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ご飯が終わってしばらく休憩したら、クルビスさんにルドさんに魚を見ても良いか聞いて来てもらうことに。
ルドさんの方は問題ないみたいで、検診で問題がなければ魚を見せてもらえることになった。
その場にフェラリーデさんもいたらしく、すぐに検診へ行くことに。
私が普通に医務局に入ってきたことに、治療部隊の面々にはとても驚かれて、かえって私が驚くことになってしまった。
「さすがはハルカ様です。」
「アニスはまだ休んでるんですよ?」
どうやら、私の回復はかなり早いらしい。
海の底から帰って来て、1日動けないことも普通なんだとか。
「はい。問題ないようですね。普段の生活をされても大丈夫です。もちろん調理も可能ですよ。」
周りの注目を集めつつも、検診開始。
フェラリーデさんの質問に幾つか答え、魔素を見てもらったら、この答えが返ってきた。
良かった。自分で大丈夫って思ってても、お医者様に大丈夫って言ってもらえるとホッとする。
調理も可能ってことは、干物を見て、使えそうなものがあったらその場で調理が出来る。
「ありがとうございます。」
ウキウキと私がお礼を言うと、フェラリーデさんは何故か困った顔。
美形ってどんな顔でも美形だよね。ご馳走様です。
「順調に回復されてて何よりです。後日、うちの長老たちがお邪魔すると思いますので、申し訳ないのですが、お相手してもらえませんか?」
長老さん達来るの?
それが困り顔の理由かあ。
長老さん達が来る理由なんて、1つしか思い浮かばない。
どうしても新しいお出汁が知りたいらしい。
後日ってことは今日じゃないみたいだけど、明日にはやってきそうだなあ。
これは、お出汁を優先に干物を捜した方がいいかもしれない。
その前に、ルドさんにエルフのお出汁について知ってるか聞いてみないとなあ。
あ、もしかしてフェラリーデさんだったら知ってるかな?
「もしかして、お出汁のこと、みたいですね。」
「ええ。それに、何かハルカさんに作って欲しいものがあるようで、何やら調味料がどうとか言っていました。」
調味料?
何だろう、もしかしてお味噌とか持ってきてもらえるんだろうか。
だったら、みりんが欲しいなあ。
みりん干しが出来れば、干物の見方も結構変わると思うんだよね。
ただ、つけ汁の作り方がわかんないんだけど…。
あーにいちゃんだったら知ってるだろうなあ。