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トカゲと散歩、お仕事しましょ  作者: *ファタル*
転移局のお仕事ー新手の勧誘?
361/397

「あ、そうそう。お休みの間にぃ、これ、届いてましたぁ。」



「え。」



「ハルカさん宛てになっているんですが、魚人の里からのようでして。」



 キャサリンさんが急に立ち上がって、いそいそとカウンターから荷物を取り出す。

 カイザーさんが補足してくれた。



 魚人の里からの荷物。何だろ?

 あ。クルビスさんのお土産!



「ああ。多分、伴侶が私にと買ってくれたやつだと思います。数が多くて、別で送ってもらうことになってしまって。」



 いらないって断ってるのに、似合うと言っては、私の伴侶はネックレスやら細工の箱やら買っていた。

 あまりに嵩張るので、別で送ってもらうことにしたんだよね。忘れてた。



「お土産ですかぁ。ルシェリード様もぉ、イシュリナ様に山のように買ってたって聞いてますぅ。」



「それが切っ掛けで魚の干物やゼリーなども街に広まったんですよね。」



「そうなんですか?」



「知りませんでした。」



 私の説明にキャサリンさんは納得し、カイザーさんが豆知識を披露してくれた。

 私とデリアさんは驚いてカイザーさんを見る。



「意外と知られてないんですよね。私の祖父が乾物を売るようになった切っ掛けがゼリーだったそうで。その話はよく聞かされてまして。」



 はああ。昔はゼリーってなかったんだ。

 ルシェリードさんは新しいものや珍しいものが好きだから、気に入ったんだろうなあ。



 もしかしたら、出来立てを食べたのかもしれない。

 メルバさんがゼリーって名付けたみたいだし、話に聞いてたとか。



「へえぇ。ゼリーって、魚人の里で作られるんですねぇ。知りませんでしたぁ。」



 珍しい。キャサリンさんが知らないなんて。

 でも、知られてないみたいだし、キャサリンさんのご実家では乾物は扱わないもんね。当たり前か。



 ん?なんだか、キャサリンさんの目がキラキラしてるような。

 カイザーさんも恥ずかしそうに目を細めて照れてるような…。



 ちらっとデリアさんを見れば、微かに頷かれる。

 んんん?もしや、私がいない間にちょっと進展したみたい?



 聞きたいけど、本人達の前じゃねえ。

 何があったんだろう。気になるなあ。



「すみませーん。もう開いてますか?」



「あ。いらっしゃいませ。」



 ああ。残念。お客様だ。

 もうちょっと、あのままのふたりを見てたかったなあ。



 カイザーさんはすっかり仕事モードだし、キャサリンさんも転移陣の方に行ってしまった。

 しょうがない。話を聞くのは後にしよう。

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