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「おはようございます。」
「あ〜!ハルカさん!クルビス隊長!おはようございますぅ。おかえりなさいぃ。」
1週間ぶりの職場だ。
緊張しながら挨拶すると、真っ先に気づいたキャサリンさんが大きく手を振って出迎えてくれる。
「おはようございます。ご無事でなによりです。」
「おはようございます。おかえりなさい。」
キャサリンさんの声に気づいたカイザーさんとデリアさんも表に出て来てくれたので、挨拶する。
たった1週間だけなのに、すごく久しぶりな感じがする。
クルビスさんと別れて転移局に入ると、体調のことや、魚人の里のことを聞かれる。
特にキャサリンさんは、魚人の里に興味津々だ。
「魚人の里ってぇ、建物も光り輝いて、海の輝石みたいだってウワサなんですけどぉ。ホントですかぁ?」
いつも驚くんだけど、キャサリンさんの情報って正確だなあ。
そのウワサって何処から出たんだろう?早すぎない?
「ええ。ホントです。キラキラした建物でとても綺麗でした。もう、ウワサになってるんですか?」
「うわぁ!そうなんですねぇ。今回のウワサはぁ、イシュリナ様が訪問された時のことをご存知の方達から仕入れましたぁ。久々の訪問なので、皆、このウワサばかりしてますから、街にも広まってると思いますよぉ。」
そんなにウワサになってるの?
しかも、キャサリンさんは仕入れたって、イシュリナさんの結婚式も魚人の里への訪問もかなり昔の話だよね?
皆がウワサしてるとはいえ、よく調べられたなあ。
知ってる人を探すだけでも大変そうだけど。
「後はおばあちゃんの記録と照らし合わせて、光り輝くってウワサも海の輝石みたいな感じだろうなって、そこは私の予想なんですけどぉ。」
鋭い。さすがキャサリンさん。
実際、壁には海の輝石の粉が入ってるから、キラキラしてるんだよね。
でも、魚人の里の情報はあまり出さないようにとクルビスさんにクギを刺されてるから、キラキラしてたくらいしか答えられない。
そんな答えでもキャサリンさんは満足したらしく、頷いて満足そうだ。
それにしても、キャサリンのおばあさんの記録も凄そうだなあ。
見せてもらえないだろうけど、ちょっとだけ覗いてみたいかも。