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トカゲと散歩、お仕事しましょ  作者: *ファタル*
転移局のお仕事ー引き抜きの話
39/397

 *****************



 昼食の後は何事もなく、持ち込まれる荷物の整理に追われるだけだった。

 ちなみに、お昼ご飯は和風定食でした。



 豆腐ハンバーグ美味しかった。

 メロウさんの食堂にはちょくちょく食べに行こう。



 今日の夕飯は何にしようかなあ。

 お昼が和食だったから、夜は洋食がいいなあなんて考えてると、声をかけられた。



「あのう。お忙しい時に失礼いたします。」



 え。何。私?

 何だろうと振り返ると、すでにカイザーさんが対応に出てくれていた。



 忙しい時にすみません。

 どうやら、よその転移局のひとだったみたいで、青の一族のひとだった。



 ここから一番近い広場の転移局のひとらしく、「上司から北西の転移局の皆さまにはくれぐれもよろしくと~。」と長々と向上を述べて、手土産だとお菓子を置いて行った。



 青の一族らしいなあ。

 挨拶の感じからして、引き抜き出来ないと引き下がったけど、つながりは持ちたいってやつ?



 こういうのがこれから毎日来るのかなあ。

 挨拶だけならいいけど。



 同じようなことはカイザーさんも思ったみたいだけど、苦笑しながら「せっかくですから、お茶にしましょうか。」と提案してくれた。

 確かに気にしても仕方ない。



 キャサリンさんも手を止めて、臨時のおやつタイムになった。

 そこで私の菓子教室の話と守備隊でのおやつの習慣の話になって、以後、北西の転移局でのおやつが定着することになるんだけど、それはまた別の話。



 その後は何事もなく仕事に集中していると、戸口から声がかかった。



「ハルカ。」



「クルビスさん。」



 あれ。もう終業時間だ。

 壁にかかった時計を見ると、もう夕方だった。



 カイザーさんもキャサリンさんも片付け始めている。

 気づかなかったなあ。あ、鐘の音かあ。



 ここの世界のひと達は聴覚もヒトとは比べものにならない程いいから、中央地区の広場にある時計塔の鐘の音が聞こえる。

 日に何度か慣らされるそれは、時計が一般的でない街での生活に欠かせないものだった。



 でも、私には当たり前だけど聞こえない。

 遠すぎるからだ。だから、普段は職場や守備隊にある壁掛け時計が頼りだ。



 噴水作れる技術があるなら、時計ももっと普及させられると思うんだけどなあ。

 仕事を始めて、腕時計が恋しくなった。



 この世界では柱時計とまではいかないけど、時計は壁掛けくらいで、持ち歩くような時計は存在しない。

 必要ないからだ。普段の生活には鐘の音で事足りるしね。



 だから、異世界初日に腕時計を見せたら驚かれたんだよねえ。

 それが私が異世界から来た証拠のひとつになったわけだけど、今は封印していて門外不出のものになっている。



 これからはもっと気をつけて時計を見るようにしよう。

 反省した所で、最後の荷物を籠に移して今日の業務は完了だ。



「あ、ハルカさんも終わりましたぁ?こっちも終わりですぅ。」



「お2つともお疲れ様でした。今日の業務はこれで終了です。」



「「お疲れ様です。」」



 キャサリンさんが声をかけてくれて、それを確認したカイザーさんが業務の終了を宣言する。

 よし、お仕事終わりだ。



 せっかくだから、クルビスさんとのんびり屋台を見て帰ろうかな?

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