警備を置くことになっているそうだ。



 そんな料理教室でと思うけど、実際、もっと上の技術を盗もうとして、覗き込もうとしたひとがいたそうだから仕方ない。

 料理でも技術があればもっと多くのお金が稼げるんだもんね。そりゃ知りたいわ。



 そんな機密性の高い2階に行くには案内がないと行くことは出来ないらしい。

 だから、ウジャータさんが受付のひとに案内をお願いしてくれてたんだけど。



 ガコンッゴゴゴ



 丁度建物の反対側に来た所で行き止まりになった。そのまま案内役の女性が壁に手をかけると、すごい音がして壁が動く。

 そうして目の前に現れたのは階段だ。うん。そうじゃないかなって思ってたよ。



 結婚前の挨拶でも見たことあるけど、この街の建物って家具でも階段でも基本的に隠すんだよね。

 お店や守備隊みたいなとこでもない限り、むき出しの階段を目にすることはまずない。



 まあ、この料理教室の場合は侵入者よけも兼ねてるだろうけど。

 鍵みたいなの差し込んでたしね。



 これ、私が来る時間はちゃんと決めてた方がいいだろうなあ。

 でないと、案内のひとが大変だよね。

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