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スイートポテトを5回ほどおかわりすると、最後は通常の大きさのがいくつか並べられたお皿が来た。
どうやら、私たちが何度もおかわりしてるのを聞いたルドさんが、気を利かせてくれたらしい。
助かった。さっきのお茶で結構な魔素が減ったみたいで、食べても食べても、小さいのだけじゃ足りなかったんだよね。
それを見た長老さん達も、同じ大きさのスイートポテトをおかわりしていた。
キルビルさん達もおかわりしてるけど、魔素酔いにならないのかな。
クルビスさんに食べさせながら周りを見ると、他のテーブルは食べ終わって、お茶とおしゃべりを楽しんでるみたいだ。
同じスタグノ族とは言え、持ってる魔素の差かなあ。
こんなにおかわりしてるのはこのテーブルくらいだろう。
「ああ、もっと味わいたかったですわ。」
「本当に。このスイーツはいつ頃教室が開かれるのかしら。ぜひ、うちの調理師にも取得させたいですわ。」
「私は先程の肉のような魚が気に入りました。煮魚以外でも、魚があのように美味だとは。」
「ええ。甘いソースには驚きましたが、ただ甘いわけではありませんでしたな。あの香り、あの魚によく合っていた。」
「ええ。あの魚はどこで扱っているのでしょうか?今まで味わったことのない種類のようですが。」
あらら。好評なのは嬉しいけど、スイートポテトの料理教室や干物について噂になってる。
まあ、美味しいもの食べたら、次も食べたいってなるもんね。
料理教室で教えるのはまだまだ先だけど、干物はいつ出回るようにするんだろ。
冬である休眠期の前に大量に作るんだよね?
魚人の里で今からが生産のピークなはずだけど。
あ、メルバさん達がニヤニヤしてる。
「ふふふ〜。大成功〜。」
「これで休眠期前の蓄えはバッチリですな。」
「街にも干物が流通するのう。」
「調味料もバカ売れじゃて。」
あ、それで生姜焼きもここでお披露目したんだ。
守備隊のメニューになるんだから、かき氷の時みたいに、ほっといても十分知られるのになあと思ってたんだけど。
メルバさんと長老さん達のゴリ押しだったとは。
キルビルさん達はニコニコと目を細めて、ウキウキしてるメルバさん達を見ている。
明るい魔素しか感じないから、キルビルさん達は不満はないみたいだけど、他所の一族のお披露目で無茶やるなあ。
あ、クルビスさんお腹いっぱいになりました?