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「さて、本日の披露目の予定ですが、事前にお知らせしました通り、最初にアース殿の店のメニュー、次に魚の干物を紹介して、最後にスイートポテトのお披露目となります。」
「紹介する数が多いので、店のメニューも少量で用意してもらってます。」
私のメニューは砂糖使ってるから、たくさん食べると魔素酔いになるもんね。
だから、スイートポテトは、私とルドさんに調理部隊のメンバーで一口サイズの小さいのを人数分作って、別で納品済みだ。
このお宅の厨房には、前に私の料理教室に参加して下さった方がいるので、事前に作っておいてもらうことには反対されなかった。
むしろ、作り置きが出来るメニューが増えたと、喜ばれたくらい。
「はい。ありがとうございます。私の方でも、スイートポテトも小さく作りましたし、魚の干物のソースも、今回は薄めに作ってもらうようお願いしました。」
お願いしたのは、ルドさん。
もともと、アースさんのお店の人とは知り合いらしく、手伝いを頼まれていて、上手く休みがとれたので、二つ返事でOKしたらしい。
ルドさんは調理師のレベルが高いから、そういうことがたまにあるそうだ。
だからか、公務員みたいな仕事なのに、アルバイト禁止じゃないとか。
私はレシピを紹介する仕事があるので、厨房はアースさんのお店の人とルドさんにお任せだ。
青の一族の厨房の方々は、私のレシピに関しては作って良いことになっていて、アースさんのお店の人とは違う場所で調理することになっている。
「楽しみですね。アース殿の店は屋台の頃から良い味を出していましたし、ハルカ様のレシピも期待しています。」
「さすがキルビル殿、屋台の時からご存知でしたか。」
「ははは。美味しいと聞くと食べに行かずにはおれなくて。しかし、先に見つけて教えてくれたのは兄なのです。」
キィ隊長なら、しょっちゅう街を歩いてるから、美味しいお店は詳しそうだ。
アースさんもキルビルさんの説明にすごく納得したみたいで、頷いていた。
「そんなお話を聞いたら、早く食べたくなってきました。」
オルファさんは目をキラキラさせて、キルビルさんとアースさんの話を聞いている。
私もなんだかお腹空いてきたなあ。