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瞼を閉じているのに明るい日差しを感じて、意識が覚醒してくる。
ううう。日差しが眩しい。
いや。陽球の光だ。これ。
地上に帰ってきたんだっけ。
食事が終わって転移陣で帰ってきたら、もう夜だったんだよね。
一緒に行った隊士さん達には魚人の里の洞窟で挨拶はすませていたし、思った以上に疲れてたから北の守備隊にまっすぐ帰ってきたんだっけ。
衣装を脱いで、気力だけでシャワーを浴びてそのままベッドへって思ったのまでは覚えてるけど…。
ああ。だるい。何だか変な感じ。
「ハルカ。大丈夫か?」
クルビスさんはもう起きていたのか、隊服に着替えている。
ううう。起きます。ご飯食べる。
「無理しなくていい。地上に出る時に結構魔素が減ったからな。今日はゆっくり休んだ方がいい。」
え。そうなんだ。
じゃあ、このだるさって魔素の使い過ぎかあ。
なら、なおのことご飯食べなきゃ。
私が唸りながら身体を起こそうとすると、クルビスさんにやんわりと止められる。
「俺が食事を持ってくるから。ハルカは寝てていい。」
ううう。お願いします。
私の返事を聞いたクルビスさんは、さっさと下に降りて行った。
にしても、行くときは何ともなかったのに、海の底から帰ってきたらこんなに疲れるなんて。
授業では習わなかったなあ。どういうことなんだろう。
もしかして、視察に各一族の代表が隊士さん中心で選ばれたのって、これもあったんじゃないかな。
クルビスさんは平気そうだったけど、他のひとはどうだったんだろう。
明後日から仕事に復帰予定だけど、もしかしてこの日程って、回復のための休みも入ってたんじゃあ。
2日前から準備して、2日滞在、休み2日の計6日かあ。
最初は一週間の滞在かと思ってたけど、飛行機とかで移動するのとは違うからこういう風になってたんだなあ。
私はともかく、クルビスさんや他の隊士さんはそんな休めないだろうから、もっと短いのかもしれない。
「持って来た。果物とジュース、それに汁粉だ。」
つらつらと考えていたら、クルビスさんが戻ってきた。
ああ。お汁粉食べたい。
ルドさんがわざわざ作ってくれたのかなあ。
隊士さんの食事もあるから大変だったと思う。
食べて動けるようになったら、お礼言いに行こう。
まずは、身体を起こさなきゃ。