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トカゲと散歩、お仕事しましょ  作者: *ファタル*
転移局のお仕事ー特別営業期間
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 イシュリナさんに連絡を取って、来てもらえることに決まってから数日。

 規模の小さなコンテストがチラホラと始まって、転移局は今日も大忙しだ。



「これとこれとこれとこれ。あと、これもよろしく。」



 カウンターの上にどどんっと積み上げられる荷物たち。

 ひとつひとつが私が抱えられるぎりぎりの大きさだ。



 送り状を見ると、どれも出品作品で、ぎりぎりに仕上げたらしい。

 大きなコンテストはそろそろ始まるから、駆け込みで送りたいって荷物が増えるだろうなあ。



 まあ、今日から『特別営業期間』だからか、込み具合はマシだけど。

『特別営業期間』は、大きなコンクールが始まる7日前くらいから、街の全ての転移局の営業時間が長くなるというものだ。



 最初はコンクールの数も少なかったし、普通の勤務時間で対応出来ていたのだけど、ここ数十年で小さなコンクールも増え、出品作品が大幅に増えて対応できなくなったそうだ。

 ついには、通常の食品などのやり取りが滞って、店の営業に差し支えるまでになって、転移局の営業時間を延ばすことで対応することになった。



 作品の出品者にも、業務用の荷物の受け渡しの時間は避けるようお願いしてある。

 今は通常の荷物の受付時間だから、大抵のお客様が技術者さんだ。



 だから、今も後ろに何人も並んでいて、入口の外まで列が出来ている。

 ノートと送り状の一致を確認して、宛先に間違いがないか本人に確認、料金をもらってすみやかに荷物をカートに移す。



「ありがとうございました。」



 そして次のお客さんに交代。

 ノートを受け取って、送り状を確認して、宛先に間違いが無いか確認して、と、延々と同じ作業を繰り返す。



 コンクール用のノートは別で数冊作ってあるので、お客さんから受け取って処理が終わったノートは、手の空いてる職員が列を整理するついでに並んでるお客さんに配って、必要事項を先に記入してもらう。

 それを私が受け取って、と繰り返すわけだ。



 やってもやってもお客様が減らない。

 お昼時のコンビニかって言うくらい、お客様が次から次へといらっしゃる。



 専用のノートを作って良かった。

 今日の様子なら、まずまず成功かな。



 コンクール専用のノートは今年からのアイデアで、毎年、特別営業期間は荷物をさばくのに時間がかかるというのを聞いて、皆で話し合って「せっかく数がいるなら、より効率的に」とやってみることになった。

 実際、このおかげでお客様を待たせる時間が少なくなって好評だ。



 念のため、「今年は職員の数が揃ったんで出来たんですよ~。」と一言添えるのも忘れない。

 だって、来年は出来るかわからないし。



 デリアさん、何とかこっちに来てもらえないかなあ。

 来年はこれを3人でとか、ホントありえない。



 デリアさんじゃなくても、臨時でもいいから、来年も来てほしい。

 どうにか申請通せないかなあ。

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