表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
357/397

23

 一通り食べて、使えそうなものをメモしたら、隊長さん達が試食する時間になった。

 いつの間にかルドさんが生姜焼きモドキを作っている。



 そういえば、夕食どきなのに、料理長がここに居て良かったのかな。

 たまに干物をいくつか持って隣の厨房に顔を出してたり、長老さん達の干物の話を熱心にメモしてたけど。



 干物を知るのが最優先だったとか?

 ありそうだよね。守備隊じゃあ、日々新鮮な食材を使ってるから。



 北の守備隊のほとんどの調理師さん達だって、干物は扱いをあまり知らないだろうし。

 この試食で、ルドさんに何か閃くものがあったなら嬉しいけど。



 そんなことを思いながら、試食の準備のお手伝いしてたら、隊長さん達がやって来た。

 まずは、フェラリーデさんとリリィさんの治療部隊から。



「煮魚、では無いですね。甘い香りだ。」



「香ばしくて、すごくお腹に訴えて来ます。楽しみです。」



 甘い香りに喜ぶフェラリーデさんに、生姜焼きの香ばしさにウットリしてるリリィさん。

 美形な2人がウットリ微笑まれると、それだけで見惚れるほどに輝きが増す。グハッ。



 久々にダメージ食らったなあ。

 美形のトロける笑顔が心臓に悪いこと。



「さあさあ。よう来た。」



「ほれ、リギもな。」



「あったかいうちにお食べ。」



 長老さん達の誘いに我に返ったフェラリーデさん達は、席につくと待ちきれない様子で、生姜焼きモドキを一口食べる。

 そして、そのまま固まった。



「・・・何という。」



「ん〜〜!」



 フェラリーデさんは呆然と涙を流し、リリィさんは頰に片手を当てて奇声をあげてる。

 そんな大袈裟な。長老さん達だってここまでじゃなかったのに。



「まあ、仕方ないかのう。」



「煮魚とは違う強烈な味じゃしの。」



「わしらはアタルや長様の料理でいくらか耐性があるが、若いもんは無理じゃろなあ。」



 ああ、お肉食べないから、濃い甘辛は経験が無いわけですね?

 長老さん達はあー兄ちゃんやメルバさんが作ったのを食べたことあったみたいだ。



 意外だなあ。

 もしかして、あー兄ちゃん、すき焼きみたいなのとかも作ってたりして?気になるなあ。



 それに、フェラリーデさん達でこれなら、このソース守備隊で出すようになったら、治療部隊の皆さんがものすごい騒ぎになりそうだ。

 あ。ルドさんが「治療部隊は勤務後に食べるようにするか。」って呟いてる。同じこと考えてたみたい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=721049258&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ