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お姉さんが持ってきてくれたメニューは飲み物を中心に軽食もいくつかあった。
飲み物は全員一致で季節のフルーツジュースで決まった。
他に野菜と果物のジュースやハーブティーなど、いろいろ種類はあったけど、この街の食事はフルーツと相性がいいように作られてるから、フルーツジュースにしておけばまず間違いがない。
後はお酒も合うけれど、ここはカフェなのでもちろん置いてはいない。
軽食も4~5種類で、ランチの追加に頼むには丁度いいものばかりだった。
その中に「フライドポテト」というエルフ文字を見付けた時には、聞かなくても誰が元ネタかすぐわかってちょっと遠い目をしてしまった。おいしいけどね。
キャサリンさんはフライドポテトが好物らしく、「ここのって揚げたてなんですよねぇ。」とウキウキと注文していた。
デリアさんは「海産物のマリネ」を頼み、私は「フルーツの盛り合わせ」を人数分頼むことにした。
カイザーさんは「私はフルーツを追加します。」と言っていたので、私の注文と一緒に頼んでいる。
用意してあったのか、フルーツジュースはすぐに来て、ランチはその後少し待つだけですぐに来た。
一つのプレートに全て乗っているタイプで、ライスやサラダの上にハンバーグっぽいものやカラフルな目玉焼きが乗っている。
これってロコモコ?だよね?
ハンバーグは普通に茶色っぽいんだけど、薄い茶色だ。
目玉焼きは元の卵の色なのか、白身が赤で黄身が白かった。
野菜は青やら黄色やら派手なものだけど、すっかり慣れてしまった。
ソースの濃厚な香りが食欲をそそる。
「これ、混ぜるんでしょうかぁ?」
キャサリンさんは見たことがないらしく、困惑している。
そういえば、どんぶり物って世界であまり無いんだよね。
こっちでも無いのかな。
となると、これも元ネタあー兄ちゃんかな?
何にしても、カイザーさんは知ってるらしく「混ぜる必要はないですよ。」とキャサリンさんに食べ方の説明をしている。
デリアさんも頷いているから、もしかしたら南地区ではよく食べられるメニューなのかもしれない。
「一緒に、ですかぁ。初めてですぅ。」
キャサリンさんが胸に手を当て、感謝を示して食べ始める。
他のひと達もそれにならって食べ始めた。
香り高いソースがフワッとしたハンバーグと卵に絡まって、何ともいえない一体感を生み出す。
暑い地域だから食べづらいかと思ったら、サラダのさっぱり感も手伝って、意外に食べやすかった。
確か、ロコモコってハワイの料理だっけ。
それなら食べやすいのも納得だ。