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私に食べさせるために送られてきたものらしく、今日の夕食は干し魚尽くしだそうだ。
とにかく食べて、知ってる味かどうか確認してほしいらしい。
随分急ぐんだなあ。
昨日の今日だよ?
「今は小さな魚が回ってくる頃らしくて、魚人の里ではもうすぐ本格的な冬眠期の保存食の生産に入るらしい。その前にハルカが必要になりそうな分は、おおまかで良いから知っておきたいそうだ。そして、これはリードの考えだが、長さまは出来れば冬眠期前にはレシピを教えて欲しいということではないかと。」
ああ。そういうことなら。
小魚おつまみ以外も、みりん干しとか出来たらいいよね。
それでも、冬まではかからないとは思うけどね。
私が料理教室もやってるから、気を遣って下さったのかな。
暑さにバテてるのも知られてるしね。
暑さといえば、いくら海の中とはいえ、こんな暑い時期に魚干したり出来るのかな?
どう考えても腐る方が早そうだけど。
砂糖をまぶしたりしてたし、それで腐らないようにしてたりして。
「今の時期に干すんですか?腐ったりしませんか?」
「ああ。見学した工場のように専用の建物があって、そこは一定の低い気温に保たれているらしい。まだ閉鎖中で、もうすぐ稼働するそうだ。」
稼働時期が決まってる工場なんだ。
冬の気温の建物って、冷蔵の倉庫みたいなものなのかな。
きっと作ったのはメルバさんだろう。
メルバさんの食への探求心ってすごいなあと、しみじみ思う。
「すごいですねえ。一定の気温にするだなんて。」
「長老さま達の力作らしい。「新しい出汁をよろしく。」と伝言もついていたそうだ。」
予想外れてた。まさかの長老さん達だったとは。
しかもお砂糖も関係なかった。
そして、昨日の今日で小魚レシピの件が長老さん達にまで知られてるなんて。
きっと、エルフの里では知らないひとはいないんじゃないだろうか。そんな気がする。
長老さん達はおつまみよりお出汁の方に関心があるみたい。
う~んでも、昆布みたいな海藻はお出汁には向かなかったんだよねえ。
そういえば、こっちのお出汁って基本的にどうなってるんだろう。
エルフの里ではお味噌汁は出て来たから、基本的な鰹節のようなものはあるはずだけど…。
そもそも煮出せば出てくるんだろうか。
枝豆の味を出すのに、青い豆を炒らなければいけなかったくらいだし、調理法は微妙に違うかもしれない。
そうなると、ルドさんに協力してもらって、いろいろな方法で試しながら、出汁が上手く出せる方法を探り出さないといけないかも。
うわあ。結構時間かかりそう。出汁に向いてそうな魚は食べればある程度わかると思うけど、出汁のレシピは難しいかもしれない。




