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25

 最後の試食は戦士部隊のシード副隊長。

 クルビスさんは先に済ませてたので、まだ上でお仕事してるらしい。



 術士部隊のおふたりが呼んでくれたので、すでに干物は焼いてある。

 後はタレに絡めて出すだけだ。



「うお。すげえ匂い。魚、なんだよな?」



 すごい匂いといいながら、目を見開いたのは一瞬で、すぐに目を細めてうっとりした感じになる。

 魚といいながら肉の匂いだからか、嫌いな匂いじゃないみたいだ。



「皆、驚くの。」



「まあ、魚と聞いてこれではな。」



「どうしても肉を連想するもんじゃ。」



 長老さん達が笑って言うのに気づいたシードさんが、長老さん達に向かって礼を取る。

 シードさんには珍しいことだ。それだけ肉の匂いが気になったんだろう。



「まあ、とにかく食べてみてくれ。それでわかる。」



「お。ルドがそういうってことは結構自信あるんだな。」



 ルドさんがシードさんに着席を勧めて、シードさんもワクワクした様子だ。

 それを見て、ルドさんが手際よくタレを作って干物に絡めていく。



 もう麻痺しちゃってるけど、それでもいい匂いが部屋に充満する。

 作ってる時が一番いい匂いだよね。



 シードさんもそう思ったのか、待ちきれない様子で身を乗り出している。

 その間に長老さん達がご飯をよそって、シードさんに出す。



「これにはリギが合うんじゃ。」



「まあ、騙されたと思って食べてごらん。」



「おお。出来たようじゃの。」



 長老さんが説明してる間に生姜焼きもどきが完成。

 さあ。どうぞ。



「ふー。はぐ。もぐもぐもぐ。ごくん。」



 む、無言。食べる音だけが厨房に響く。

 かきこむようなことは無かったけど、お箸が止まらないようだ。



「気に入ったみたいだな。目を閉じてる。」



 ルドさんが目を細めて、嬉しそうに言う。

 へえ。シードさんが目を閉じて食べ始めると気に入ったってことなんだ。



 味わうのに集中するためかな?

 あ、お箸を置いた。



「ふう。」



 お水を一息に飲んで、息を吐き出す。

 そこでようやく目を開いた。



「どうだった?」



「ん〜。ちょい濃いめだなとは思う。北だと好みが出そうだ。でも、西ならこれでいい。辛味をきかしても良さそうだよな。俺はかなり気に入った!」



 辛味かあ。

 西の料理は辛いものが多いからなあ。味が濃くてもいいんだろう。



 北はアッサリめの料理が多いから、これじゃあ濃いとシードさんも思うんだ。

 うーん。地区ごとにも好みの味が違うのかあ。じゃあ、注意書きは必須だな。

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