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トカゲと散歩、お仕事しましょ  作者: *ファタル*
転移局のお仕事ー日常その1
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 朝食を食べたら、身支度を整えて職場へ出勤だ。

 ちなみに、異世界のうどんは美味しかったです。まる。



 そして、私の出勤、退勤にはもれなくクルビスさんが付いてくる。

 初日にカイザーさん達から勧められてそのまま続けてもらってるけど、この間の勧誘の手紙なんかを考えても、仕事に関係なく、しばらくは一人で行動しない方がいいだろうと思っている。



 異世界の朝は早いから、出勤は朝の6時だ。

 日が昇るとお店は開きはじめる。



 涼しいうちに仕事をしてしまおうというわけ。

 その代り、日が沈むとお店は閉まる。



 夜更かしだって、夜の9時くらいまでだ。

 お日さまの活動と共に動くから、今の私はとても健康的な生活をしている。



「あ、はるかさーん!おはようございますぅ!」



 私に気づいた同僚のキャサリンさんが元気よく挨拶してくれる。

 両手を大きく降ってくれる彼女に、私も大きく手を振って挨拶をする。



「おはようございます!」



 そんなやりとりが聞こえたのか、鮮やかな青色のトカゲさんが顔を出した。

 数日前から臨時で手伝いに来てくれているデリアさんだ。



 南地区の転移局の術士さんで、お兄さんがこちらでお店を出していて、北西の地域の特殊性も理解している貴重な術士さんだ。

 お父さんが北西の地区でお店を長い間やっていて、事情があって離れて暮らしていたデリアさんもよく遊びに来ていたそうだ。



 彼にはお兄さんがいて、そのお兄さんは無くなったお父さんのお店を継いで、今はお総菜屋さんをやっている。

 本当はお兄さんひとりじゃなく、デリアさんもこっちにくる予定だったそうだけど、北西の転移局への移動が認められなかったらしい。



 恐らく、デリアさんが魔素の強い個体で、術士として有能だからだろう。

 デリアさんの体色は鮮やかな青色に黒いラインが頭のてっぺんから尻尾にかけて入っているから、ひと目で術士としての力量がわかるしね。



 彼の話を聞いた時のキャサリンさんとカイザーさんは、顔をしかめて「手伝いに来てもらえただけマシ」といった感じだった。

 悲しいことに、同じ転移局から差別を受けるのも、北西の転移局の特殊性のひとつだ。



「おはようございます。クルビス隊長、ハルカさん。」



 胸に手を当てて礼儀正しく挨拶してくれるデリアさんに、私もクルビスさんも挨拶を返す。

 そこにカイザーさんも顔を出してきて、一通り挨拶をするとクルビスさんは守備隊に帰っていく。



 その時にデコチューされるのはもうあきらめた。

 クルビスさんにとってこれが最大の譲歩だとわかるから、仕方ない。



 文句言ったら、以前、朝にやられてたやつみたいにディープなキスされるか、ぎゅうっとかなりの時間を抱きしめられるハメになるだろう。

 場合によったら、部屋から出してもらえなくなるかもしれないし。



 何せまだ蜜月は終わってないのだから。

 そう。つい先日わかったんだけど、終わったと思ってた蜜月が終ってなかったんだよね。



 お義母様のメラさんからの連絡で、まだ蜜月が終ってないからと遠出の任務を断ってるのをコッソリ聞いてわかったわけ。

 魔素にウソを言ってる気配もなかったし、つまり、私への執着は健在ということだ。



 少しでも私の気持ちが離れたような素振りをすれば、問答無用で軟禁コースだろう。

 うん。デコチュー1つでお仕事にいけるなら、文句なんて言いませんとも。

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