表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トカゲと散歩、お仕事しましょ  作者: *ファタル*
新しいレシピのお披露目
388/397

10

 デザートはかき氷だった。

 ただし、花の香りを移した黄色い蜜をかけて食べるものだ。



 添えられた蜜のカップから花の香りが漂ってくるくらいだから、一般に出回っている蜜よりも花の香りが強い気がする。

 添えられてるのは赤黒い塊だ。



 色はなかなか目に痛いけど、このトッピングの仕方には見覚えがある。

 他のひと達も気がついたようで、長老さん達も興味深そうに赤黒い塊を見て言う。



「餡子、ですかな?」



「しかし、色が違いますなあ。」



「何やら粒が混じってますな?」



 確かに。赤黒い色が目についてわかりにくいけど、中に何か黒っぽい粒が混じってるみたい。

 何かと混ぜたのかな?どんな餡子なんだろう。



「とりあえず食べてみようよ~。いい香りだし~。」



 メルバさんが一番に口に入れる。

 甘いものが好きだから、待てなかったんだろうなあ。



 私が餡子作った時も真っ先に食べてたし。

 うわ。メルバさんが固まってる。



 どんな味なんだろう。

 逆に興味湧いてきた。



 よし。食べてみよう。

 赤黒い塊をスプーンですくってひと口。



 あ、ゆずだ。

 ゆず餡だ。これ。ちょっと苦いけど。



 え。ゆずみたいな果物あったんだ。

 うわあ。柑橘系のさわやかな香りと独特の苦みもあってさっぱり食べれる。



 今は一番暑い時期だから、デザートにはぴったり。

 なんの果物なんだろう。



 ああ。知りたい。

 でも、アレンジしたものは開発したひとに権利があるから、教えてもらえないんだろうなあ。



 じゃあ、ゆず餡を味わおうと思ったら、お店に通わなきゃ。

 それはそれで楽しいかも。



 そんなことを思いながら、今度はかき氷をひと口。

 ふわふわのかき氷に甘~い蜜が口ですぐに溶ける。



 不思議な蜜だなあ。

 甘いと最初に思うのに、すぐに口の中で消えちゃう。



 魔素も多くないし、一体どんな花の蜜なんだろう。

 いい香りだけど、私の知ってる香りじゃないから、なんて表現すればいいかわからない。



 でも、鼻につくような感じもないし。

 これならスイスイ食べれちゃうなあ。



 でも、かき氷は気をつけないと、頭キーンってなるから。

 餡子と交互に食べよう。



「…くう。」



 あ、クルビスさんったら、またキーンってなってる。

 もう、あれ程一気に食べたらダメだって言ったのに。



「うう。」



「頭が…。」



「しかし止まらんわい。」



 長老さん達も、やめましょうね。

 あ、温かいお茶が来た。



 さあ、これ飲みましょう。

 クルビスさんも。



「…ありがとう。」



 いえいえ。

 わ。いい香りのお茶。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=721049258&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ